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2006年3月 6日 (月)

四季「マンマ・ミーア!」全開☆ドナ&ダイナモス

もう大阪でこの作品に接するのも3回目。東京と同じ数だけ観ていることになる。回を重ねるに連れてどんどん好きになる、素晴らしいエンターテインメントだ。

実は昨年末、「アスペクツ・オブ・ラブ」が終わって保坂知寿が復帰したと聞き、観ようと思ってチケットも買ったのだが「木村花代、ヴァルを演じる」のニュースで吹っ飛んでしまった。そのときの約束(自分との)があるので、何としても早いうちにまた大阪に来なければいけなかった。

そこに、長期間固定されていた父親3人がキャス変という知らせ。しかも荒川務と野中万寿夫の投入だ。これはもう、いてもたってもいられない。

そのキャストがこれだ。

ドナ・シェリダン 保坂知寿
ソフィ・シェリダン 宮崎しょうこ
ターニャ 前田美波里
ロージー 青山弥生
サム・カーマイケル 荒川 務
ハリー・ブライト 明戸信吾
ビル・オースティン 野中万寿夫
スカイ 鈴木涼太
アリ 丸山れい
リサ 玉井明美
エディ 川口雄二
ペッパー 鎌滝健太

やはり保坂のドナは飛び抜けていい。早水小夜子ドナも良かったが、やはり歌の迫力、演技の間合い、チャーミングさ、どれをとってもホメ言葉しか出てこない。四季以外ではロンドンで1回しか観ていないが、それと比べても完全に保坂が上回っている。世界レベルであることは間違いない。

世界レベルは保坂だけではない。保坂に超強力ダイナモスコンビの前田美波里・青山弥生が加わった3人の破壊力もすさまじいほどだ。しかも今回の公演では、その3人がいつも以上にはじけ飛んでいたのだ。

その理由は、3人の父親役の交代にある。やはり今回投入された2人は、キャリアにおいても、そして役者としての深みにおいても、今までこの役を演じてきた2人とはケタが違う。荒川は少し声がつらそうだったが、「元アイドル」のオーラを存分に生かして人生に疲れた雰囲気をにじみ出してている。野中はあえて演技を押さえ気味にして、「豪快なイメージがあるが内面はナイーブ」というキャラクターになりきっていた。ただ一人の続投組、明戸も相変わらず美しい歌声と憎めない雰囲気で、ハリーの優しすぎる側面を描き出している。

この実力ある3人が、決して前面に出ることなく、どうにもサマにならない男たちに徹することで、ドナ&ダイナモスの3人がより一層輝いて見えるのだ。そしてドナたちも、相手が実力者だという安心感があるから、容赦ない演技を仕掛けることができる。それがまた舞台のパワーを増幅する。サムとドナが歌う「S.O.S.」は、互いの気持ちがひりひりするほど伝わってくる。パリ時代を思い出すハリーとドナは、本当に20代の表情になっている。結婚式場でビルとロージーが演じる駆け引きは、仕草や表情でなく2人の距離を自在に伸縮させることで爆笑を誘うという、これぞコメディという芸術だ。この何カ月か、ドナたちは男優に対して遠慮があるように見えた。この公演ではそんなものはみじんも感じさせず、フルスロットルで最後まで飛ばしていた。これこそマンマ・ミーアの真骨頂ではないのか。

この脚本が緻密に計算された、美しい構造で成り立っていることは前に触れた。そのひとつに「3人セット」の構図がある。つまり世代と性別で、「ドナ・ロージー・ターニャ」「サム・ビル・ハリー」「ソフィ・アリ・リサ」「スカイ・エディ・ペッパー」という3人×4チームに分けられ、それらが個人戦・団体戦を繰り返すのがこの作品なのである。

だから、4チームの力のバランスは重要だ。今回は、上記のように前者2チームは申し分ない。また、「スカイ・エディ・ペッパー」も良かった。鈴木涼太のスカイは安定感がある。また彼の売りは笑顔だが、その笑顔が何かを隠しているような作り笑いに見えるので、そこにスカイというキャラクターの複雑さを想像させてくれる。エディには「コーラスライン」から川口雄二が帰還。決して目立つ役ではないが、なぜか強烈な印象を残すのは、彼特有の「四季らしくなさ」だ。実際、彼は他からの移籍組である。しかしミュージカルの歴史を変えた革新的なこの作品には、川口のような存在こそ必要だ。ペッパーは、役そのものが強烈なので役者の印象が残りにくいが、鎌滝はなかなかいい表情をする。顔もマギー伸司みたいでナイスだ。

問題は「ソフィ・アリ・リサ」の3人娘。宮崎はかわいいし、好きな女優の一人だが、ソフィの衣装を着せると、うーん、見た目ちょっと微妙である。歌はうまいし、何となく保坂と親子っぽい顔なので観ているうちに慣れてくるが、どうも違和感があることは否めない。それ以上にアリとリサが弱すぎる。やはりリサ役には可絵ちゃんがいてほしいし、アリにはもっと強烈な明るさが欲しい。八田亜哉香がヴァル固定である以上、あとは…。森実友紀、カムバーック!

贅沢を言えないのが今の四季の台所事情。だが観客に台所を心配させるようでどうする、と言いたい。まあ厳しくなると動員のためのイベントが増えるのはいいが。今回も会員証提示でブロマイド(死語)をもらった。中が見えないように1枚1枚封筒に入っているが、それがいかにもブロマイドを入れる封筒、という感じでグッド。分からない人はライダーカードとかが入っていた封筒を思い出すといい。

↓このカウンターに会員証を持って行こう。

nec_0147.jpg

ところで、荒川務はカーテンコールのあの衣装が、ばっちり決まっていた。あの衣装が似合う俳優は初めて見た。さすが70年代アイドルである。

「マンマ・ミーア!」のホームページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.html

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コメント

マンマ、初年度に海で一度観たきりの私はもはや記憶のかなた状態です…。
たしかに今の四季はどこもかしこもキャストが揃ってきていますね。
しょうこちゃんソフィはビミョーなんですか?ちょっと気にはなってるんですが。

投稿: fudoh | 2006年3月 6日 (月) 03時36分

ソフィ役は、濃いめの人はみんなビミョーなんですよ。
花ちゃんもちょっと厳しかったし(かわいかったけど)、吉沢梨絵もはまってはいるけど見た目はちょっと。
髪型固定がよくないのかな?役者に合わせて変えればいいと思うんですが。
でもしょうこちゃん歌もうまいし、実はスタイルもいいことがわかりました。

投稿: ヤボオ | 2006年3月 6日 (月) 22時53分

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