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2005年7月18日 (月)

東京ディズニーシー「レイジングスピリッツ」

東京ディズニーシー、2001年の開業以来初めての新規アトラクションとなる「レイジングスピリッツ」が登場。公式オープンは7月21日からだが、先週末の3連休には稼働していた。一切インフォメーションはせず、オープン前にアトラクションを動かすのは「スニーク」と呼ばれ、東京ディズニーランドでは一般的なことだ。というわけで、3連休の最終日である7月18日に乗ってきた。

<注意! 予備知識なくアトラクションを体験したい、という人は絶対にこの先は読まないでください。激しくばれます>

基本的には、東京ディズニーランドにおける「ビッグサンダー・マウンテン」や「スプラッシュ・マウンテン」のような、主役を張るアトラクションではない。インディ・ジョーンズアドベンチャーの脇にあるという位置関係が示す通り、脇役としての存在である。総工費80億円もかけて脇役かよ、という気もするが、まあそこはアメリカに送金されるディズニーマジック代も入っていることですし。ちなみにこの金額はビッグサンダー・マウンテンと同額。しかしそれは1987年の話だし、現在はソフトウェアの開発費もかさむだろうから、比較はできない。

だが、脇役とはいえこれは名脇役だ、と言っていいのではないか。全体的にはよくできている、という印象を持った。主役としての感動を期待すると肩すかしをくらうかもしれないので、最初から「北斗の拳」や「ドラゴンボール」ではなく、「魁!男塾」や「ついでにとんちんかん」なのだと思って臨んだほうがいい。どうしても主役登場の感動を味わいたければ、来年の「タワー・オブ・テラー」のオープンを待つこと。総工費210億円という、スプラッシュ・マウンテンに匹敵する巨大プロジェクトが完成間近だ。

レイジングスピリッツは、ある意味で実にオーソドックスなジェットコースターだ。ビッグサンダー・マウンテンやスペースマウンテンが素晴らしいのは、最近のジェットコースターには付きものの「フォール」なしにスピード感を演出しているところだと思う。だがこのアトラクションでは、普通に落ちる。体験時間が当初の発表よりぐんと短い1分30秒に短縮されたことで、「フルスピードでスタートするタイプではないか」という観測も流れたが、結局デマだった。ごく一般的に、ゆっくり上昇してから下りで加速していく。

だが、もちろんオーソドックスなだけではなく、そこかしこに世界最強のエンターテインメントマフィア、D社ならではの工夫がこらされている。まず、狭い敷地の中に、ぎゅうぎゅうと押し込んだようなコース作り。「神々が怒りでねじ曲げた」という設定もうなずける、見事なひん曲がり方である。そして、コースの全容が把握しづらいのはディズニーマジックの基本だが、ビッグサンダーマウンテンの山、スペースマウンテンの暗闇といった「隠すもの」がないのにきっちりわかりにくくしているところはさすがである。

そして、レールが本当に今にも崩れそうな、貧弱(に見える)な作りだ。この上走らせていいのかよ、と不安になるほど。ハード技術も確実に進歩しているのだろう。しかもその不安を、人工的に作り出した横揺れが追い打ちをかける。最初に乗った人は「すわ故障か」と恐怖に駆られることうけあいだ。これはソフト技術の進歩だろう。

ハイライトは話題のループ部分だ。この部分が、レイジングスピリッツというアトラクションの魅力を象徴的に示している。

ループそのものは、おどろくほど小さい。出口近くからはこのループがよく見えるが、端から見るとチャンチャラおかしい大きさだ。だが、そのループを霧で隠すという演出をほどこしている。乗客は、霧の中に突っ込んで視界を奪われた瞬間にぐるんと回されるのである。それも、あっという間の出来事だ。だから自分がループしたということも分からず、ただヘンな感覚だけが残って、わけのわからないうちに出口にたどりついてしまう。実際に乗車すると「え?今ループしたの?」という声があちこちで起こる。

戦闘機などが雲の中に突っ込んで視界ゼロになったとき、上下の感覚もなくなってしまう「空間識失調」という錯覚に陥ることがあるという。おそらく、このループが擬似的に体験させるのは、それを数百倍に薄めた感覚ではないか。飛行機を操縦したことがないので分からないが。なお空間識失調については、織田裕二主演の自衛隊映画「ベストガイ」が詳しいので興味のある人はそちらを観てほしい。

この感覚は新鮮である。あえて言えば、この感覚に近いアトラクションをあえて探すと、かつて日立市かみね公園の遊園地にあった「びっくりハウス」だが、もうなくなっている。部屋がぐるぐる回り出す錯覚を作り出すあの施設は、当時全国にあったと思うが、どこかにまだ現存しているだろうか。

欲を言えば、もう1回フォールがあったらかなり満腹になりそうな気がする。しかしそれをしないのもまたD社の手口なのかもしれない。

過大な期待をしなければ満足できる佳作レベル、ということでまとめたいところだが、今回は結論づけることを保留したい。というのも、恐らくこのアトラクションは夜に乗ると全く印象が違うと思うからだ。上がったときに見える夜景も格別だろうし、昼にはほとんど見えない「火」の演出も効果を発揮するはずだ。昼、夜両方乗ってみないとその真価は分からない。ファストパスの取り方に苦労しそうだ。

最後に、写真を用いてその全容を紹介しておこう。明日以降、私が行方不明になったらD社のメン・イン・ブラックか、O社の清掃受注業者を装った影の軍団に監禁されたと思ってください。

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正面から見たレイジングスピリッツ。レールはほとんど見えず、「遺跡」がそびえる。霧や火が、夜はきれいだろう。

 

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入り口付近からは、その全容が分からないようにコースを巧みに隠してある。

 

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このアトラクションは、東京ディズニーリゾートでもっとも厳しい、140cmという身長制限がかかっている。そのため入り口には身長測定棒(←名称不明)を持った係員がずらりと並んでいる。なんだか警護に当たっているようで、コワイ。

 

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ファストパス発券所は入り口の向かい。台数も多く、よくはける。

 

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階段を上がって列に並ぶ。左から、ファストパス、シングルライダー、スタンバイのレーン。

 

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列を作るスペースは非常に短く、それ以外は外に並ばされる。やっとアトラクション内に入っても、屋根のある部分は少ないので、夏場はきついし、基本的に屋外なので冬場もきつそう。申し訳程度に空調機器があった。

 

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発着場。ここまで見えてくると、もうすぐだ。

 

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上から見える風景を撮ろうと思ったが、失敗。携帯を落としたりすると大変危険なので、よい大人のみなさんは決してマネをしないように。

 

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問題のループ。出口を抜けて歩くスロープからは、霧の奥にその様子をうかがうことができる。左上のほうに、周っている筐体が確認できる。やはり小さい。

 

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そのスロープをさらに下ると、絶好の写真撮影ポイントがある。これは最後のコーナーだ。ここで1人がカメラを構え、乗る直前に携帯で「これから乗車する」と伝えれば、記念撮影も可能か。これは携帯で取っているが、コーナーから車体が見えた瞬間にシャッターを切ってちょうどいいぐらいだった。

 

NEC_0058

カバン類などは預けておいたほうが無難。ロッカーは、この出口付近のスロープにあるため、初めて乗る人は気付かない可能性が高い。3時間まで無料で使用できる。それを越えると追加料金。

 

「レイジングスピリッツ」キャンペーンページhttp://www.tokyodisneyresort.co.jp/tds/japanese/event/raging/index.html

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