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2005年6月 2日 (木)

四季「夢から醒めた夢」
その10 樋口麻美再降臨

※今回のシリーズは激しくネタバレしますのでご承知おきください。

ピコ 樋口麻美
マコ 紗乃めぐみ
マコの母 重水由紀
メソ 有賀光一
デビル 光枝明彦
エンジェル 藤原大輔
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 西尾健治
部長 田中廣臣
老人 維田修二
老婦人 斉藤昭子
夢の配達人 北澤裕輔

先週は開幕以来、久しぶりに樋口麻美ピコが登場したのでいそいそと四季劇場へ。結果的に1週間だけの顔見せ興行だったから行っておいてよかった。

この間、彼女は四季で初めてとなるストレートプレイに出演(「オンディーヌ」のベルタ役)していた訳だが、それも早々に切り上げて夢から醒めた夢に復帰、そして1週間で引っ込む。娘役トップの座を守るためには試練も多いようだ。

そんなわけでやや疲れは見えたものの、相変わらずキレイに伸びる声とキレイに伸びる手足が印象的な、極めてソツのないピコである。個性がない、とも言えるが、その分ストレートに作品の良さが伝わる。それは決して下手なのではない。下手な役者は、作品をぶちこわす。作品の良さをそのまま伝えられるのは、うまい証拠である。そのレベルに達している役者は、四季に限らず日本中でも実は一握りしかいない。

しかし、である。

現在、水曜深夜に放送しているアニメ版「ガラスの仮面」では、劇団つきかげが全国演劇コンクールの地区予選をめざし「たけくらべ」の稽古の真っ最中である。同じたけくらべでつきかげを潰しにかかった劇団オンディーヌの姫川亜弓が演じる、完璧な美登利役を前に自信を失った北島マヤに、月影千草は言い放つ。

「亜弓さんはたしかにすばらしい天分を持っています。完璧な美登利を演じるでしょう。原作の中から生まれ出たような美登利そのものを………

完璧な美登利。それが天才の才能の限界です。けっしてそれ以外のものではありえないのです」

結果的に、観客により強い印象を与えたのは、月影先生とマヤが創りだした、「まったく違う美登利」だった。

もちろん、姫川亜弓の存在も希有だ。それを否定するつもりは全くないし、作品の良さを純粋に伝えられるピコ役、ということで、初めてこの舞台を観る人にはぜひ樋口ピコをお勧めしたい。しかし、もともと保坂知寿という、脚本に書かれているキャラクターとは全く違う雰囲気を創り出す名人が当たり役にしていたピコである。そのインパクトを越えるには、脚本とも、そして保坂ピコとも異なる存在を生み出さなくてはならない。まだ3人のピコともそのゴールには達していないが、頭ひとつ抜けているのはやはり吉沢梨絵なのである。

というわけで、現段階での吉沢ピコ最強説を確信する結果となった。

さて今回の「樋口麻美×紗乃めぐみ」という組み合わせは初見だったが、紗乃の調子がいまいちだったせいか、しっくりいかなかった。前回観たとき「前に出すぎ」と感じた演技は、少し引いたものになっていたのだが、歌声まで引いてしまったのはいただけない。どうした、紗乃!

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