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2006年3月19日 (日)

臨海エリア・ぶらり途中下車ボウケンの旅

先々週の関西1泊旅行は楽しかったが、どうも遠征するとひとつでも多くのことをしようとスケジュール優先になってしまい、ふらりと気ままに歩く、ということができない。たまには近場でのんびりした1日を過ごしてみよう。そこでこの週末は、「りんかい線」を中心に、その近辺を散策することにした。理想は滝口順平のナレーションでお馴染み「ぶらり途中下車の旅」だ。

ということで土曜の朝。のんびりと5時起床。実は前の日も5時起床、その前の日は4時起床だった。それでも遊びとなるとばっちり目が覚めるからふしぎだ。

5:30

とりあえず目的地までは車で移動しよう、と駐車場に向かう。車を動かすのは、大晦日以来だ。

やっぱりバッテリーが上がっていた。いきなり出足でつまずくとは。

しかしくさってはいけない。先日始まったスーパー戦隊シリーズ「轟轟戦隊ボウケンジャー」の主人公たちは、どんな逆境も「これもボウケンだ」と涼しい顔をして乗り越えている。自分もまねをしてみよう。

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とりあえずJAFを呼ぶ。実は大晦日の朝も呼んだのだ。まったく3カ月ぐらいでバッテリーが上がってしまうなんて、日本の自動車産業もまだまだである。

30分ほどでJAFの人が来てくれた。開口一番「またですか」。大きなお世話だが、早朝に呼びつけておいて怒るわけにもいかない。

ここまでスッカラカンになっていると充電も相当時間がかかるが、今日はのんびり1日を過ごさなくてはいけない。新しいバッテリーに積み替えてもらおうとすると「あーすいません、今日このタイプのバッテリー持ってきてないんですよ」。

これもボウケンだ。

仕方なく近くのガソリンスタンドへ。無事に新しいバッテリーを装着し、いざボウケンの旅へ。

6:30

BGMは「THE IDOL M@STER」で秋月律子が歌う「魔法をかけて!」。快調に走り出したがすぐに大渋滞。やはり6時台に入ってしまうとこうなるのだ。きょうは1日のんびり過ごすのだから、こんなところでのんびりしている暇はないのだ。いらいらしているうちに、重大な問題が起きた。猛烈に尿意をもよおしたのである。

これもボウケンだ。

と余裕をかましていたのも最初のうち。だんだんのっぴきならない状況になってきた。しかし首都高速の上である。路肩に駐車して用を足すのもあんまりだ。それにスケジュールが遅れてしまう。やはり走行しながら問題を解決しなくてはならない。冷静に車内を見渡すと、あいにくペットボトルなど、携帯トイレに代用できそうなものはない。

だが小さいコンビニ袋があった。しかしちょっと古いので、穴が開いているかもしれない。何かその周りを囲むものがあったほうがいい。目に入ったのがプラスチックの小さいゴミ箱。うん、この2つを組み合わせれば使えそうだ。

椅子をぐっと後ろにスライドさせ、体を前方に乗り出し、ズボンとパンツをおろして即席のトイレを固定する。

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なんとかいけそうだが、渋滞中とはいえ走行中である。さすがに放尿を開始して、それを急に止めることはできない。事故を起こしたら目もあてられないし、事故を起こさなくても別の罪で逮捕されてしまいそうだ。

断念して、目的のインターよりだいぶ前で高速を降り、コンビニでトイレを借りる。

結局予定より1時間も遅れ、8時すぎに第一の目的地、東京ディズニーランドへ。

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すでに駐車エリアは「ピノキオ」である。もう春休みシーズンだ。

8:15

なぜここに来たかというと、4月5日にクローズするアトラクション「シンデレラ城ミステリーツアー」にもう1度参加したかったからだ。

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間もなくクローズということで、朝一番にもかかわらず列ができている。30分待ちだ。いつもは朝一番は待ち時間なしだから、やはりクローズ効果が出ている。25分ほどで入場。

レポートはこちら

9:20

ディズニーランドから退出。なにしろきょうは気ままな途中下車の旅だ。1カ所に落ち着いているわけにはいかない。

9:30

JR京葉線で次の目的地である葛西臨海公園駅に向かう。しかしうっかり快速に乗ってしまい、新木場駅まで行ってしまう。

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これもボウケンだ。

あせらず騒がず、逆方向の電車に乗り直す。

9:50

葛西臨海公園駅で下車。途中下車の旅っぽくなってきたではないか。この駅の近くには葛西臨海公園というのがあるという。そこに行ってみることにした。

10:00

葛西臨海公園の目玉、「葛西臨海水族園」を見学する。しかし次の目的地のことを考えると、ここは5分で見学しなければならない。何しろ今日は……ほとんど当初の目的を忘れている。

有名なマグロ水槽。驚くほどマグロは速く泳ぐ。こっちも急いでいるので、写真はこんなだ。

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予定どおり5分で見学し、駅に向かう。

10:20

ふたたび京葉線に乗って、さっき図らずも行ってしまった新木場駅に向かう。

10:30

新木場駅を降り、やってきたのは「新木場 1st Ring」。

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きょうは「アイドルコロシアム」の第5回大会が開催される、というのでやって来たのだ。ちょうど開場時間に間に合って、良席を確保できた。

レポートはこちら

15:00

アイドルコロシアム終了。普段なら果敢にグラビアアイドルのサインをもらいに行くところだが、今日はのんびりするのに忙しいのでそっちのボウケンは断念。

新木場駅から、こんどは「りんかい線」に乗ってみる。りんかい線、というネーミングは、東海村の原子力発電所近くで育った自分としてはややデンジャラスな響きに聞こえる。

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15:20

この日は朝から日差しが強かったこと、車内で嫌な汗をかいたこと、葛西臨海公園でダッシュしたこと、そしてアイドルコロシアムの会場が観客の熱気というより空調が効いていなくて暑かったことなどで、体中べたべたになってしまった。そこで、国際展示場駅で降りて、ゆりかもめ線に乗り換え。天然温泉の「大江戸温泉物語」で風呂に入ることにする。のんびり温泉に入るなど、いかにも途中下車の旅らしいではないか。

