ジョン・ラセター「トイ・ストーリー2」
東京ディズニーランドの新アトラクション「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」のオープンのプロモーションのため、テレビで放送された。確かにインパ(マニア用語)の前に久しぶりに作品をおさらいしておくのは悪くないと思いビデオに撮って視聴。
それにしてもラセターの仕事にハズレはない。全体の構成、スピード感がいつも素晴らしい。CGクリエイターとして、というより、映像作家として、そして映画監督として希有な才能の持ち主だ。
もちろん、言うまでもなくCGクリエイターとしては世界一だ。キャラクターが見せる喜怒哀楽の豊かさには圧倒させられるが、特に悲しい表情が秀でていると思う。「トイ・ストーリー」で、バズ・ライトイヤーが自分がおもちゃだと気付いてしまうシーンには何ともいえない哀愁が漂っていたし、この「2」では、カウガール人形のジェシーが、持ち主だったエイミーとのつらい思い出を歌うシーンが、本当に涙を誘う。
そのラセターが所属する製作会社ピクサー社と、ディズニーはこのほど縁を切った。ピクサーのトップは言わずとしれたスティーブ・ジョブズである。まあ金でもめたのか、ディズニーの高慢な態度に業を煮やしたのか、たぶん両方なんだろうが、ジョブズが捨てぜりふとして「お前ら、俺たちの力を借りなけりゃ『ブラザー・ベア』なんてのしか作れないんだろう?」と言ったとか言わないとか。キツイ一発である。
ディズニーのアニメーション製作能力が低下しているのは誰の目にも明らかなんだが、何も「ブラザー・ベア」を引き合いに出さなくても・・・
ところで今回の放送では、最後に「隠れキャラ」として、「2」の中にバグズ・ライフのキャラクターが登場していることを紹介していた。が、ほかに、ラセターが1988年にアカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞した「ティン・トイ」の1シーンが、ほんのコンマ何秒か登場している部分がある。それに気付いたのは全世界で何人いたことか。もはや俺の眼力はハリウッド級である。
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コメント
先日「スクールオブロック」を観にいったら、
かなりおいしい役で、ジェシーの声をやった
ジョーン・キューザックが出てましたよ。
やっぱこの人、かなり面白いっす。
主演のジャック・ブラックも、デブ嫌いの私の心を
かなり揺さぶるいいキレっぷりでした。
映画自体も、出来のいいミュージカルでしたよ。
ラストの演奏シーンで拍手が出たのは、
「ムーラン・ルージュ」を観た時以来の経験でした。
ポップコーンは飛ばなかったけど。
投稿: はに倭 | 2004年5月18日 (火) 23時20分