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2005年11月28日 (月)

「スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐」DVD発売

そういえば、「スター・ウォーズ エピソードⅢ シスの復讐」をロードショーで観た時は先々行オールナイトというタイミングでもあったので、あまり詳しく感想をメモしておかなかった。DVD発売を機に、忘れないうちに書き留めておこう。

この作品で何が嬉しかったかといえば、冒頭の「背景説明」の最初のセンテンスが「War!」のひとことだったこと。公開時の字幕では「戦争激化!」とかになっていたが、いまいちムードが伝わらない。「戦争だア!(青島幸男調)」とか「戦争キター」とか「戦争、フォー!」とか訳すほうが正しい。要するに、まこと不謹慎ながら戦争が始まったことにわくわくしている気持ちが現れていなければいけない。ちなみにDVD版では日本語字幕が「戦争だ!」、日本語音声時の表示が「戦争勃発!」。

そもそも戦争映画というのは、戦争でカタルシスを感じさせるエンターテイメントだから、不謹慎なものだ。社会的、倫理的なテーマの色濃いリアルな戦争を描いた映画は、通常「戦争映画」とは言わない。逆に考えれば、その戦争にリアリティがないほど、より純粋な戦争映画ができあがる、とも言える。

そういう意味で、スター・ウォーズは、間違いなく戦争映画だ。何しろ「昔むかし、銀河のかなたで」行われた戦争である。リアリティーなんてひとかけらもない。戦争絵巻の中で繰り広げられる、血わき肉おどる冒険譚。それこそこのシリーズの本質ではないのか。「暗黒面」に代表される神話的な要素は、後付けされたものだと思う。

その神話的な要素も嫌いではないから、エピソードⅠ、Ⅱも十分に楽しかったことは確かだが、やはり物足りないのはスター・ウォーズらしい宇宙空間でのドッグ・ファイトが少なかったからだ。小学生のとき、映画館でこのシリーズに出会ってもっとも印象に残ったのはクライマックスのデス・スター攻略戦だったし、大学時代に東京ディズニーランドの「スター・ツアーズ」や「キャプテンEO」を体験して、やはりジョージ・ルーカスがやりたかったのはそこだったんだ、と再認識した。

今回のエピソードⅢでは、のっけから大空中戦である。こちらの欲求不満を見透かしたかのようなこの展開。ああルーカスは分かってくれていたんだ、と勝手に感謝した。

メインストーリーは、アナキン・スカイウォーカーの転落の物語であり、ダース・ベイダー誕生秘話だ。その評価については「転落が急すぎる」とか、賛否が分かれているようだが、その部分については、可もなく不可もなく、という感想である。一般的に予想されていたように、アミダラを失うことで暗黒面に堕ちる、というのではなく、それを失うのではないか、という恐れが暗黒面に導いた、というくだりは、いかにも神学的なアプローチだと感心したし、驚きもした。しかし、エピソードⅡの、実はクローン戦争をおっ始めたのがヨーダだった、というほどのびっくり仰天ではなかった。

最後、エピソードⅣにどうつなげていくのか、という部分についても、おおよその予想を覆すものではなかった。しかし、ここはある意味でファン・サービスに満ちあふれたものになっており、ここでもルーカスに感謝だ。ベイル・オーガナがC-3POの記憶消去を命じる宇宙船の廊下はエピソード4の最初のダース・ベイダー急襲のシーンに登場するそれだし、ラーズ夫妻がルークを抱いて眺めるタトゥイーンの空には、かつて、いや後にルークが目にするのと同じように、2つの太陽が輝いている。

そこで悪のりして、過剰なファン・サービスに走らなかったのも、ルーカスらしいといえばルーカスらしい。自分だったら、間違いなくこれでもかとエピソード4につながるシーンづくりに走ったところだろう。ラストシーンはこうだ。レイアの船を襲撃するダース・ベイダー。横付けして、壁を破壊し、「行くぞ」とストームトルーパーを率いて颯爽と乗り込んでいくさまを、帝国軍側から描くのだ。

などと勝手な想像ができるのも、このシリーズの魅力。どこかの国ではアンケートの「宗教」という覧に「ジェダイ」と書く人の割合が一定のパーセントを取ったそうだが、そうありがたがる存在ではなく、これからも身近な馬鹿映画であってほしいと思う。これからも?そう、エピソードⅦ~Ⅸだ。ルーカスは「作らない」と言っているが、これだけのドル箱を商売にさといハリウッドが見逃すはずもない。Ⅰ~Ⅲがやや暗いタッチだっただけに、新作は大いに明るい、ど派手なドンパチ映画になることを期待したい。

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コメント

ど~も。譲二であります。
>颯爽と乗り込んでいくさま
良いっスねぇ、ヤボ夫さんの描くラストシーン。
正直言うと、小生はあのラストシーンにちょっと物足りなさを感じていたんですね~。やっぱシリーズ最後の映像はダースベイダーで終わって欲しかったんっス。
あのマントを翻しながら進むダースベイダーの後姿で終わる、と。もちろんBGMは帝国軍のマーチ!格好良いなぁ。
地獄の黙示録みたいに、終わり方に幾つかバージョンがある、ってのは無いんスかねぇ。

投稿: 譲二 | 2005年11月29日 (火) 21時27分

そうそう。

突撃前には「Shall We Dance!」とか言ったりして。

エピソード3はコッポラが撮ったほうが迫力あったかもしれないねえ。


投稿: ヤボオ | 2005年11月30日 (水) 01時24分

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