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有明駅からゆりかもめに乗る人は少なく、人気の先頭車両に誰も乗っていない。ご存じのようにゆりかもめは無人運転なので、なんだかウルトラQの世界に迷い込んだようだ。

15:30

ゆりかもめを「テレコムセンター」駅で下車。すると覆面パトカーや救急車が大量に止まっているので、すわテロ発生かと驚いたがどうやら何かの撮影だったようだ。何の番組か、あるいは映画か気になったが、自分はのんびりしなくてはいけないので、見物もそこそこに立ち去った。

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15:40

大江戸温泉物語に入場。このとき以来だ。相変わらず入場料が高い。大人2827円という値段は、最初聞いたとき何事かと思った。近所の極楽湯は休日でも700円だ。以前、旅行先の福岡で、滝のある豪華スーパー銭湯「薬院しろやま乃湯」に立ち寄ったが、それでも1900円だった。そのあたりが限界という感じもする。

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ここでは入場者全員が浴衣に着替えることになっており、女性の浴衣姿はやはり可愛いので、コスプレパーティーの参加料と考えれば、まあ納得もいく。

そういえば朝から何も食べていなかった。施設内にあるフードコートで、とりあえず適当なものを食べる。

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高くてまずいのは想定内だが、次のスケジュールを考えると風呂に入っている時間がすっかりなくなっていることに気付いた。

これもボウケンだ。

結局3分で入浴を終える。ますます何のための入場料か分からない。

16:15

大江戸温泉物語から、無料シャトルバスでりんかい線の「東京テレポート駅」に向かう。

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ふたたびりんかい線に乗り、終点・大崎駅へ。

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16:35

大崎駅に到着。

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すると、朝の晴天ぶりからは想像もつかないほど強い雨が降ってきた。もちろん傘など持っていない。

これもボウケンだ。

あせらず騒がず、大崎ニューシティの1階にある100円ショップで傘を買い求める。冷静な判断ができたのは、2週間前も同じシチュエーションだったからだ。

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傘を買い求める人で列ができていた。残っていたのは花柄のプリティーな1本のみ。

これもボウケンだ。

かわいい傘をさして歩き出す。

17:00

大崎といえばここ、キャッツシアターだ。2週間ぶりに久しぶりにキャッツでも観ていこう。

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レポートはこちら

20:10

キャッツ終了。いい気分になって、この旅も終わりにしようと思って気がついた。

ディズニーランドに車おきっぱなしじゃん

仕方なく三たびりんかい線に乗り、始発大崎から終点舞浜までの、途中下車しない旅。

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20:50

再びディズニーランドへ。

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駐車できたのがピノキオだった上、どの辺りに止めたか覚えていなかったため、自分の車にたどりつくまで15分ほどかかった。

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しかしせっかく舞浜まで来たのだ。せっかくだからもうひとボウケンしてみよう、ということでイクスピアリでレイトショーの映画を観ていくことにした。

とりあえずこの駐車場からイクスピアリの駐車場に移動させる。が、東京ディズニーリゾートの周辺は一方通行の嵐で、かなりわかりにくい。しかもこの時間帯にイクスピアリに「向かう」車は少ないので車線変更も大変だ。

これもボウケンだ。

あれ?あれ?と言っているうちに葛西臨海公園まで行ってしまった。それでもなんとか舞浜まで戻るのに成功する。この移動に結局30分近くかかった。

上映時間があるので、駐車場からAMCイクスピアリ改めCINEMAイクスピアリまで全力疾走。気ままな旅も楽じゃない。

21:35

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すでに予告は始まっている。入場料を払い、駐車券をもらい、トイレに行って、パンフレットとコーラを買って、席に着いたところでちょうど本編が始まった。

観たのはボウケンの旅にふさわしく「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」だ。

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レポートはこちら

23:30

上映終了。なかなか面白かった。満足して駐車場へ。

これから帰宅の途につくわけだが、実は今週はトータルで15時間ぐらいしか寝ていない。いくらきょう1日のんびりしたからといって、寝不足の解消はできない。なのでこの帰宅が一番のボウケンだったりするわけだが、そのお話はまた次の機会に……

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真救世主伝説「北斗の拳」ラオウ伝・純愛の章

「北斗の拳」を、劇場公開やOVAなど長編5作品として映像化しようという試みの第1弾が公開された。

北斗の拳は1986年にも映画化されているが、やはり多数のキャラクターによる群像劇であるこの作品を2時間ほどにまとめるのは無理があったようで、やや中途半端な作品になってしまった。だがうじきつよし率いる「子供ばんど」の主題歌は強く印象に残った。たしか、高校2年から3年に上がる春休みで、観たあとクラスの友人の家に泊まりにいったのを覚えている。ほか、爆笑もののハリウッド実写版もある。

5作品は、ストーリー進行順に分けるのではなく、各キャラクターごとに再編していくようだ。群像劇、ということを考えるとこの判断は正しい。その上で、いくつかオリジナルキャラクターも登場させることになっている。

さてその第1部、なかなか面白かった。拳王(ラオウ)軍 vs 聖帝(サウザー)軍、という構図をベースに敷いたことで世界観が明確になり、それぞれのキャラクターが生きた。デジタル技術を多様しているものの、それらしいCGは出さず、テレビアニメに親しんだ世代にも抵抗のない仕上がりだ。また、マンガで描かれた印象的なシーンを意識した作画が多く、マンガを読んでいたころの興奮を思い出しながら観ることができた。

キャラクターを絞り込んだこともあり、テンポよく、しかも無理なく進むので飽きさせない。実はかなり疲労した状態で映画館に入ったが、全く眠くならなかった。

驚いたのは、主役・ケンシロウの声を演じた阿部寛が、驚くほどはまっていたことだ。演技過剰にならず、抑えた声の演技もよかったが、声自体がケンシロウのイメージにぴったりである。神谷明の声に慣れ親しんでいるので、誰がやっても慣れるまでは違和感があるだろうな、と思っていたが、最初のシーンから全く無理なく受け入れることができた。「はいからさんが通る」の少尉や、「姑獲鳥の夏」の榎木津礼二郎も見事だったが、強烈なキャラクターをそのイメージ通りに演じられるというのは阿部寛の希有な才能といっていい。

