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2004年7月11日 (日)

沢木順サロンコンサート

自称「日本で最も多くブロードウェイミュージカルに出演した男」、沢木順がホテルでサロンコンサート(ディナーショー)を行うというので、出かけた。

その称号については、まだ劇団四季に在籍していたころ、会報のコラムで他の劇団員が「どうもその中にはキャッツやオペラ座の怪人も入っているらしい。確かにそれらはブロードウェイでもやってはいるけれど、本番はロンドンだ」と指摘していた。そういうアイマイな大言壮語をためらわずに口に出す男、それが沢木順だというのである。

確かにコンサート会場の沢木順は、歌そっちのけでうさんくさいトークを繰り広げるインチキおじさんであり、その口調はガダルカナル・タカのようだ。今回も、違う歌を歌い出すわ、歌詞忘れるわ、マイクのスイッチ入れてないわで、とにかくそのステージには笑いが絶えない。

しかし、「ファンタスティック」でデビューし、「キャッツ」「オペラ座の怪人」「ジーザス・クライスト・スーパースター」など、数々の代表的なミュージカルに出演してきたキャリアは本物であり、歌、そして全身から漂わせるケレン味は日本一だと思う。自分にとっては、やはり国内随一のミュージカル役者だ。

そして、先週ここで触れた「自分がミュージカルを見始めたきっかけ」のひとつ、ジーザス・クライスト・スーパースターの公演を初めてみたとき、そこでユダを演じていたのがこの人だったのである。

シャンソン半分、ミュージカルナンバー半分という構成だったが、ミュージカルナンバーの部では「愛せぬならば(美女と野獣)」「ミュージック・オブ・ザ・ナイト(オペラ座の怪人)」など、ひととおりおいしいところを披露。これも先週触れた、「ヘロデ王の歌(ジーザス・クライスト・スーパースター)」まで小芝居つきで見せてくれるサービスぶり。さらには、実際に演じたことのない、レ・ミゼラブルでジャベールが歌う「Stars」まで聞かせてくれた。

その曲を歌うにあたり、興味深いエピソードが明かされた。「レ・ミゼラブル」の日本初演にあたり、翻訳家の岩谷時子氏が沢木順に「こんどレ・ミゼラブルというのをやるんだけど、ジャベールの役があなたにぴったりだから、オーディションを受けなさいよ」と言ったのだそうだ。

当時、彼は四季の看板だったのだから、それは断らざるを得ないだろう。しかし、一度観てみたかったものだ。

それにしても、楽しい時間だった。「お客様は神様です」とでも言わんばかりの沢木順のサービス精神。これこそエンターテインメントの本質であり、原点であると感じさせた。

先週、今週と、自分とミュージカルの出会いを思い出させる体験が続いた。何か意味があるのだろう、きっと。

js

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