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2004年7月 5日 (月)

レ・ミゼラブル in コンサート

今年の東宝は「ミス・サイゴン」があるのでドル箱の「レ・ミゼラブル」はできない。そこで考えついたのが(憶測)、このコンサートバージョンである。実際に出演している俳優たちが、舞台衣装をまとい、コンサート形式で劇中のナンバーを披露するというものだ。

このスタイルは、ロンドンでレ・ミゼラブル10周年を記念して行われたコンサートをそのまま導入したものである。しかし、あのようにイベントとして行うのはいいが、これを独立した興業として客に見せるというのはどうだろう。やはりミュージカルのダイジェスト版というイメージがぬぐえず、ファンの集い以上にはならないのではないか。そう思ったから、最初は行く予定がなかったのだが、ある情報を得てからどうしても行きたくなった。

それはゲストとして鹿賀丈史が参加し、ジャベールを演じる(歌う)、ということである。

下の記事で、自分のミュージカル原点が「ジーザス・クライスト=スーパースター」と「レ・ミゼラブル」であると書いた。その2つに連続して触れることになったのは偶然とはいえ奇妙なものだが、その87年のレ・ミゼラブル初演で強く印象に残ったのが岩崎宏美のファンティーヌと鹿賀丈史のジャベールである。

岩崎ファンティーヌは、日本10周年のときから復活してくれたが、鹿賀は再演からバルジャン役に専念してしまったため(初演では、滝田栄と鹿賀がバルジャンとジャベールを交互に演じていた)、観ることができなかった。なので、このゲスト出演は嬉しい。最近、このコンサート上演といい、昨年の妙なキャスティングといい、今年のミス・サイゴンのもっと妙なキャスティングといい(そもそも何でミス・サイゴン?)、東宝の姿勢には疑問を感じまくりなのであるが、このナイスな配慮には心から感謝したい。

全体の出来としても行く前の予想よりずっといい内容だったが、鹿賀丈史のジャベールは想像以上に素晴らしかった。

ジャベールはバルジャンよりも歌いやすい(バルジャンはタイトルロールのコルム・ウィルキンソンの声に合わせて、相当テノールなスコアになっている)ということもあるのだろうが、実に声がよく通って、バルジャン役の今井清隆と堂々とわたりあっていた。これならすぐに“現役復帰”しても大丈夫だ。いや、すぐにしてほしい。とにかくこのジャベールは、やはり最“怖”のジャベールだ。近寄りがたい、というより絶対に近づきたくない雰囲気を漂わせている。それでいて、その威圧感の向こうには、何か言葉にならない悲しみを感じさせる。いい。本当にいい。ロンドンの10周年コンサートで、「日本代表」として「民衆の歌」の1小節を歌ったところ、歌唱力のなさを露呈してしまい「日本の恥さらし」とまで酷評された鹿賀だが、ジャベール役なら世界に誇れるのではないか。

ところで、レ・ミゼラブル最強キャストはどういうものか、という議論はこれまでも様々な掲示板などで繰り広げられてきた。自分もいろいろ考えてきたが、難しいのは「組み合わせ」という視点であり、最強のバルジャンと最強のジャベールを競演させてもいい結果にはならない、という点だ。そんなわけで、自分なりの最強キャストを、下記3パターンで披露しよう。

1.初演キャストベース

ジャン・バルジャン 滝田 栄
ジャベール 鹿賀丈史
エポニーヌ 島田歌穂
ファンテーヌ 岩崎宏美
コゼット 斉藤由貴
マリウス 野口五郎
テナルディエ 斎藤晴彦
テナルディエの妻 鳳 蘭
アンジョルラス 内田直哉

初演プリンシパル・キャストそのままである。やっぱりこれは良かった。
「島田歌穂」という名前を見たとき「ロビンちゃんだ!」と叫ぶことはできなかったが、
「内田直哉」という名前を見たとき「デンジグリーンだ!」と叫ぶことはできた。
それをできたのは、日本でも俺を含めて5人ぐらいだと思う。

2.10周年記念キャストベース

ジャン・バルジャン 山口祐一郎
ジャベール 川崎麻世
エポニーヌ 本田美奈子
ファンテーヌ 岩崎宏美
コゼット 純名里沙
マリウス 石井一孝
テナルディエ 笹野高史
テナルディエの妻 前田美波里
アンジョルラス 岡幸二郎

笹野は実際には10周年キャストに入ってないけど、ずるくてガッツのある実にいいテナルディエだったので、こちらに入れた。川崎ジャベールは、最初の年は素晴らしかったけど、2年目以降失速してしまい残念。