「北斗の拳」ファンにはこたえられない、満足のいく出来だ。今のところ「北斗の拳」という傑作を、いかにして映像という形に置き換えるか、という試みだが、巧みな構成や魅力的な新キャラクターの投入で、新しい価値を生み出す可能性も十分にある。このあとの作品にも大いに期待したい。

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映画「北斗の拳」公式サイト
http://www.hokuto-no-ken.jp/

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四季「キャッツ」いいぞ!阿久津タガー

2週間前に来たばかりだが、阿久津陽一郎がラム・タム・タガーを演じるというのでまた来てしまった。といわけでまずキャスト表。

グリザベラ 早水小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン 谷内 愛
ジェニエニドッツ 鈴木由佳乃
ランペルティーザ 真鍋奈津美
ディミータ 飛田万里
ボンバルリーナ 遠藤瑠美子
シラバブ 南 めぐみ
タントミール 工藤伸子
ジェミマ 王 クン
ヴィクトリア 金井紗智子
カッサンドラ 増嶋あゆみ
オールドデュトロノミー 石井健三
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ キムスンラ
マンカストラップ 福井晶一
ラム・タム・タガー 阿久津陽一郎
ミストフェリーズ 松島勇気
マンゴジェリー 百々義則
スキンブルシャンクス 李 涛
コリコパット 塚下兼吾
ランパスキャット 幸田亮一
カーバケッティ 丹下博喜
ギルバート 千葉ヒカル
マキャヴィティ キム グヨル
タンブルブルータス 岩崎晋也

この阿久津タガー、実にいい。いろいろ言いたいことがある人は多いと思うが、何というか、好みのタガーである。

やはり「つっぱり猫」ラム・タム・タガーは、本来若い役者が演じるものだろう。芝清道のタガーはすさまじい存在感で、これを観るためだけに劇場に足を運ぶ価値のあるものだが、やはり「おやじタガー」は反則技という印象がぬぐえない。そこへ若さあふれる阿久津の参上だ。はつらつとした、いいタガーだった。長身と、ほとんど人間の顔そのままのルックスがひときわ目を引く、カッコマン・タガーでもある。

もちろん、キャッツきってのおいしい役でもあるタガーは、若さだけで演じられるものではない。濃いキャラクターの、変なヤツでなければない。濃さについては、阿久津は芝に負けていない。変なヤツ加減では芝に一歩譲るものの、意味不明な奇声や擬音を発しながらくねくねと不器用に腰を振るその姿は、強烈におかしい。恒例の「タガー締め」も、豪快に決めてくれた。

もっとも、タガーは自分のソロだけでなく、オールドデュトロノミーやミストフェリーズナンバーでも重要なパートを歌うことになる。これについてはやはりまだまだ芝には及ばない。また、ダンスはだいぶひどいらしい。らしい、というのは自分はダンスがよくわからないからだ。しかしその動きは軽快だったので、踊りのテンポについてはひねくれタガーだから、ということで大目に見るということではどうだろう。

タガーにしては人がよさそう、いや猫がよさそう、という意見もあるかもしれない。悪そうなヤツを演じるといいヤツに見え、いい役を演じると悪そうに見えるのが阿久津陽一郎という役者の持ち味だ。まさにタガーにうってつけのひねくれ役者である。だから「アイーダ」のラダメスのように、善と悪とを行きつ戻りつする役はぴったりである。ならばぜひジャベールを…と縁起でもないことを。いやアンジョルラスでも…。

ほかの初見キャストとしては、谷内愛のジェリーロラム=グリドルボーン、南めぐみのシラバブ、李涛のスキンブルシャンクスなど。谷内ジェリーロラムは「むしろ小さめ」の猫だが、歌も安定しているし、何といってもグリドルボーン時の小悪魔っぽい表情が大いに萌える。南めぐみは「コロリコロコロ」だが、幕間に客席で「プクプクしすぎや」「デブ」という声を聞いたものの、それほどでもないと思う。正直に言うと、可愛いから気にならない。それに実に歌がいい。まず声が耳をくすぐるような美声であり、そしてその歌唱力も、音程をぶれさせずに声の強弱をシームレスに変える優れたもので、聞いていて快感だった。そして李のスキンブル。前回スキンブルが大きな穴だったために、もう別人であれば誰でもいいと思っていたが、李のスキンブルは明るさ、元気さだけでなく鉄道への愛着が強く感じられるいい演技だった。

カンパニーとしては、前回と比べ、芝のタガー、井上智恵のジェリーロラムといった強烈すぎる2人が抜けた一方、大きな穴を開けるキャストもおらず、まとまりという点で高く評価できる。そして何となくほのぼのとした、アットホームな雰囲気でもあった。武闘派の福井晶一マンカストラップも、この時に比べればずっと丸くなったように感じられた。

福井、阿久津ともに、「アイーダ」ではラダメス将軍を演じている。来月から福岡でアイーダが始まるため、2人のどちらか、あるいは両方ともキャッツシアターには現れなくなる可能性が高い。しかしこの2人のコンビ、もう少し見ておきたいものだ。

キャッツのページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/cats/index.html

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アイドルコロシアム1周年記念公演「天空のアリーナ」

第5回、1周年公演を迎えたアイドルコロシアム。前回からイベントではなく全体をストーリー仕立てにして、演劇的な要素を強めているが、今回は試合前のアナウンサーとのやりとりも廃止して、完全な演劇公演になった。その中で8試合のプロレスが展開される。

ストーリーは近未来の悪のプロレス集団に、愛と夢を追いかける正義のプロレス集団が戦いを挑むというもので、なんとなく映画版「花のあすか組!」や安藤希主演の「ファイト・ガールズ」のような雰囲気だ。

