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2004年10月 6日 (水)

東映特撮ヒロイン写真集「PINK」

99年末に発売された「BLUE」以来、5年ぶりに発売された東映特撮ヒロイン写真集(徳間書店)。

ハリケンブルーの長澤奈央、デカイエロー(ジャスミン)の木下あゆ美、そして爆竜戦隊アバレンジャーでアバレブラックと壮大なロマンスを演じた破壊の使徒・ジャンヌの桜井映里と、立て続けに魅力的なヒロインが生み出されているために、非常に充実した内容となった。

ジャスミンのセーラー服や、ハリケンブルーの和服、そしてタイムピンクの水着など、必要なポイントは確実に押さえている。編集者の非凡な才能と緻密なマーケティング戦略の成果と言えるだろう。

例え妻子がいようと、買わなければならない一冊だ。

ところで、戦隊に限らず、特撮ヒロインが萌え対象になったのはいつからだろう?

もちろん特撮ヒロインといっても数限りなくいるわけで、正確に検証するのは困難だが、それが萌え対象として商品化されるようになったのは、俺の知る限り1984年の「宇宙刑事シャイダー」のアニー(森永奈緒美)からではないかと思う。同年、数人の特撮ヒロインを集めた写真集「夢翔女」が朝日ソノラマから発売されており、その表紙を飾ったのが森永奈緒美だった。その本を書店で初めて見たとき、こういう写真集が出る時代になったのか、と驚いたのをよく覚えている。

アニー以前の特撮ヒロインは、強くて頼りになるお姉さんを目指しており、ビジュアル的にもそのベクトルは「かわいい」より「キレイ」を目指していた。その代表とも言えるのが、「人造人間キカイダー」でビジンダーを演じた志穂美悦子である。彼女らはあくまで、キレイでカッコいい存在だったのである。

もちろん、特撮番組にはかわいいヒロインも登場していた。しかしその場合は主人公と一緒に闘っているわけではない。「帰ってきたウルトラマン」の坂田アキ(榊原るみ)にしても、「太陽戦隊サンバルカン」の嵐山美佐(根本由美)にしても、どちらかというと萌え系キャラだが、それぞれ主人公のガールフレンド、長官の娘、という存在であり、物語の中心には位置づけられていない。

アニーの登場は衝撃的だった。それまでのヒロインとはイメージが根本的に違う。彼女もジャパンアクションクラブの出身なので、番組の中では志穂美悦子ばりのアクションをこなしていたのだが、どうも頼りなさが感じられて、それがあのベビーフィエスとあいまってすさまじい萌えパワーを生み出していた。(当時、まだ「萌え」という言葉はなかったけど)。あれ以来、特撮ヒロインの路線が確実に変わってしまった。もちろん、素晴らしいことだ。

その傾向が戦隊シリーズに見られるようになったのも、やはり1984年の「超電子バイオマン」からではないかと思う。これは偶然の一致だが、遅かれ早かれそういう傾向になったのだ、という歴史の必然も感じさせる。「バイオマン」は、シリーズで初めて女性隊員が2人になった。当然、その性格づけを変えることになるわけで、イエローフォー(ミカ→ジュン)は伝統的な強いヒロイン、そしてもう1人のピンクファイブ(ひかる)はぐっと女の子らしさを前面に出したキャラクターだった。アニーが鮮烈すぎてあまり話題にはならなかったものの、牧野美千子演じる「桂木ひかる」は勝るとも劣らない萌えキャラだったと思う。その後、戦隊ヒロインは萌え路線を突っ走り、日本一女性に嫌われる女、さとう玉緒もそこから生まれてくるわけだ。

それにしても、タイムピンクはもう少し評価されてもいいのではないか。タイムピンクはチームのリーダー格で、強さ、頼りがいを前面に出したキャラクターだった。しかし萌え路線を捨てたわけではない。結局萌え要素というのは矛盾、非整合性に発生するのだから、既定路線と逆方向を行ったタイムピンクは、結果的に、一層強烈な萌えキャラになってしまっていた。

というわけで、今日はまた一歩、後楽園ゆうえんちに近づいた。

toei

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コメント

志穂美悦子も妹系キャラで当時は売り出していたような。そういう意味では「萌え」対象だと思うんですが。
ただ、JAC出身だし、殺陣切れまくりで腹筋割れていたので、イマイチってのがあったんだろうけど。というわけでそれが確認できる「女必殺拳」みてくださいよ~。ストIIの春麗そのものだから。

出てくる時代が20年早すぎたと感じずにはいられないっすよ~。タランティオーノがパム・グリアと並んでスー・シオミをリスペクトする理由もよく分かります。

投稿: kunedog | 2004年10月 6日 (水) 06時00分

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