3.四季OB&21世紀キャストベース

ジャン・バルジャン 今井清隆
ジャベール 鈴木綜馬
エポニーヌ 笹本玲奈
ファンテーヌ 井料瑠美
コゼット 堀内敬子
マリウス 山本耕史
テナルディエ 三遊亭亜郎
テナルディエの妻 森久美子
アンジョルラス 坂元健児

まあ滝田、鹿賀、岡に川崎も四季OBには違いないのだけれど。
山本耕史マリウスは、絶対にまた観たい。笹本、坂元の2人はちょっとオマケかな。三遊亭亜郎の名前を見たとき、「あっテレビ東京の深夜番組『アイドルを探せ!』でデビュー間もない松浦亜弥主演のミニドラマ『亜弥のDNA』で刑事役の1人だった人だ!」とはさすがに叫ばなかった。念のために言っておくと、鈴木綜馬とは芥川英司である。

乗ってきたので妄想編も。もしサー・キャメロン・マッキントッシュが東宝ともめて、「もうレ・ミゼラブルは四季に売る」といったらどうなるか。

4.四季現役メンバー編

ジャン・バルジャン 芝 清道
ジャベール 高井 治
エポニーヌ 濱田めぐみ
ファンテーヌ 保坂知寿
コゼット 木村花代
マリウス 荒川 務
テナルディエ 下村尊則
テナルディエの妻 青山弥生
アンジョルラス 石丸幹二

ちょっと日和ってるかな。とにかく、木村花代のコゼットが見たい。正直、それ以外はどうでもいいと思ったが保坂ファンテーヌはちょっと見たくなってきた。青山マダム・テナルディエは「世界最小」になるだろう。

しかし、もし四季が「今さらレ・ミゼラブルなんて買いたくない」と言ったら、ライブドアのように突然買収に名乗りを上げるところがあるかもしれない。もし、それが劇団☆新感線だったらどうなるだろう。

5.新感線編

ジャン・バルジャン 橋本じゅん
ジャベール 粟根まこと
エポニーヌ 羽野晶紀
ファンテーヌ 高田聖子
コゼット 杉本恵美
マリウス 河野まさと
テナルディエ 逆木圭一郎
テナルディエの妻 古田新太
アンジョルラス 右近健一

真っ先に決まったのが古田のマダム・テナルディエ。おかげで右近の出番がなくなってしまったので、アンジョルラスを演じてもらうことにした。河野マリウスとか、橋本バルジャンとか、けっこうよくない?
いかん、ちょっと観たくなってきてしまった。

いくらなんでも、今回はマニアックすぎた。反省。

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コメント

粟根さんのジャベールなんて、メガネがきらっと光りそうでいいっすね。本当にみてみたいです。
古田さんがティナルディエの妻なら、粟根ティナルディエも面白そうだけど。まじでみぐるみはがれそう・・・。

投稿: はにわ | 2004年7月20日 (火) 23時55分

橋本さとしが戻ってきてくれりゃ、アンジョルラスができるんだけどなあ。

投稿: ヤボオ | 2004年7月21日 (水) 01時04分

うわっ!それめちゃカッコイイですね!橋本アンジョルラス。
すげーみたいかも・・・。まあ、無難に川原さんあたりにすごい殺陣つきのアンジョルラスを・・・
そうそう!「ミス・サイゴン」の橋本エンジニアみたいんですよね。ヤボオ兄さんはいかれないのですか?

投稿: はにわ | 2004年7月25日 (日) 22時42分

そうか、橋本アンジョルラスは、まんざら可能性がないわけではないんだな。

ミス・サイゴンは、まあ1回ぐらい観ようと思っていますが、橋本エンジニアはちょっと観たくありません。

投稿: ヤボオ | 2004年7月26日 (月) 01時35分

>「日本の恥さらし」とまで酷評された鹿賀だが

はぁ、そうだったのですね。
当時の事は存じ上げませんが、DVDを見るかぎりでは「あー、一番きついキーの辺りを割り当てられてるなぁ」と言う感じでした。
自分が声楽畑なので、まぶたの辺りに苦労が忍ばれちゃうんですよね(^_^;)

投稿: はるぺる | 2005年7月 6日 (水) 15時28分

今回の記念キャスト公演はなかなか良かったですよ、新しいジャベール像に挑戦してて。ベテランなのにさすがです。

投稿: ヤボオ | 2005年7月 7日 (木) 01時11分

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