劇中で出演者が歌う歌もすべてオリジナルだが、ピアノ伴奏だけだったのでファミリーミュージカルっぽい印象になった。ただその曲がちょっと貧相なメロディーラインで、ファミリーミュージカルの秀作を数多く観てきた自分にはやや物足りなく感じる。曲だけではなく、今回は「12歳以下は無料」と子供の参加も想定し、実際関係者の家族とおぼしき子供が何人か参加していた。

そのせい、というわけでもないだろうが、前回からプロレスシーンの衣装も水着ではなくなってしまったし、お色気度はぐっと下がった。大いに悲しい。

公演としての完成度はなかなかで、テンポよく進行する物語の中で、どの出演者も演技をそつなくこなしていた。プロレスについても1年前とは比べものにならないぐらい成長し、継続して参加している高橋りかや今井叶美はもちろん、沼尻さやかもだいぶキレのある動きになった。前回公演のあと、コーチである女子格闘家・藪下めぐみに怒られて泣いたと言っていたが、その気持ちが彼女をひと回り大きくしたのだろう。

今回の公演について、公式ページは「大人から子供まで楽しめる新しいスタイルのヒーロー系エンタテイメントを目指す」と宣言している。そのねらいはある程度達成したといえるだろう。だが個人的には、どうも比喩的な意味で「テレビ的」にまとまってしまった感じがして、少し残念だ。これならMONDO21というマニアックなCS局でなく、地上波でも放送できそうだ。スポンサーはつかないかもしれないが。

昨年これをMONDO21で、あるいは会場で観たとき、これまでにないエンターテイメントの誕生を予感した。ここで終わってほしくはない。今回のように、演劇をversatileなプラットフォームにして、その上にプロレスや歌、お色気、お笑いを載せていくというスタイルもいいが、むしろプロレスをプラットフォームにしたほうが面白いことになるのではないか?それはWWFに近いものになるかもしれないが、グラビアアイドルという日本にしかないコンテンツを生かせば、全く未知の領域を開拓できるように思う。次回の公演が、今回を踏襲したものになるのか、あるいは異なるものになるのか。もし同じであれば、何となく先は読める。ひょっとしたら大ヒットコンテンツになるかもしれないが、それは自分が観たい、というものではない。いずれにしても、次回公演の発表を待つことにしよう。

新しい出演者では、小原かおりが良かった。制作発表会見のときは(行ったのかよ)なんだか垢抜けない感じしかしなかったが、拳法の心得があるという彼女の動きには無駄がなく、ハイキックなどの難しい技をまったく自然に繰り出していて、実に美しかった。今後の活躍が楽しみだ。

今回からパンフレットを販売するようになった。藪下師匠自ら販売していた。著名な格闘家なのに、公演の裏方仕事を積極的に引き受けていて、立派な人である。自分がトイレに行って、会場に戻ってきたときはドアを開けてくれた。ちょっと好きになった。

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パンフレットは、練習風景の写真がイイ感じだ。

アイドルコロシアムのページ
http://i-colo.jp/

第2回公演レポート
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2005/06/post_1.html
第3回公演レポート
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2005/09/2005road_to_bre_97ac.html
第4回公演レポート
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2005/12/post_1.html

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東京ディズニーランド「シンデレラ城ミステリーツアー」ファイナル

東京ディズニーランド「シンデレラ城ミステリーツアー」が4月5日に終了する。当初、4月~7月の長期修復、と発表されていたが、何らかの判断がなされ、廃止が決まったようだ。

ガイドの案内で、シンデレラ城の中を20人ほどのグループで歩いて探検するこのアトラクションは、決して超人気ではなかったが、自分で歩く、という感覚が新鮮で気に入っていた。「ジャングルクルーズ」同様、ガイドの実力で印象が大いに変わるアトラクションだが、もしガイドがいまいち、と思ったら集団の最後尾について、他のゲストの反応や細かい内装などを見ながら歩く、といったように自分で楽しみ方を変えられるのも魅力のひとつだ。ただ城の中は容赦なく真っ暗で、通路も狭く、バリアフリーの観点からも防災の観点からも、存続は難しかったのだろうか。

いくつか思い出があるが、印象に残っているのは自分の友人が「勇者のメダル」をもらったときだ。このメダルは、アトラクションの最後に魔王ホーンドキングをターラン王の剣で倒す役を与えられた人に与えられる。あれは就職する直前の学生最後の春休みだったと思う。大学の中にある茨城県人会のメンバー5~6人で行ったところ、1人が大任を仰せつかったのだ。そのときのガイドを務めた女性キャストがまた優秀で、実に楽しかった記憶がある。キャンパスデーシーズンで、客のほとんどが学生であり、子供がいなかったのを計算して、多少アドリブをまじえながら盛り上げてくれた。メダル贈呈式では、その大げさなやりとりにいたたまれなくなった友人が照れ笑いをしていると「はい、恥ずかしいのはお互いさま!」と声をかけ、ゲストの爆笑を誘っていた。

「キャプテンEO」のときもそうだったが、気に入っていたアトラクションがなくなるのは本当に寂しい。特に、こうした自由度の高いアトラクションがなくなってしまうのは残念だ。これからは、似たような面白さを味わうためにガイドツアーに参加することになりそうだ。

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シンデレラ城ミステリーツアーのゲストのコスチュームはマニアの間で人気がある。とくに、冬場に外で整理誘導を行うスタッフが来ているコートがフンイキがあっていい。

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暗闇のシンデレラ城を抜けて、まぶしい光の中で見える風景。この角度からのショットは、もう納めることができない。

公式サイト・シンデレラ城ミステリーツアーのページ
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/7land/fantasy/atrc_cinderella.html

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2006年3月12日 (日)

映画ドラえもん「のび太の恐竜2006」(ややばれ)

制作体制を整えるために、1年休んで復活した劇場版「ドラえもん」。映画化第1作「のび太の恐竜」(1980年公開)のリメイクだ。

「のび太の恐竜」といえば、「ルパン三世・カリオストロの城」「機動警察パトレイバー 劇場版」にも負けない、アニメーション映画の金字塔というのが自分の評価だ。アニメーションに限らず、今までに観た映画で最も感動した作品は何か、と聞かれたら迷わず「のび太の恐竜」と答えることにしている。それほど好きな作品だけに、リメイクと聞くとやはり冷静ではいられない。いずれにしても満足のいくものにはならないだろう、と、文句のひとつも言ってやるつもりで足を運んだ。

