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2006年3月12日 (日)

映画ドラえもん「のび太の恐竜2006」(ややばれ)

制作体制を整えるために、1年休んで復活した劇場版「ドラえもん」。映画化第1作「のび太の恐竜」(1980年公開)のリメイクだ。

「のび太の恐竜」といえば、「ルパン三世・カリオストロの城」「機動警察パトレイバー 劇場版」にも負けない、アニメーション映画の金字塔というのが自分の評価だ。アニメーションに限らず、今までに観た映画で最も感動した作品は何か、と聞かれたら迷わず「のび太の恐竜」と答えることにしている。それほど好きな作品だけに、リメイクと聞くとやはり冷静ではいられない。いずれにしても満足のいくものにはならないだろう、と、文句のひとつも言ってやるつもりで足を運んだ。

しかし始まってすぐに、これが80年版「のび太の恐竜」へのオマージュに満ちあふれた作品であることが分かった。冒頭のカットは、スクリーンいっぱいに広がる巨大な月。旧作の中で何回となく登場した、印象的なモチーフだ。これは記念すべき第1作にして最高傑作である「のび太の恐竜」への敬意を示したものだろう。そして劇中でも、旧作で疑問とされたことに答えるなど、この映画のスタッフがいかに「のび太の恐竜」を深く愛しているかを感じさせる場面が随所に見られた。

ストーリーも展開も大きな変更はない。ただもちろん25年の時を隔てているわけだからそれなりのパワーアップはなされている。恐竜や太古の自然の描写は、それこそ比べものにならないほど細かく、またデジタル技術を駆使して描かれた映像はスピード感があり、観る者を引きつける。

強化しているのは映像面だけではない。いくつか新しいエピソードも追加されたが、その多くはのび太以外の登場人物に関するものだった。これによって、旧作がのび太と恐竜・ピー助の愛情を中心に展開した物語、という印象だったのに比べ、新作はのび太・ジャイアン・スネ夫・しずか・ドラえもんとピー助の群像劇、というスタイルになった。

エピソードが増えている割に詰め込みすぎた感じもなく、テンポよく進んで飽きさせない。子供が喜ぶ下品なギャグもふんだんに取り入れ、お父さんが喜ぶしずかちゃんの入浴シーンも、一瞬ではあるがこれまでにない強烈なエロチシズムを感じさせる上質の仕上がりになっていた。

そしてクライマックスは、旧作に劣らない深い感動を与える。劇場内でずっと騒いでいた子供たちもここでは静まりかえり、また客席では多くのお父さん、お母さんが涙をぬぐっていた。

総じて実によくできた作品だ。日本アニメーション界に、またすばらしいコンテンツが1つ加えられたことは間違いない。個人的にも大いに満足している。

しかし、映画としてこれを傑作と呼んでいいか、というと、そこには疑問が残る。というのも、この映画から受ける感動は、26年前に味わったものと、ほぼ同質のものだからだ。新しい感動、新しい価値を創造するのでなければ、リメイクの意味はないだろう。

もっともこの映画の制作意図は、冒頭で述べたように「体制の立て直し」だ。毎年制作され、東宝のドル箱でありながら、近年、特に藤子・F・不二夫氏がこの世を去ってからは、やはりその質の低下が顕著であり、惰性で作っている感が否めなかった。同じように毎年制作されている「名探偵コナン」「ポケットモンスター」「クレヨンしんちゃん」が作られるたびに高い評価を受け、成人ファンの心もつかんでいることを考えれば、その差は歴然だ。今回の「のび太の恐竜2006」は、「ドラえもん」が決してコナンやしんちゃんに負けないエンターテインメントに成り得ることを示したものといえる。それら後発の人気シリーズにようやく「追いついた」のであり、本当の勝負はこれからだ。「新生ドラえもん」が全く新しい面白さを創り出すことができるか、一新された声優陣の成長とともに“あたたかい目”で見守っていきたいと思う。

きょうのおみやげ:ピー助をつれて歩く「おさんぽドラ」。

sanpo

のび太の恐竜2006 公式サイト(音が出ます)
http://dora2006.com/

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