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2005年9月19日 (月)

香港映画「頭文字D THE MOVIE」

これはすごい。

頭文字Dといえば、95年からヤングマガジンに連載されている人気漫画だ。アニメーションにもなっている。自分はマンガもアニメも断片的に見聞きしているだけで、特別ファンというわけでもない。カーマニアでもない。本作のキャストやスタッフも、鈴木杏以外知らない。しかし、何となくこれは面白そうな予感がしたので足を運んだ。直感というのは信じるものだ。

何がすごいって、まず車が本当にダウンヒルでドリフトしている。スピード感だけでなく、その重量感とでも言おうか、質量のある自動車がギュルギュル滑っている、という感覚がスクリーンからひりひりと伝わってくる。

しかしそれを上回ってすさまじいのは、これを創り上げたスタッフ、キャストの映画にかける気概だろう。

ご存じの通り、これは香港映画だ。香港の監督が、日本の漫画を原作に、台湾の歌手を主役に起用し、群馬県でロケして作った香港映画である。その監督とはアンドリュー・ラウ&アラン・マックの「インファナル・アフェア」コンビである。

観に行く前、この作品に期待しつつも、やや複雑な気持ちもあった。なぜ日本の漫画なのに、香港で映画化されなくてはならないのか。日本映画界は、これだけの人気コンテンツを映像化する力が、もうないのか。そう思っていたのだ。

しかし観ているうちに、複雑な気持ちなんていうあいまいなものは消し飛んでしまった。香港映画界の実力は、もう明らかに、日本映画の手の届かないレベルに行ってしまった。比較するのが僭越なぐらいだ。こうなると、もう日本映画界がなんでダメなんだ、という気持ちも起きない。むしろ、香港映画に少しでも近づけるようにがんばってくれ、と暖かい眼差しで応援したくなった。

彼らは、この映画を撮影するためにわざわざ原作に描かれている舞台、群馬の榛名山までロケをしにやってきた。新潟の閉鎖道路での撮影も含め、車のシーンだけで50日もロケをしたのだという。馬鹿か、こいつらは。しかも、かなりの部分で、さして顔も写らないのに俳優自身がその車を運転している。ますます馬鹿だ。スタッフやキャストがそんな馬鹿になれる制作環境は、今の日本映画界にはどこを探したってないだろう。

さらに恐れ入るのは、「インファナル・アフェア」で名声を手に入れ、もはや香港だけでなく世界的に注目されるフィルムメーカーであるアンドリュー・ラウ&アラン・マックらが、「頭文字D」という原作に対し深い敬意を持って臨んでいることである。漫画を全部読んだわけではないので、それがどこまで忠実に再現されているのかは分からないが、少なくともその世界観、描かれている空気感はまさしく原作のそれと同じだ。しかも、原作の「群馬最速を目指す」というローカルさ、北関東の中途半間に素朴な雰囲気まできっちり描き出されているのだ。彼らには頭文字Dだけでなく、日本の漫画文化に対する畏敬の念もあるらしい。それが表現されたのが、主人公・藤原拓海があるシーンで来ているTシャツ。サッカーユニフォームのレプリカらしいそのシャツの左胸には「南葛」の文字が・・・。そう、「キャプテン翼」のチーム名である。彼らは、日本を舞台にした映画を撮るにあたり、この原作に、そしてそれを生んだ日本の文化に、極めて謙虚な姿勢で取り組んでいる。

まずは、日本映画はこの謙虚さから学ぶべきだろう。そして、その謙虚さをもって今回のような海外とのコラボレーションを積極的に行うのだ。自分たちの力だけで再生し、世界の映画界に追いつくことは、もう無理だ。それを痛感した一作だった。

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頭文字D THE MOVIEのWEBサイト

http://www.initial-d.jp/index2.html

(音が出ます。職場では注意)

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コメント

こんばんは。
Webサイト見てみました。
このようなのを撮影してたなんてまったく知りませんでした。&映画の公開も…。
このマンガは名前ぐらいしか知りません(私、マンガまったく読まないヒトでして)。
でも私の世代にはほんとなつかしいです、ハチロク。
私は走り屋の方向ではなくVIP系で(セド)でノンビリと流してましたが。
ところでこの撮影場所は榛名山のあたりですかね?昨年榛名神社に立ち寄った際、こんな風景観たような。。。

でもヤボオさん見識広いですねー。アイドルから映画から舞台から…。
私も結構アイドルには詳しかったです。(過去形なのはここ最近はちょっと乗り遅れているため)
またいろいろな記事期待してます♪
次来る!アイドル予想とかもぜひ教えてください。

投稿: フドウ | 2005年9月20日 (火) 00時59分

榛名山の周辺と、新潟でロケしたようですね。主人公の実家はとうふ屋ですが、それも群馬県の実際のおとうふ屋さんを借りて撮影したそうです。
俳優もみんなカッコよくて、鈴木杏はかわいくて、大満足でしたです。

それにしても四季のキャストガタガタですねえ。北井久美子ちゃんに出てきてほしいんですが・・うっ、禁断のアンサンブルヲタの世界に・・・

投稿: ヤボオ | 2005年9月20日 (火) 23時00分

榛名山、やっぱりそうでしたか…。
この映画ウチの近くではやってないみたいです。。トホホ。<いなか
でもこれなら遠出してでも観に行っちゃうかも。

杏ちゃんはいつのまにかオトナになりましたねー。

四季話:
いいじゃないですか、アンサンブルヲタ♪
北井さんは夢以降お見かけしませんね。(いや出ているのかも?ただチェックできてないだけかも?)
私の知り合いにも一人、北井さんを熱烈に期待してる人がいますよ!

私も明日李香蘭で再びアンサンブルかぶりつきの予定です。
玲子さんの歌が…なのでメインそっちのけで再び一点集中の予定です。

投稿: フドウ | 2005年9月21日 (水) 02時47分

一点って前川遙子さんかな?
うわ、ずぶずぶアンサンブルの暗黒面にはまっている自分が。

投稿: ヤボオ | 2005年9月22日 (木) 10時03分

行ってきました。
あ、すみません四季話です。
いい作品なのにおそらくタイトルロールはほんの数分しか観てないと思われ…。
李香蘭はアンサンブルの衣裳替えがとても多くコスプレチックなところがまた妙にハマります。
…?、視点がおかしい??(爆)
アンサンブルといえども「ご贔屓>演目」重視になってしまうのはどうやら私の常のようです。
今回は最前でサービスカットも拝めてしまいました。。。
…まったく何を観に行ってるんだか?(アホ)
ヤボオさんの良識的視点を学びたい今日この頃です。

投稿: フドウ | 2005年9月24日 (土) 13時13分

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Young Bloods on Fire! AAA(トリプルエー)の「BLOOD on FIRE」のワンフレーズしか頭の中に残ってない(苦笑) [続きを読む]

受信: 2005年9月30日 (金) 01時40分

» 映画『頭文字D』 [しのわずり]
映画『頭文字D』見ました。コミックもアニメも知っていたので、ストーリーなどすん [続きを読む]

受信: 2005年9月30日 (金) 23時46分

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