しかし始まってすぐに、これが80年版「のび太の恐竜」へのオマージュに満ちあふれた作品であることが分かった。冒頭のカットは、スクリーンいっぱいに広がる巨大な月。旧作の中で何回となく登場した、印象的なモチーフだ。これは記念すべき第1作にして最高傑作である「のび太の恐竜」への敬意を示したものだろう。そして劇中でも、旧作で疑問とされたことに答えるなど、この映画のスタッフがいかに「のび太の恐竜」を深く愛しているかを感じさせる場面が随所に見られた。

ストーリーも展開も大きな変更はない。ただもちろん25年の時を隔てているわけだからそれなりのパワーアップはなされている。恐竜や太古の自然の描写は、それこそ比べものにならないほど細かく、またデジタル技術を駆使して描かれた映像はスピード感があり、観る者を引きつける。

強化しているのは映像面だけではない。いくつか新しいエピソードも追加されたが、その多くはのび太以外の登場人物に関するものだった。これによって、旧作がのび太と恐竜・ピー助の愛情を中心に展開した物語、という印象だったのに比べ、新作はのび太・ジャイアン・スネ夫・しずか・ドラえもんとピー助の群像劇、というスタイルになった。

エピソードが増えている割に詰め込みすぎた感じもなく、テンポよく進んで飽きさせない。子供が喜ぶ下品なギャグもふんだんに取り入れ、お父さんが喜ぶしずかちゃんの入浴シーンも、一瞬ではあるがこれまでにない強烈なエロチシズムを感じさせる上質の仕上がりになっていた。

そしてクライマックスは、旧作に劣らない深い感動を与える。劇場内でずっと騒いでいた子供たちもここでは静まりかえり、また客席では多くのお父さん、お母さんが涙をぬぐっていた。

総じて実によくできた作品だ。日本アニメーション界に、またすばらしいコンテンツが1つ加えられたことは間違いない。個人的にも大いに満足している。

しかし、映画としてこれを傑作と呼んでいいか、というと、そこには疑問が残る。というのも、この映画から受ける感動は、26年前に味わったものと、ほぼ同質のものだからだ。新しい感動、新しい価値を創造するのでなければ、リメイクの意味はないだろう。

もっともこの映画の制作意図は、冒頭で述べたように「体制の立て直し」だ。毎年制作され、東宝のドル箱でありながら、近年、特に藤子・F・不二夫氏がこの世を去ってからは、やはりその質の低下が顕著であり、惰性で作っている感が否めなかった。同じように毎年制作されている「名探偵コナン」「ポケットモンスター」「クレヨンしんちゃん」が作られるたびに高い評価を受け、成人ファンの心もつかんでいることを考えれば、その差は歴然だ。今回の「のび太の恐竜2006」は、「ドラえもん」が決してコナンやしんちゃんに負けないエンターテインメントに成り得ることを示したものといえる。それら後発の人気シリーズにようやく「追いついた」のであり、本当の勝負はこれからだ。「新生ドラえもん」が全く新しい面白さを創り出すことができるか、一新された声優陣の成長とともに“あたたかい目”で見守っていきたいと思う。

きょうのおみやげ:ピー助をつれて歩く「おさんぽドラ」。

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のび太の恐竜2006 公式サイト(音が出ます)
http://dora2006.com/

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2006年3月 6日 (月)

四季「マンマ・ミーア!」全開☆ドナ&ダイナモス

もう大阪でこの作品に接するのも3回目。東京と同じ数だけ観ていることになる。回を重ねるに連れてどんどん好きになる、素晴らしいエンターテインメントだ。

実は昨年末、「アスペクツ・オブ・ラブ」が終わって保坂知寿が復帰したと聞き、観ようと思ってチケットも買ったのだが「木村花代、ヴァルを演じる」のニュースで吹っ飛んでしまった。そのときの約束(自分との)があるので、何としても早いうちにまた大阪に来なければいけなかった。

そこに、長期間固定されていた父親3人がキャス変という知らせ。しかも荒川務と野中万寿夫の投入だ。これはもう、いてもたってもいられない。

そのキャストがこれだ。

ドナ・シェリダン 保坂知寿
ソフィ・シェリダン 宮崎しょうこ
ターニャ 前田美波里
ロージー 青山弥生
サム・カーマイケル 荒川 務
ハリー・ブライト 明戸信吾
ビル・オースティン 野中万寿夫
スカイ 鈴木涼太
アリ 丸山れい
リサ 玉井明美
エディ 川口雄二
ペッパー 鎌滝健太

やはり保坂のドナは飛び抜けていい。早水小夜子ドナも良かったが、やはり歌の迫力、演技の間合い、チャーミングさ、どれをとってもホメ言葉しか出てこない。四季以外ではロンドンで1回しか観ていないが、それと比べても完全に保坂が上回っている。世界レベルであることは間違いない。

世界レベルは保坂だけではない。保坂に超強力ダイナモスコンビの前田美波里・青山弥生が加わった3人の破壊力もすさまじいほどだ。しかも今回の公演では、その3人がいつも以上にはじけ飛んでいたのだ。

その理由は、3人の父親役の交代にある。やはり今回投入された2人は、キャリアにおいても、そして役者としての深みにおいても、今までこの役を演じてきた2人とはケタが違う。荒川は少し声がつらそうだったが、「元アイドル」のオーラを存分に生かして人生に疲れた雰囲気をにじみ出してている。野中はあえて演技を押さえ気味にして、「豪快なイメージがあるが内面はナイーブ」というキャラクターになりきっていた。ただ一人の続投組、明戸も相変わらず美しい歌声と憎めない雰囲気で、ハリーの優しすぎる側面を描き出している。

