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2005年4月18日 (月)

四季「夢から醒めた夢」
その8 北澤裕輔見参

※今回のシリーズは激しくネタバレしますのでご承知おきください。

まだやるのか、と言われるかもしれませんが、はい。やります。 実は先日のトリプルヘッダー以降、もう1回観ているのでこれが5回目。キャストが4回目、5回目と同一だったのでまとめてアップする。

ピコ 吉沢梨絵
マコ 紗乃めぐみ
マコの母 早水小夜子
メソ 有賀光一
デビル 光枝明彦
エンジェル 藤原大輔
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 吉原光夫
部長 田中廣臣
老人 武見龍磨
老婦人 斉藤昭子
夢の配達人 北澤裕輔

ピコ、マコは吉沢梨絵×紗乃めぐみ。共演陣がだいぶ入れ替わった。目玉は「ライオンキング」で長年シンバを演じていた北澤裕輔が夢の配達人として参戦したことだ。 どうもアクの強い下村配達人に慣れきってしまったため、ほかの役者を受け入れられるかどうか不安だったが、なかなかいいキャスティングだった。若く、ハンサムな配達人はそれだけで目を引く。そして立ち姿が非常に美しい。下村に比べると動きの少ない表情が、最後までいい奴か悪い奴かわからない、つかみどころのなさを感じさせる。下村の場合はつかみどころがないというより、ぬるぬるしててつかみにくそうだ。

ただ、やはりセリフ回しは下村が数枚上手で、例えば終盤でマコを迎えにきたときに「マコ。もう時間だよ」と声をかけるあたりは、下村がその残酷な発言を精一杯の優しさに包み込んで放っているのに対し、すっと流してしまっているように聞こえる。だがそれは演技の解釈の問題かもしれないし、場数を踏めばさらに良くなっていくだろう。

また、彼のルックスをうまく生かしているのが、帽子のかぶり方だ。すこし目深にかぶり、照明の関係で常に顔が半分ぐらいしか見えなくなっている。

↓ちょうど「ドカベン」の不知火のような感じだ。

shiranui

この雰囲気が、ますますつかみどころのなさを増幅させている。

ほか、部長も広瀬広瀬明雄から田中廣臣にかわった。広瀬の巧まざる(本当は計算している)笑いのセンスとはまた違うが、こちらも若さを生かした大きな動きでなかなかの好演だ。

吉沢ピコは絶好調である。赤塚不二夫のまんがに出てくる女の子のような、元気なピコを力強く演じている。確かにラストの歌い上げなどでの声量不足は感じるが、「四季メソッド」の歌い方よりも、三木たかしの曲には彼女のようなナチュラルな歌い方のほうが似合うのではないか。花組としては木村ピコを、四季ヲタとしては樋口ピコを評価しなければいけないところだが、すっかり吉沢ピコが気に入っている。

紗乃めぐみは自信がついたのか、演技にも力が入ってきた。ただあまり自信満々になると、マコの性格と相容れなくなってくる。まあ役者に謙虚になれというのもナンセンスか。一度壁にぶつかったとき、どうなるかがポイントだろう。きれいな声なので、残ってほしい人材だ。

きょうのハプニング

ピコ、メソがマコを迎えにくるシーン。転換で降りるはずの暗幕が降りなかった。手動でおろしたり、代わりの幕を下ろしたりしたが混乱と音が漏れてしまった。舞台にハプニングはつきものなので、いちいち目くじらを立てるつもりもないが、どうもこう頻発するとやはり多作品同時公演のひずみが出ているような気がしてならない。

きょうの過ち

パスポート忘れた。4回目も、5回目も。

おもわず他の客のカバンからパスポートを抜き出して「僕のだ!」と叫びたくなった。

おかげでまだスタンプ1個だ。5回も見とるのに。

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