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2006年1月 9日 (月)

四季「オペラ座の怪人」 石丸幹二様、参上

去年は四季に集中しすぎたので、2006年はバランスを考えよう、と言っておきながら今年最初の観劇は「オペラ座の怪人」だ。キャストは以下の通り。

オペラ座の怪人 高井 治
クリスティーヌ・ダーエ 高木美果
ラウル・シャニュイ子爵 石丸幹二
カルロッタ・ジュディチェルリ 諸 英希
メグ・ジリー 松元美樹
マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュー・アンドレ 林 和男
ムッシュー・フィルマン 小林克人
ウバルド・ピアンジ 半場俊一郎
ジョセフ・ブケー 岡 智
ムッシュー・レイエ 立岡 晃
ムッシュー・ルフェーブル 深見正博

昨年後半に誕生した2人の新クリスティーヌ役、苫田亜沙子と高木美果。苫田は昨年観ることができたが、高木は未見だったので、今度登場したら、と考えていた。そこに石丸幹二様が降臨。立岡晃@ムッシュー・レイエのおまけつき、とくればこりゃ行かないわけにはいかないだろう。

高木美果は韓国の出身で、本名はチェ・ウンシルという。大学を卒業後、韓国のミュージカルの舞台にもアンサンブルとして参加したが、より本格的なレッスンを受けたい、と2003年に四季のオーディションを受験し、日本にやってきた。最近四季の中国・韓国出身キャストについては何かと議論を呼んでいるが、この人に関する限り、評価は上々である。実際に観てみるとなるほど、現在のクリスティーヌ役の中ではもっとも「クリスティーヌらしい」女優かもしれない。透明感があって、さらに伸びのある歌声は屈折した男の心をくすぐる響きを備えている。演技も、地下の怪人の部屋でそのマスクをはがそうとする時に見せた屈託のない笑顔など、実に少女らしい表情が鮮烈である。セリフっぽい歌になるとやや違和感もあるが、全くの許容範囲内だ。

石丸幹二はさすがの存在感。ラウル役というのは、割とこの作品ではどうでもいい役のような気もするが、やはりラウルがいいと舞台全体が引き締まる。石丸の歌は決して声を張り上げるものではないが安定感がある。それが「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」にはぴったりで、優しく力強い歌声に多くの女性客がうっとりとしていたことだろう。年齢を感じさせないキレのいい演技も健在で、「今度泣きを見るのはお前のほうだ!」というベタなセリフをびしっと決めるあたり、うーん、かっちょいいぜい。

そういえばカルロッタ役の諸 英希も初見。かわいい雰囲気はいいが、やや毒がない感じだったのは残念。アンドレ&フィルマンもこの日のコンビはやや迫力不足だったため、「プリ・マドンナ」でラウルの声ばかりが響くという珍しい展開になっていた。

ところで自分はこのカルロッタというキャラクター、結構好きなんである。一見、高慢ちきの食えない女だが、ちょっとかわいいところもある。そのかわいさを表現するのが、「プリ・マドンナ」の前の「あたしよりあのチビがいーいのねっ」の「ねっ」の部分。重要なポイントだ。

そして歌の実力は、その高すぎるプライドにも十分に見合ったものであることも忘れてはならない。ファントムからの注文も、カルロッタへのそれは「もっと演技を真面目にやることだ」だった。歌の実力はファントムも認めていたんだろう。譜面を無視したピアンジの歌を「彼の歌い方のほうがいいわ」と持ち上げておきながら、自分はさらっと歌いこなして、ムッシュー・レイエに「そう!」と言わせている。このやりとりは、騒動の中に紛れてしまっているが、気に入っている小芝居のひとつだ。

そして「ドン・ファンの勝利」の中で、カルロッタは本当に真面目に、端役を演じている。意外に真面目な人なのかもしれない。だからこそ、ピアンジは殺されても、カルロッタは殺されなかったのではないか。そもそも、クリスティーヌを主役にするためには、まずカルロッタが一番邪魔だったはずなのに、怪人は彼女を生かしていた。そこにカルロッタという人の実力と、芸術については感情に流されず、ストイックな姿勢を保つ怪人の性格が見て取れる。

年初を飾るにふさわしい、いい舞台だった。それにしても分からないのは、なぜチェを「高木美果」という日本人名にするのだろうか、という疑問である。本人の希望であればいいが、劇団が半ば強制しているのなら、あまり気持ちのいい話ではない。四季のファンの多くは、国籍がどうとか、日本人かどうか、というようなつまらないことは気にせず、舞台上の実力だけで評価している。堂々と本名で勝負するべきだ。花田えりかが今ひとつファンに受け入れられないのは、別のところに理由があるのだ。それを四季には早く分かって欲しいと切に願う。

オペラ座の怪人 公式サイト

http://www.shiki.gr.jp/applause/operaza/index.html

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コメント

またまた同感!
高木クリスは私もとても似合ってると思っています。
すくなくとも佐渡さんよりは…。
シーン毎の表情がなにげに細かく変化している&シーンに合った表情と雰囲気を醸し出してるのが素晴らしいと思います。
無表情なクリス、かわいいクリス、怪人を恐れるクリス、ラウルに惹かれるクリス、それぞれの場面をうまく演じていると思います。
花田さんと比べるのはヤメましょう…。まぁそういう問題ではないのはヤボオさんもご存知なハズです。。
私思うに「ファントム」は怪人・クリス・ラウルのバランスがまず不可欠だと思うんですよ。
今のキャストはなかなかよろしいのではないでしょうか?

年明け初観劇堪能されたようでよかったですね。今後もレポ楽しみにしてます♪
ちなみに私の観劇初めは四季ならぬ、何故か「時代劇」になりそうです…。よっ、成田屋!

投稿: fudoh | 2006年1月10日 (火) 01時36分

実は趣味だけで言うと、苫田クリスも結構好きだったりするんですがね。ただあの「元気いっぱい!よっしゃあー!」な脳天気クリスは、受け付けない人も多いでしょうし、まあ邪道でしょうねえ。早く、あのキャラクターの生きる当たり役を手に入れてほしいと思います。

投稿: ヤボオ | 2006年1月11日 (水) 00時14分

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