この実力ある3人が、決して前面に出ることなく、どうにもサマにならない男たちに徹することで、ドナ&ダイナモスの3人がより一層輝いて見えるのだ。そしてドナたちも、相手が実力者だという安心感があるから、容赦ない演技を仕掛けることができる。それがまた舞台のパワーを増幅する。サムとドナが歌う「S.O.S.」は、互いの気持ちがひりひりするほど伝わってくる。パリ時代を思い出すハリーとドナは、本当に20代の表情になっている。結婚式場でビルとロージーが演じる駆け引きは、仕草や表情でなく2人の距離を自在に伸縮させることで爆笑を誘うという、これぞコメディという芸術だ。この何カ月か、ドナたちは男優に対して遠慮があるように見えた。この公演ではそんなものはみじんも感じさせず、フルスロットルで最後まで飛ばしていた。これこそマンマ・ミーアの真骨頂ではないのか。

この脚本が緻密に計算された、美しい構造で成り立っていることは前に触れた。そのひとつに「3人セット」の構図がある。つまり世代と性別で、「ドナ・ロージー・ターニャ」「サム・ビル・ハリー」「ソフィ・アリ・リサ」「スカイ・エディ・ペッパー」という3人×4チームに分けられ、それらが個人戦・団体戦を繰り返すのがこの作品なのである。

だから、4チームの力のバランスは重要だ。今回は、上記のように前者2チームは申し分ない。また、「スカイ・エディ・ペッパー」も良かった。鈴木涼太のスカイは安定感がある。また彼の売りは笑顔だが、その笑顔が何かを隠しているような作り笑いに見えるので、そこにスカイというキャラクターの複雑さを想像させてくれる。エディには「コーラスライン」から川口雄二が帰還。決して目立つ役ではないが、なぜか強烈な印象を残すのは、彼特有の「四季らしくなさ」だ。実際、彼は他からの移籍組である。しかしミュージカルの歴史を変えた革新的なこの作品には、川口のような存在こそ必要だ。ペッパーは、役そのものが強烈なので役者の印象が残りにくいが、鎌滝はなかなかいい表情をする。顔もマギー伸司みたいでナイスだ。

問題は「ソフィ・アリ・リサ」の3人娘。宮崎はかわいいし、好きな女優の一人だが、ソフィの衣装を着せると、うーん、見た目ちょっと微妙である。歌はうまいし、何となく保坂と親子っぽい顔なので観ているうちに慣れてくるが、どうも違和感があることは否めない。それ以上にアリとリサが弱すぎる。やはりリサ役には可絵ちゃんがいてほしいし、アリにはもっと強烈な明るさが欲しい。八田亜哉香がヴァル固定である以上、あとは…。森実友紀、カムバーック!

贅沢を言えないのが今の四季の台所事情。だが観客に台所を心配させるようでどうする、と言いたい。まあ厳しくなると動員のためのイベントが増えるのはいいが。今回も会員証提示でブロマイド(死語)をもらった。中が見えないように1枚1枚封筒に入っているが、それがいかにもブロマイドを入れる封筒、という感じでグッド。分からない人はライダーカードとかが入っていた封筒を思い出すといい。

↓このカウンターに会員証を持って行こう。

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ところで、荒川務はカーテンコールのあの衣装が、ばっちり決まっていた。あの衣装が似合う俳優は初めて見た。さすが70年代アイドルである。

「マンマ・ミーア!」のホームページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.html

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2006年3月 5日 (日)

梅田 はがくれ

カレーを食べおわって梅田に移動。当然1時から「マンマ・ミーア!」を観るのだ。

しかしまだ開演まで時間があったので、観劇前の軽い食事を取ろうと、いまキタでいちばんうまいと言われる讃岐うどんの名店、「梅田 はがくれ」に立ち寄る。

だが日曜は定休日だった。

まあこれをクリアして劇場までダッシュしたらとんでもないことが起きていたと思うので、良かった。

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自由軒 名物カレー

たこ焼きといえど23個もたべればお腹いっぱいだ。

気がつくと11時半になっていたので早めのお昼ごはんにする。

ひさしぶりに自由軒のカレーを食べたくなった。

たしか7年ぐらい前に「アスペクツ・オブ・ラブ」大阪公演を観にきたときに食べて以来だ。

知ってのとおり自由軒の「名物カレー」はカレーとライスを混ぜた状態で供される。一見ドライカレーにも見えるが違う。ただ混ぜただけだ。

しかしそれでもうまく感じるのは、ライスをだいぶ固めに炊いてあり、それが汁気の多いカレーで少しほとびた状態になっているその食感のせいだろう。また適度な温度で食べやすく、食べおわるまでに3分とかからない。

これをレトロモダンな店内の雰囲気とともに味わって650円。何ともお得だ。

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たこ焼き 甲賀流

アメリカ村の三角公園に面している「甲賀流」は若者を中心に人気の店だ。

何しろ小ぶりとはいえ11個入りで300円。これだけでじゅうぶん一食になる。

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たこ焼き 赤鬼

大たこにほど近い場所で近ごろ評判を呼んでいるのがこの「赤鬼」だ。

表面は硬く中は柔らかいという、お手本のようなたこ焼きだ。

大たこのような豪快さはないが、味、食感、たべやすさと三拍子そろった逸品。店の人の感じもいい。

写真は六個入りで315円。明石焼き風にだしにつけてたべる「ちゃぷちゃぷ」も人気だという。

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たこ焼き 大たこ

一夜明けて、ホテルをゆっくり出たのが朝10時。朝食がまだだったので、せっかくだからたこ焼きでも食べようとミナミへ出る。

とりあえず前にも食べたことのある「大たこ」へ。

大ぶりのたこが入っていてうまいが、ソースを大量にかけるので表面が柔らかくなり、つま楊枝が引っ掛からない。

確実にたこに突き刺すのがコツだ。

鉋で削ったようなカツオブシがまたいい。六個入り300円。

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お好み焼 ゆかり

長岡京駅から大阪駅に向かい、そこで一泊。

せっかくだからお好み焼でも食べようとキタのお初天神通りにある「お好み焼 ゆかり」に入る。ランチにお好み焼も当たり前という土地だから、一人で入るのも全く問題ない。

ミックス焼(1050円)とスジ肉ねぎ焼(1150円)を注文。

しかし一枚の量が容積ベースで東京の倍以上あり、腹が裂けそうになった。

東京の貧相な食文化を基準に全国を計ってはいけないという教訓だ。

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四季「ファミリーミュージカル 人間になりたがった猫」

ついにファミリーミュージカルにまで手を出したか、と言うなかれ。四季のファミリーミュージカルは実によく出来ているのである。「エルコスの祈り(旧題:エルリック・コスモスの239時間)」「魔法を捨てたマジョリン」など、覚えやすい印象的な楽曲でテーマの輪郭をくっきりと浮かび上がらせるファミリーミュージカルは、四季のもうひとつの看板レパートリーになっている。四季にとってファミリーミュージカルとは、「子供向けの作品」というより「子供にも観やすいようにアレンジされた作品」であり、味付けが異なるだけでその素材は一般作品と変わらない。こうしたクオリティーの高いファミリーミュージカルを演じ続けていること、全国津々浦々までそれを送り届けていることは、例えポーズとしても評価されていい。

