信州手打蕎麦 玉川
どうせなら三食麺で行こう、と馬鹿なことを考え、夜は北柏の自宅から歩いて2分のそば屋「玉川」へ行く。
柏のそば屋というと「竹やぶ」が全国的に有名だが、個人的にはあまりいい印象がない。むしろこの玉川のほうが(近いこともあり)好きな店だ。
玉川は長野県の渋温泉に本店があり、北柏と、茨城の守谷に支店がある。洗練されたそばではないが、一生懸命手打ちしたという雰囲気の漂う、暖かみのあるそばだ。昔、田舎で祖父が打ってくれたそばがこんな味だった。つゆは、もう少し辛いほうがいいんじゃないかな、というぐらい薄味だ。
今回は、寒かったので鍋焼きうどんを注文。
しかし普段注文しているのは、もっぱら「辛大根そば」だ。辛味大根といえば京都近辺で栽培されている野菜というイメージがあるが、最近は京都の農家でこれを栽培している農家はほとんどないらしい。「美味しんぼ」23巻の「薬味探訪」では、京都市内の老舗そば屋「晦庵河道屋」だけに卸している1軒だけ、と紹介している。となると、他の地域で生産された同種の野菜は、厳密には「辛味大根」ではないということか。この店が「辛味大根そば」と書かずに「辛大根そば」と書いているのもそのあたりの事情かもしれない。
ともあれ、この辛大根そばは実にうまい。容赦なく辛い大根おろしに、挽きぐるみの腰の強いそばがぴたりと合う。何度食べても飽きないメニューだ。
ところで、その美味しんぼ「薬味探訪」には、辛味大根と並んでもう1つの薬味が紹介されている。「暮坪カブ」だ。辛味大根は大根でありながらカブのように丸い形状なのに対し、この岩手県遠野で栽培されている暮坪カブは、カブでありながら大根のように長細い。
その暮坪カブとやらも一度食してみたいものだ、と思っていたが、今年の夏、この店は辛大根そばに変えて「暮坪おろしそば」を出した。どうやら、ここの店主は美味しんぼの読者らしい。
カブの実物も店内に展示されていた。
食べてみると、なるほどカブで、土くさい味が印象的だ。大根のように汁気がないので、おろすとややパサパサする感じではある。辛さは強く、そばの薬味としては申し分ない。
もう暮坪カブの提供は終わってしまったので、残念ながら食べ比べはできないが、柏に来ることがあればぜひ立ち寄っていただきたい一軒である。
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コメント
タイムリーなことにちょうど10日から「そばの国、信州 そばスタンプラリー」というのが始まってます。
http://www.shinmai.co.jp/soba/
オススメの玉川本店も加盟してるようです。
渋ならすぐ近くなので行ってみようと思います。
今冬はそば屋巡りにハマッてみようかなとも思ってます。
あれ?何ていうお店でしたっけ?近々小布施に移転するお店。そこも楽しみにしてます♪
投稿: フドウ | 2005年11月14日 (月) 03時16分
おー
信州にもご無沙汰しているので(四季演劇資料館にもしばらく行ってません)、あったかくなったらドライブに行こうと思っております。
群馬から移転する「せきざわ」にもぜひ立ち寄ってみてください。レポ待ってます!
投稿: ヤボオ | 2005年11月14日 (月) 21時23分
「せきざわ」行ってまいりましたよ。ウチからクルマで15分程のところでした。
地元の人間というより他県の方々のほうに名が通ってるようで他県ナンバーばかりでした。
お店はまっさらなログハウスといった風情でこれから何年何十年かけていい味が出てくるのではないかという感じの造りでした。
おそばはメニューも豊富でどれにしようか迷ってしまいました。
結局天もりにしたのですが「~三昧」も食べたかったです…。また行ってみます。
クルマでしたら須坂長野東インターから「くだもの街道」をずっと行くか、信州中野インターまで行ってすこし戻るか、または小布施ハイウェイオアシスのスマートインター(ETC車)で下りて小布施の街を横切るか、という感じですね。
街外れに民家に普通に混じってあるので一見通り過ぎてしまいそうな感じでした。
投稿: フドウ | 2005年12月11日 (日) 02時36分
やや、話題のせきざわ新店に行かれましたか。
くだもの街道、前にドライブで通ったことがあります。
来年の最初の目標は、信州そばツアーに決定!
投稿: ヤボオ | 2005年12月11日 (日) 20時40分