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その10 樋口麻美再降臨 »

2005年5月29日 (日)

食玩ブームに意見する

たまにはウェブログらしく、社会的事象について考察をめぐらせてみよう。

近年、急速に市場を拡大させているものに「食玩」がある。本体の菓子よりもオマケに重点を置くという商品自体は、さほど新しいものではない。その原点はカバヤ食品のビッグワン・ガムだろう。1978年の発売で、販売価格は100円。中にはプラモデルと大きめのガムが入っていた。100円でプラモデル、というのは子供にとっては魅力的な価格設定で、いかに材質がチープであろうと、ガムがとてつもなくまずかろうと、ずいぶんと買い込んだ記憶がある。

それ以降さしたるヒットもなかったこの食玩だが、99年にフルタ製菓が発売した「チョコエッグ」で華麗に復活。そのフィギュアを制作した海洋堂は、オタク向けのガレージキットメーカーから一躍産業界の檜舞台に躍り出る。いまだ従業員は数十名だが、その名は全国にとどろくようになり、今やその名前が見られないコンビニエンスストアはほとんどない。

しかし気になっているのは、いまの食玩はほとんどが大人向けであるという点だ。食玩の魅力は、子供でも気軽に楽しいおもちゃを入手できることにあったと思う。それがどうだ。喜んで食玩を買っているのはいい年をした大人である。日本は一体いつからこんな幼稚な国になってしまったのだ。しかも財力にものを言わせて、10個、20個とまとめ買いに走ることも珍しくない。ものが売れることで経済効果を生むのは結構だが、その消費基盤はあまりにも脆弱ではないのか。

しかも大人は菓子などに興味がないから、おまけを取り出して菓子はすぐに捨ててしまう。ビックリマンチョコのときに引き起こした問題を、成人になっても繰り返しているのだ。どんなものであれ、食べ物を粗末にするのは恥ずべき行為である。

そんな中、全日空が客室乗務員のユニフォームを一新したのを記念して、歴代のユニフォームを着た乗務員をモデルにフィギュアを制作して、食玩として売り出すという話を聞いた。「ANAユニフォームコレクション」というのだそうだ。

思わず我が耳を疑った。もちろんそれは子供向けではないだろう。しかも、なぜ客室乗務員を商品化する必要があるのか。航空機の乗務員は、単なるサービス係ではない。万一の事故の際、もっとも客に近いところにいる保安要員なのだ。それを面白半分にフィギュアにするなど、常識を疑う。

さらにそれは10種類あり、中身の分からない状態で購入するため、マニアは数十、場合によっては数百という単位で買い、不要なものをオークションに出品し売りさばくのだという。ネット社会の暗部を見たようで、気が重くなった。

すぐに全日空に抗議しようと思ったが、どのような製品なのか分からないでは的確な批判ができない。それで、まず買ってみることにした。

とりあえず1つ買ってみた。定価は1箱400円で、中にフィギュア1種類と全日空の機内でサービスしているスープがついている。スープなんて飲まないし、作るのも面倒だからすぐに捨てる。

ca01

しかし1つだけを見て判断材料にする、というのはあまりフェアとは言えない。やはり10種類まとめ買いした上で初めて、相手を批判する権利を入手できるというものだろう。

中身が分からないで買い集めるのは高くつくので、ネットオークションを利用し、10種類そろったものを出品している人を見つけて落札。まったく便利な世の中になったものだ。

ca02

フィギュアはそれぞれ、2~4種類のパーツに分けられて袋に入っている。実にごたいそうだ。

30分ほどかけて、10体のフィギュアを全て組み立てた。まったくこんなことを趣味にしている人達の気がしれない。いったいこんなものを眺めて何が面白いというのだろう?

ca1 

まあ確かに、CA(キャビンアテンダント)の制服は、こうしてみると機能美にあふれ、評価に値するかもしれない。

ca2

よく見ると表情や、体の線など、リアリティーだけでなくマンガ・アニメの技法を導入していることがわかる。単に造型技術だけではなく、コンテンツ産業の発展がバックグラウンドにあってこうした作品を生み出すのだ。

ca3

ふん、確かに可愛いといえば可愛いよな。

ca4

エヘヘ。うん、何というかアレだ。

結論。

もう飛行機は全日空以外には乗りません。

この素晴らしい企画を考えた偉大な航空会社に、一生付いていきたいと決意した。

ca5

また一歩「GOOD LUCK!」に近づいた。

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コメント

かなしい限りです。

投稿: eccolo | 2005年5月30日 (月) 23時38分

罰が当たったのか、体うごかなくなっちゃいました。

かわりにフィギュアが動いてたりして・・・

投稿: ヤボオ | 2005年5月31日 (火) 22時53分

大変です。こんな事件が起こってますよ!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050607-00000511-yom-soci

投稿: ぬのくま | 2005年6月 7日 (火) 22時45分

駅の売店で夕刊紙の見出しを見て何だろう?と思っていましたが、こういう話でしたか。

しかし、
「制服だけでは空港の制限区域内に立ち入れないため、全日空では『悪用の心配はない』としている。」
って・・・
世の中にはいろんな「悪用」があるわけでして・・・

投稿: ヤボオ | 2005年6月 7日 (火) 23時43分

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» 敵ながら天晴。 [ひとめぼれ日記]
えー、個人的な主張ですが(このblog自体が個人的主張だということはおいといて) [続きを読む]

受信: 2005年6月 6日 (月) 13時09分

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