その中でも1979年以来、長きにわたり上演されている人気作品が「人間になりたがった猫」だ。森英恵デザインの衣装や、火事で崩れ落ちるホテルのセットなど、舞台美術も見どころになっている。

全国公演はチケットの入手が非常に困難だが、親切な方にチケットを譲っていただき、無事に観劇できた。ありがたいことだ。

この作品のテーマは、「苦しいことも多いけど、やはり生きることはすばらしい」というシンプルな人間賛歌だ。その明快なテーマを正面から突きつけられたとき、思わず目をそむけてしまうオトナは、自分だけではないだろう。冒頭、猫のライオネルは「人間って素敵かい?」と問いかける。どきりとして、その質問にどう答えるか考えているうちに舞台は進んでいく。そして舞台上でその問いに答えが出されたとき、観ている者の中でも結論が出ているだろう。それは同じものか、それとも異なるものか。ぜひ大人にこそ観てほしい作品だ。

これもキャストを紹介しておく。

ステファヌス 松下武史
ライオネル 山崎義也
ジリアン 佐藤朋子
タドベリ 渋谷智也
トリバー 服部良子
スワガード 川原洋一郎

キャッツのジェニエニドッツを初演以来演じている服部良子が参戦した。加えて渋谷智也に川原洋一郎、松下武史と芸達者な俳優が顔をそろえている。これまた豪華なキャストではないか。

さて、一部で話題(?)の佐藤ジリアン。佐藤朋子といえば「魔法を捨てたマジョリン」で美しい花嫁を演じたのが記憶に新しい。とにかく美人、というのがこの人の最大の武器だ。そのジリアン、見た瞬間言葉を失った。CLAMPのマンガから抜け出してきたようなビジュアルで、思わず床をごろごろ転げ回りたくなるほど強烈にかわいい。あんなのが身近にいたら、スワガードならずともデレデレになるだろう。「怒った顔がまたチャーミング」というスワガードの指摘にももろ手を上げて賛成だ。しかしあの衣装にあのメイク。fudohさんも述べているように、かなりアキバ系の、ちょっとデンジャラスなムードも漂っている。子供に見せていいのか?と要らぬ心配をしてしまった。そういえばキャッツでは、キャラクターグッズとしてフィギュアも登場しているが、ぜひついでにこのジリアンもお願いしたい。いや、あの造型では今いちだから、ここはひとつ海洋堂に発注して…。

歌はだいぶ課題が残るし、動きにも軽やかさがないが、いい。可愛いから許す。これなら5月から始まる「夢から醒めた夢」でマコもありか?ぜひ観たいものだ。夢から醒めた夢といえば、「マジョリン」のニラミンコで強烈すぎる印象を残した味方隆司がデビル役として噂されているが、声質からすると渋谷デビルもありかな、と思ったです。

ところでこの作品では、いくつか詳しく語られずに終わるエピソードがある。ステファヌスはなぜ人間が嫌いになったのか。タドベリはどうして医学博士から薬の行商人に身を転じたのか。そこにも、テーマにつながる興味深いくだりが隠されているのは容易に想像できるが、それをあえて語らない。それは子供たちの創造力に委ねよう、ということなのか、家族での団らんに話題を提供するためなのか分からないが、これもファミリーミュージカル、というジャンルを成功させるためのひとつのカギなのかもしれない。

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背後に村田製作所本社のそびえる長岡京駅。

「人間になりたがった猫」のホームページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/neko/index.html

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四季「ミュージカル異国の丘」石丸幹二×木村花代

昨年の東京公演から下村尊則が「異国の丘」の主役、九重秀隆(ボチ)を演じてきたが、今週から石丸幹二にバトンタッチ。自分は昨年初めてこの作品に触れたが、もともと石丸の当たり役だからそれも観たい、と思っていた。しかも宋愛玲が花ちゃんだという。京都が俺を呼んでいる。というわけで昨年からもう4回目の京都劇場へ。

キャストは以下の通り。

九重秀隆 石丸幹二
宋愛玲 木村花代
吉田 中嶋 徹
神田 深水彰彦
西沢 神保幸由
大森 江上健二
杉浦 香川大輔
平井 維田修二
宋美齢 武 木綿子
李花蓮 団 こと葉
劉玄 青山祐士
宋子明 山口嘉三
蒋賢忠 中村啓士
九重菊麿 武見龍磨
アグネス・フォーゲル夫人 久野綾希子
クリストファー・ワトソン 志村 要
メイ総領事 高林幸兵
ナターシャ 西田有希

さりげなくフォーゲル夫人役で久野綾希子が登場するなど、なかなかの豪華キャストだ。

石丸ボチは、さすがこの作品のタイトルロールだけあって実に手慣れた演技だ。シベリアでの厳しい生活の中、多くの日本人が彼を慕い自然にリーダーになっていくという、そのカリスマ性においては下村に一歩譲るかもしれない。だがその表情や立ち振る舞いはまさしくプリンスであり、説得力が段違いである。

花ちゃんとの相性もばっちりだ。二人とも張りのある歌声であり、そのデュエットは耳に心地いい。そしていかにも「美男・美女」というカップルが主役を演じることで、作品の持つラブロマンスとしての側面が強調された結果、そのコントラストによってシベリア抑留という現実の大きさが、なお一層重く観客の心にのしかかることになる。

