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2005年7月 3日 (日)

映画「逆境ナイン」(それはそれ、バレはバレ)

思いがけず面白かった。

「逆境ナイン」は、マイナーながら個別の作品に熱狂的なファンの多かった「少年キャプテン」(97年に廃刊)で89年から91年まで連載された、島本和彦のマンガだ。当時、島本は自らを題材にした「燃えよペン」も連載しており、「炎の転校生」以来突き当たっていた壁を破ったのがこの2作品だったといえる。この後しばらくして、島本マンガの名セリフを集めた「炎の言霊」が出版されて人気を集めたが、この中に「逆境ナイン」のセリフが多数収録されていたことから「もう一度読みたい」という要望が強く寄せられ、コミックスがワイド版で再版となる。自分が逆境ナインを読んだのはこのタイミングだ。作品的には、「炎の転校生」ほどの衝撃はないものの、島本独自のセンスを、ひとつのスタイルとして確立したという点では注目に値するといえるだろう。

それが突然映画化されるという。なにを今さら、と思ったが、「地獄甲子園」の思いがけない高評価や「少林サッカー」「火山高」といった海外のハチャメチャ(死語)映画のヒットにも触発されたのだろう。あるいは「タッチ」へのあてつけか。しかしやはりこの作品の根幹は島本スタイルのマンガ的表現である。それを無理に映像化してもさほど面白くはならないだろう、と感じたので、期待はしていなかった。

しかし6月にオープンしたばかりの「MOVIX三郷」で上映することが分かり、シネコンの見学がてら行ってみることにした。

という心理状態で観たのであるが、存外よく出来た作品である。島本スタイルをどう映像化するのか、あるいはしないのか、という点にまず興味があったのだが、頑張って映像化していた。だが、それは必ずしも成功とは言い難く、2時間弱の映画全体を引っ張るほどの要素には至らなかった。

そこを埋めていたのは、「高校生映画」の遺伝子である。

高校生映画についてはこのエントリーでちょっと触れたけれども、最近で言えば「ウォーターボーイズ」や「がんばっていきまっしょい」のような、ぬるめの温度で高校時代を描いた、多少ノスタルジックな映画のことだ。日本の高校生映画にはいくつか共通する特徴があって、その1つが「地方色を出す」ということだ。

この映画でも、舞台となった三重の風景が、リアルに描き込まれていた。美しい自然や、煙をもくもくと出すいかにも地方にありそうな工場の煙突などを、ロングショットの多用で巧みにスクリーンに落とし込んでいる。また、さりげなく挿入されている夕方のヒグラシの声、明け方に鳴く虫の声、といった効果音も、サブリミナルにノスタルジーを刺激する。こうした小技の部分にも手を抜かない、丁寧な姿勢に好感を持った。

そしてもう1つ、高校生映画になくてはならない共通要素といえば清楚でかわいいヒロインだ。これを演じたのが堀北真希。監督の強い要望で実現したというが、大成功である。目に力のある堀北に、あえてボケた演技をさせることで何ともいえない妙味が生まれた。

基本的には漫画的技法を映像化した作品でありながら、そこに高校生映画の甘酸っぱさで膨らみを持たせ、しかもそこに逃げることなく最後までギャグ映画であり続けた。制作スタッフの「不屈の闘志」が伝わってくる佳作である。

 

と、いろいろ述べてはみたが、ちょっと分かりにくいかもしれない。以前から、自分の文章は整理されていなくて何を伝えたいのかよく分からない、と指摘されてきた。これは自分も大いに反省しているところである。

そこで今回は、グラフを使って自分の感じたところをよりクリアーに伝えてみたいと思う。この映画で受けた感動を分析すると、下記のようになる。

gyakkyo

・・・世の中、分かりにくくしといたほうがいいこともあるわけで。

「逆境ナイン」のホームページ

http://www.gk9.jp/

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『逆境ナイン』の試写会。 漫画が原作。スポコンもの!?ノリは少林サッカーに近いと [続きを読む]

受信: 2005年7月 3日 (日) 17時50分

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