Hello! Project 2004 summer ~夏のドーン!~
加護亜衣、辻希美がモーニング娘。を卒業。
予想どおり、カラっとした卒業式だった。Wとしてある程度今後の活動のレールは敷かれているし、ハロープロジェクトにも参加するだろうし、ハロー!モーニングにだって出続けるだろう。なっちの時は特別として、この2人の卒業に涙する理由はない。
だが、14人で最後に歌ったのが「I Wish」だったのにはちょっと涙が出てきた。後藤真希と、「花の4期」を前面に出したこの曲は、2001年に上演された最初のモーニング娘。ミュージカルでも大いに涙を誘った名曲だ。たしか、当時すさまじいヒット数を誇っていたファンサイト「Good Morning!」で、誰かがうまいことを言っていた。「この曲は、加護亜衣と辻希美の前途を示した歌だ。だって、I(亜衣)Wish(希美)だから」。結果的に、その通りになったわけだ。
そんなわけで卒業公演としてはなかなか良かったが、Hello! Projectとしての全体の構成には疑問が残った。
今年はシャッフルユニットがない。毎年夏のハローでは、まずシャッフルが総出演して大いに盛り上げるのが定番だったから、今年はどうするんだろう、と不思議だった。
そのオープニングは、意表をついて松浦亜弥の「GOOD BYE 夏男」。それもMCぬきでいきなりだ。なるほど、こういう手もあったか、と大いに驚いたが、いささか不安にもなった。
どうもその手法は、山田太郎が2年のときの夏の甲子園、対弁慶高校で土井垣監督が山田を1番に起用するという奇策に出たのに似ている、と直感的に感じたからだ。
その采配が裏目に出て、明訓高校は山田の入学以来初めて敗北するのである。
そしてその予感は的中した。シャッフルもなく、ぐっとユニット数が減ったハローのラインナップでは、娘。と松浦という2枚のカードが群を抜く強さだ。その1枚を切ってしまったため、後半への期待感が極端に落ち込んだ。しかも、松浦以外、ということは、娘。と娘。OB、ということである。もちろんメロンやBerrysもいるけれど、基本的には娘。コンサートの拡大版を観ている感じになる。こうなると、ハローらしい、お祭り気分は味わえない。
しかし他にどういう手があった、と聞かれても、確かに困る。この人が言うように、後藤真希の動きは実に良かった。冬のハローでもそれは感じたので、真希ちゃんトップでも良かったかもしれない。しかし、場を盛り上げる実力を比較すれば、やはり松浦の方が安心感がある。ハローは、途中盛り上がらない人も出てくるので、最初に極限まで会場のボルテージを上げる必要がある。それをできるのは、確かに松浦しかいない。
だが、別にソロにこだわる必要はないだろう。アンコールで、「Yeah!めっちゃホリディ」を出演者全員で歌ったが、それを最初にやっても良かったのではないか。
もっとも、今回の構成は、松浦に対する配慮でもあったかもしれない。いつも娘。の前に出て、会場をぐっと盛り上げる「セットアッパー」としての役割に、松浦としては不満だったろうから。
しかし、そういう贅沢な起用こそが、ハローの醍醐味なのである。
ベイスターズだって、佐々木をセットアッパーに使うぐらいのことをすれば、相手に与える脅威も増すし、年俸の高い選手を使う機会なく遊ばせる必要もなくなるから、一石二鳥のはずなのだ。なのに、どうもヘンな裏契約をしているせいか、そんな思い切ったこともできないようだ。
とにかく、構成の面白さを考えられないようなら、もうハローに興業としての価値はない。冬のハローでは制作の奮起を期待したい。あるいは、俺に任せて欲しい。
ところで、エコモニ復活したんだな。
また一歩、愛・地球博に近づいた。
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