久野フォーゲル夫人は、肩の力を抜いた感じで、それが「怪しさ」を増幅させていた。“黒幕”という存在をさらっと演じてしまうあたりはさすがだ。「マンマ・ミーア!」での演技は評判が今ひとつのようだが、四季の一枚看板として「キャッツ」や「エビータ」など、多くの作品で主役を張ったそのキャリアは伊達ではない。

「異国の丘」は2回目の鑑賞だが、やはり少し長さを感じた。実際、2時間55分と長い。こういうメッセージ性の高い作品だからこそ、短い時間でテンポ良く進め、飽きさせない工夫をすることが大事なのではないか。戦争という現実の全てを伝えることは3時間かけても到底無理なのだから、説明的な部分はあえてカットし、観客がその現実に目を向けようとする「きっかけ」を効果的に与えることに力を注いだほうがいい。結果それがばりばりのメロドラマになったとしても、それはそれでいい。

いわゆる「昭和3部作」は、いずれも優れたエンターテインメントになる可能性を秘めている。四季はこれらを上演することで満足するのではなく、ほかの作品同様、上演のたびに脚本や演出を見直し、ブラッシュアップする努力を続けてほしいと思う。

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「異国の丘」のホームページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/ikoku/index.html

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いきなり関西遠征

関西遠征が突然決まった。理由は3つ。

(1)「人間になりたがった猫」に登場した佐藤朋子ジリアンは、とてつもなくかわいいらしい(fudohさん情報)。この週末の公演地は、京都府内。土曜の舞台、長岡京は京都駅から電車で10分だ。

(2)京都劇場「異国の丘」に石丸幹二が復活。しかも愛玲役に東京公演に続き木村花代登場。

(3)「マンマ・ミーア!」の3人の父親役は長く固定されていたが、今週からキャスト変更があり、そこに荒川務と野中満寿夫が投入された。

理由が3つもあれば行かないわけにはいかない。というわけで、昨年来すっかり関西づいているが、またしても京都・大阪の旅にでることにした。

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四季「キャッツ」最強キャスト(一部を除く)降臨

2月中頃から、キャッツの出演者がすごいことになっている。一昨年11月の開幕以来、ほぼ最強の布陣だ。このため前日予約もいっこうにつながらなかったが、ようやく良席を確保できたので昨年6月以来のキャッツシアターへ。

まずは、いろいろなキャストをお目にかけよう。

グリザベラ 早水小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン 井上智恵
ジェニエニドッツ 鈴木由佳乃
ランペルティーザ 真鍋奈津美
ディミータ 滝沢由佳
ボンバルリーナ 南 千繪
シラバブ 八幡三枝
タントミール 工藤伸子
ジェミマ 王 クン
ヴィクトリア 金井紗智子
カッサンドラ 大口朋子
オールドデュトロノミー 石井健三
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ キムスンラ
マンカストラップ 福井晶一
ラム・タム・タガー 芝 清道
ミストフェリーズ 松島勇気
マンゴジェリー 百々義則
スキンブルシャンクス ユ チャンミン
コリコパット 塚下兼吾
ランパスキャット 幸田亮一
カーバケッティ 村瀬美音
ギルバート 千葉ヒカル
マキャヴィティ 赤瀬賢二
タンブルブルータス 岩崎晋也

腹の芯まで染み渡る早水グリザベラの熱唱。キレの有る動きと安定した歌を兼ね備えた松島ミストフェリーズ。棒術でグロールタイガーに挑む千葉ギルバートのスピード感あふれる立ち回り。キムスンラが醸し出す不思議な男の色気。芝タガーはあいかわらずエッチで(前回参照)、福井マンカストラップも依然として戦闘意欲おう盛だ。

そしてジェリーロラム=グリドルボーンに井上智恵。アイーダを経てますます四季の中で存在感を高めてきた井上がこの人気キャラクターをどう演じるか、大いに注目していた。グリドルボーンに関しては、登場時の独唱はさすがの声量を披露するものの、それ意外は無難にまとめた感じだった。しかしジェリーロラムのときの演技がいい。ガスを明るくいなしながらも、慈愛に満ちた眼差しで見守る、強い母性を感じさせるジェリーロラムだった。蛇足だがどうも井上はいつもメイクが微妙だ。素顔は美人さんなのに、エビータといいアイーダといい今回といい、なんでいつもヘンな顔になってしまうんだろう?

真鍋奈津美のランペルティーザも久しぶりだ。カッサンドラがショートヘアになってから、ちっちゃくて可愛いという属性を独り占めにしているこの猫を、全身で元気いっぱいに演じる真鍋は大好きだ。カーテンコールの握手のときに、その真鍋が目の前に来てくれた。思わず「マジョリンだ~」と声に出そうになる。席が5列目だったため、ちゃんと正対して、両手で握手することができた。感激である。ポンピラパーンである。

心配されたのは八幡三枝のシラバブと、ユ チャンミンのスキンブルシャンクス。しかし八幡シラバブの歌はさほど問題があるようにも感じなかった。まあもともと女優に甘く、「可愛ければ許す」自分の意見だから参考にはならないだろうが。問題はスキンブルのほうで、非常に熱心に演じていて、好感の持てる役者だが、どうも歌の実力が伴わない。特に男性客にとっては、このスキンブルナンバーがメモリー以上に“泣かせどころ”であることも多い。もう少し情感を伝えられるようになってからキャスティングしても良かったように思う。

しかしそれを差し引いても、見所いっぱい、オナカいっぱいの大満足の舞台だった。キャッツでこれほどのせいたく感を味わったのは何年ぶりだろうか。ここまででなくてもいいから、今後も「観たい!」と思わせるキャスティングをお願いしたい。「役者ではなく作品を観ろ」とまた浅利先生に怒られそうだが、役者が演じてこその「作品」なのだから。

おまけ:
芝タガー、締めで新ネタ披露。ヒントは金メダル。

キャッツのホームページ

http://www.shiki.gr.jp/applause/cats/index.html

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