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2004年10月30日 (土)

トム・クルーズ×ジェイミー・フォックス「コラテラル」

現代のロサンゼルスを舞台に、完璧に仕事をやり遂げようとする殺し屋(トム・クルーズ)と、何とかその殺し屋の運転手という役目を逃れようとするタクシードライバー(ジェイミー・フォックス)が丁々発止の攻防を繰り広げる「コラテラル」(監督:マイケル・マン、脚本:スチュアート・ビーティー)が本日封切られた。

この映画のみどころは、何といってもクルーズとフォックスの演技の応酬だろう。タクシーという限られた空間の中で、2人の男がそれぞれの生き様をかけて火花を散らす。その緊張感は、さながら「モーニング娘。サスペンスドラマスペシャル『三毛猫ホームズの犯罪学講座』」の安倍なつみと保田圭の真剣勝負を観ているかのようだ。

いつしか2人の男の間には、立場を超えた奇妙な友情めいた絆が生まれるが、それを決して押しつけがましい形ではなく、ごく自然に、そして控えめに描いているところに好感が持てる。

一晩という短い時間設定の中で、テンポよく物語が進んでいくのも小気味良く、観る者を飽きさせない。これは「24」でもおなじみの、米国ドラマが得意とする手法だ。

この映画は決してコメディーというわけではないが、どのシーン、どのセリフもどこか笑いを誘う雰囲気にあふれている。特にクルーズの演技は、恐らく本人としては決して笑わせようとしているわけではなく、極めて大まじめに演じているのだが、それが何ともいえずおかしい。「ザ・エージェント」でも垣間見せた、巧まざる笑いのオーラだ。フォックスも「エニイ・ギブン・サンデー」などで決して派手ではないが実に印象的な演技を見せており、今回もクルーズと五分の勝負をしている。しかしその身にまとったオーラだけは、やはりキャリアの差というべきか。

95年に公開され、今なお名優同士の対決を描いた傑作として映画ファンの間で語り継がれている、今回と同じマイケル・マン監督の「ヒート」と後半部分の展開がやや似ているので、ハリウッド的な展開の苦手な人にはちょっと退屈に感じてしまうかもしれない。しかし「インサイダー」でアカデミー賞にもノミネートされたマン監督は、オーソドックスながらところどころに小技を効かせた演出で、役者たちの意気込みをストレートに観客に伝えることに成功している。

トム・クルーズファンにも、そうでない人にもお勧めの一本。

また一歩、「笑の大学」に近づいた。

makizoe

「コラテラル」公式ホームページ
http://www.collateral.jp/

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