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2005年6月 5日 (日)

料亭「稚加榮」

うまいイカが食いたいと思い、福岡に来た。

福岡にはなんだかんだと理由をつけて毎年来ている。

昨年は、出張で。

おととしは、松浦亜弥コンサートツアー2003「あややヒットパレード」(&四季「オペラ座の怪人」)で。

3年前は、友人の結婚式で。

4年前は、四季「夢から醒めた夢」リニューアル公演で。

そして、福岡に来ると必ず訪れるのが大名にある「料亭 稚加榮」である。ここの名物はプール大の巨大な生け簀を取り囲むようにして並ぶ「生簀カウンター」だ。

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「美味しんぼ」で山岡士郎がさんざん指摘しているように、魚というのは締めてから少し時間が経たないとうま味が出てこない。そして生け簀の魚は餌を食べない状態が続くので、味が痩せてしまっている場合が多い。

そして、どちらかというとこの店は観光客に人気で、地元の通が通う店はほかにたくさんある。

にもかかわらず自分がこの店に足しげく通っているのは、巨大カウンターということで1人でも入りやすいこと、そしてこの馬鹿馬鹿しいほどでかい生け簀は、それだけで楽しさを味あわせてくれるからだ。

それに、もっとうまい店があるといっても、もともと福岡の食材は東京などで食べるのとはうまさ、安さにおいてケタ違いである。グルメを気取るのでなければ、この店で十分満足な体験ができる。

メニューには一品料理、懐石コース、活け作りなどがある。自分はだいたい、一番安い懐石コース(4500円)を頼んで、ほかに活け作りを1-2品頼む。コースは品数で値段が決まっており、一番安いといっても11品も出てくる。活け作りは時価だが、イカだと2000円ぐらい。ヒラメや伊勢エビなどは7000円ぐらいするのでちょっと1人では頼みにくい。だが一人前にちょうどいい小ぶりの伊勢エビを2500円ぐらいで造ってくれる時もある。台風でイカが入荷していない時に訪れた際は、その伊勢エビとアジを頼んだところ、きれいに一皿に盛りつけてくれた。それを見たまわりの客が「私にもあの料理を」と次々に注文し、恥ずかしかった。

これまでは夜の時間帯に来ていたが、今回は昼の時間帯に入った。この時間は昼定食(1200円)を出している。せっかく来たのだからランチでは味気ない。聞けば通常メニューも出してくれるというので、いつもの懐石コースと活け作りを頼んだ。

すると、お姉さんが「それなら、昼の定食もそんなに変わらないですよ。定食にしたほうがいいんじゃないですか?」という。まあこの時間はほとんどの客が定食を頼むわけで、そのほうが厨房も楽ということもあるのだろうが、4500円の料理を頼もうとしている客に1200円の料理を勧める、というのは福岡でひんぱんに出会う接客マナーだ。ほかの料理店でも、あれこれ頼むと「それでは多いから少し減らしたほうがいい」とよく言われる。タクシーに乗って渋滞にはまると目的地を聞かれ、「それなら地下鉄に乗ったほうが安いし早いですよ」と近くの駅まで連れて行ってくれる。初めてこの地を訪れたときは宿泊案内所でホテルを探したが、頼んでもいないのにとにかく安い部屋を探そうとしてくれた。その時はそんなに自分がみすぼらしいなりをしているのかな、と思ったが、それがこの地方のスタイルなのだ。

しかも、その言い方が全く押しつけがましくない。あくまで客に無駄な金を使わせまいとする姿勢が感じられる。そしてそれが結果的に顧客満足度を高め、福岡全体の経済活性化に貢献していることも、本能的に知っているのだ。

さて、そうしたわけで今回のオーダーは「昼定食」と「イカの活け作り」。

まず昼定食。茶碗蒸し、汲み出し豆腐、煮物、刺身、天ぷら、かに汁にごはんとお新香がつく。これで1200円だから東京で中途半端な食事に高い金を払うのが馬鹿馬鹿しくなってくる。

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そしてイカがやってきた。ご覧の通り、ツマの紫蘇の葉がすけて見えるくらいに透明で、きらきら光っている。味はと言えばこれがとろけるように甘い。ワサビでも、ショウガでもおいしくいただくことができる(東府屋ファミ坊風)。

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最初、頭やげその部分も皿に盛ってきて、ぐにょぐにょと動く様子を目で楽しんだあと、いったん下げて天ぷらにしてくれる。活け作りの場合は1匹まるごと提供する、というのが原則なので、刺身にならない部分も何らかの方法で食べさせてくれるのだ。伊勢エビだったら頭の部分で赤だしを作るし、アジだったら背骨のまわりをせんべいにして出す。イカの場合は天ぷらがノーマルだが、頭やげそも全部刺身にしてくれ、というオーダーもできる。むこう半年ぐらいもうイカは食べたくない、というぐらいの満足度を味わいたければ、それもありだ。

これがげその天ぷら。この1皿食べるだけでも、実は十分おなかいっぱいである。

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存分に堪能して、お会計は1200円+2000円の3200円と消費税。飯を食うと高いうえに満足度も低い東京は、改めてヘンだと実感する。

料亭「稚加榮」のホームページ

http://www.chikae.co.jp/fukuokaten.html

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コメント

おおー、なんかうまそうですねえ。
今度福岡行く機会あったら(あるんか?)行ってみることにします。

投稿: ほしよ | 2005年6月 6日 (月) 11時42分

ほしよ先生、いらっしゃ~い(バストファージョーンズ)。

福岡は空港から近いので、気軽に行けるのがいいですね。飛行機代を考えるとそうひんぱんにも行けませんが。

遠征は旅行のいいきっかけになります。そういえば札幌には四季が撤退してから行かなくなってしまった・・・


投稿: ヤボオ | 2005年6月 6日 (月) 14時22分

おお。ちかえじゃないですか。
私もここ大好きです。明太子サイコー。

じゃあ私もちょっくら明太子食べに福岡まで行ってこようかしら。
もちろん花ベルはおまけですよ、おまけ。


っていうか激行きたい......

投稿: 誰 | 2005年6月15日 (水) 14時21分

花ベル、すぐに引っ込んじゃいましたがまた出てきたらまた行ってしまいそう。

福岡自体が何しろ楽しいですからねえ。

投稿: ヤボオ | 2005年6月16日 (木) 00時44分

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» 稚加榮 ( 魚料理、会席料理 / 赤坂、平和通 ) [レストランのくちコミサイト 食べログ.com]
料亭・稚加榮は明太子が有名で、お土産に買う人が多いみたいです。 「料亭」とは言うものの雰囲気はとてもカジュアルで、店内にはとても大きな生簀がある。 ランチの刺身盛り合わせは食べ応えがあり、それ目当てのお客さんでとても混雑するようです。 食... [続きを読む]

受信: 2005年11月 4日 (金) 19時31分

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