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2005年3月28日 (月)

四季「夢から醒めた夢」
その4 吉沢梨絵×紗乃めぐみ 

※今回のシリーズは激しくネタバレしますのでご承知おきください。

続いて3月26日(土)ソワレ。キャストは以下の通り。

ピコ 吉沢梨絵
マコ 紗乃めぐみ
マコの母 早水小夜子
メソ 有賀光一
デビル 光枝明彦
エンジェル 鈴木涼太
ヤクザ 野中万寿夫
暴走族 吉原光夫
部長 広瀬明雄
老人 武見龍磨
老婦人 斉藤昭子
夢の配達人 下村尊則

さて、今回初登場となる吉沢ピコ。劇団ひまわり出身で、97年には歌手デビューし、それなりの実績を挙げた後、文学座を経て2003年四季に参加。マンマ・ミーアのソフィや、コーラスラインのディアナなど、“途中入社”組には厳しい四季にあって、重要な役を任されている。そして今回ピコに大抜擢だ。

発表されたときは賛否両論、どちらかというと否定派が多かった。自分は吉沢の記憶があまりなかったので賛とも否とも言えなかったが、最近花ちゃんと同じ役を演じることが多かったので、花ちゃん目当てでチケットを取って、キャスト表を見たら「吉沢梨絵」になっていてがっかり、ということが何回かあった。そのため、本人に対してはまこと失礼な話ではあるがネガティブイメージになっていたのは確かである。

だが、この吉沢ピコは良かった。

どうしても花ちゃんや樋口麻美は保坂ピコのイメージを追ってしまうきらいがある。しかし、このピコは出発点をそこに置いていないように見えた。もちろん参考にはしているだろうが、最初から自分なりのピコ像を目指して臨んでいる。

とにかく威勢のいいピコだ。威勢が良すぎて、なんだか江戸っ子のがらっぱちな雰囲気になっている部分もある。しかしこのパワフルな演技で、舞台全体を引っ張っていた。周囲のベテラン役者もそれに応え、実に楽しそうに、いつも以上に力の入った演技、歌を見せており、全体的に熱気あふれる公演となった。

笑いを取るセンスも抜群で、間の取り方が非常にいい。マコに「1日だけ入れ替わってほしい」と言われ、思わずうん、とうなずいた後、しばらく間をおいて「・・・え"」というシーン。ここで側で聞いていた夢の配達人が思わずくすっ、と笑う演技をするのだが、なんだかこの時は素で笑っているように見えた。

歌には若干の課題がある。心配されていたように高音ののびが足りないため、「二人の世界」や「愛をありがとう」といった重要な見せ場で、やや物足りない感触を残してしまう。だが逆に持ち味である低音の響きが十二分に生きたのが、「誰でもないあたし」。極限までコブシを回さなくてはいけない「あーっこがれていたのっよーん」の部分は、最高にコブシが効いていて、思わず声に出して笑ってしまった。この一点においては保坂を超えている。

そして一方の紗乃めぐみ。この女優自体初見だが、芸大声楽科出身の美少女タイプというなかなかの逸材だ。とにかくぱっと見の可憐さがあるので、マコ役には申し分ない。もちろん歌も合格だ。吉沢も、すでに若くはないが(すいません)どちらかというと可愛いタイプの顔なので、このコンビはビジュアル的には高得点である。

新鮮味も手伝って、このコンビが今回観た3公演の中では最も心に残るものとなった。

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