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2004年3月21日 (日)

押井守「イノセンス」

「攻殻機動隊」以来の押井守監督作品。意外に、面白かった。

体のほとんどを機械化する人間が一般的になる一方で、人間そっくりな機械が増殖する時代を背景に、あいまいになった人とロボットの境界線を描き出す。カギになるのは、人の意識の中にある「ゴースト」と呼ばれる存在。ゴーストというのは「『魂』や『霊魂』と近い意味を持つ、『個』を限定する因子のこと」(パンフレットの解説より)だ。

人とロボット、というのは「禁断の惑星」以来さんざん追求されてきた古典的なテーマだ。「機動警察パトレイバー 劇場版」で、1980年代にしてハッカー犯罪を正確に予見してみせた押井守が、ここに来てこの古めかしいテーマに取り組む意味は重い。

もっとも、エンターテイナーとしての押井の才能は、そのパトレイバー劇場版をピークに下降線をたどっていると思う。
それを映像作家としての才能でカバーしているため、絵のことしか分からないアメリカ人にも評価されているわけだ。前作は、エンターテイナーと映像作家の2つの才能がせめぎあっていて、どうも中途半端な印象だった。

今回は、より映像作家側に傾くことは分かっていた。だから、いい作品だろうと期待はしていたが、自分好みの作品だろうというワクワク感はなかった。

その予想は外れてはいなかったが、しかし思っていたよりはエンターテイメントだった。それはつまり、エンターテイメントに向かうのが押井守の「ゴースト」だからだろう。

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コメント

「イノセンス」、実はまだ見ていないんですが、、、

この作品がエンターテインメント寄りなのだとしたら、プロダクションIG社長の石川光久がプロデューサーをやっているからってのも大きいのではないでしょうか。

アニメ映画としては相当の金を使って作っただけに、作家性も重要だけど、売れるものを作らなければいけない。

押井のギャラを半分に値切っているような人だから、作品のないように関しても相当注文を出しているはず。

投稿: kunedog | 2004年3月21日 (日) 22時15分

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