2009年6月27日 (土)

映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」

でもすいません、逃げます。

これほどの圧倒的な作品について、感想めいたものを述べられるほど俺は自信家じゃない。そして、それだけの知識も分析力も表現力もない。全然足りない。俺は今まで何をやってきたんだ、というぐらい、無力感を痛切に感じる。ただただ、すごかった。面白かった。楽しかった。そんなコドモみたいな言葉しか出ない。それが恥ずかしくて、結局沈黙するしかない。

「LCLの中」

途中、かなり救いのない展開にもなるが、この映画を観ている間、自分は妙な心地よさを感じていた。劇中、碇シンジがエントリープラグの中にいるとなぜか落ち着く、と口にするが、まさにその感覚だ。なぜかと言うと、ここには庵野秀明総監督が幼少のころから体験してきた、昭和40年代から平成20年代までのありとあらゆるアニメーションや特撮その他のポップカルチャーが生み出してきた文脈・文法を、これでもかとばかりに詰め込んでいるからだ。さながら日本オタク文化のアカシック・レコードである。もちろんそれらを知らなくてもこの映画を楽しむのに何の支障もないし、自分も2~3割ぐらいしか分かってないと思う。しかし、多少なりとも分かっている身にとっては、感動や興奮よりも、どこかホームタウンにいるような安心感が先に立つ。LCLの満たされたエントリープラグの中にいるように、これまで自分が愛し、自分を育んできたものに包みこまれているようだ。

「ありがとう」

いま、とにかく自分の中にあるのは感謝の言葉だ。もちろん、庵野総監督を始め、この作品を生み出してくれたスタッフ・キャストへの感謝もある。が、それだけじゃない。この日本に生まれてきたこと、そしてこの時代を生きられたことへの感謝。海外でも注目されることは間違いないだろうし、エヴァンゲリオンが今後歴史に残るものになることも確実だ。だがやはりこの映画を一番楽しめるのはこの国で、この時代を生きている自分たちにほかならない。だから本当に感謝したい。

「ポップカルチャーの域を超え、神話に近い存在に」

この「新劇場版」がエヴァの作りなおしにとどまらないことは、今回の「破」を見てみんなが納得したことだろう。庵野総監督らは、日本の40年間のポップカルチャーの集大成を作ろうとしているのだ。そこにできるものは、もはやポップカルチャーではないだろう。ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズを「新たな神話を作る」としているのと同じレベルに立っている。今年、来年にはすぐに出来ないであろう続編が今から楽しみになるのも、スター・ウォーズと同様である。

とにもかくにも、エヴァを見たことがある人ならすぐに劇場に直行、見たことがない人はテレビシリーズと「序」を復習した上で劇場へ行くべし。日本の誇るエンターテインメントが、そこにある。

新キャラクターの真希波・マリ・イラストリアス。坂本真綾って偉大だわ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」公式ウェブサイト
http://www.evangelion.co.jp/index.html

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2009年6月20日 (土)

四季「春のめざめ」谷口ベンドラ いいんじゃなーい?

ベンドラ 谷口あかり
マルタ 撫佐仁美
テーア 岸本美香
アンナ 松田佑子
イルゼ 石塚智子
メルヒオール 柿澤勇人
モリッツ 三雲 肇
ハンシェン 一和洋輔
エルンスト 竹内一樹
ゲオルグ 白瀬英典
オットー 玉井晴章
大人の女性 都築香弥子
大人の男性 田代隆秀
女性アンサンブル 玉石まどか、勝間千明
男性アンサンブル 加藤 迪、南 晶人

開幕から1月以上経過し、ついに新ベンドラ登場だ。

「春のめざめ」四季版にはおおむね満足しているものの、初回に見たとき感じた「女優陣が弱い」という点は、なかなか改善されなかった。前回観たとき、岸本テーアの投入でちょっと雰囲気が変わったと感じたが、やはり問題はベンドラだ。林香純のベンドラは、歌はうまいが見た目の雰囲気がベンドラらしくない。何べんも言うけど、俺のベンドラ基準はこの子だからね。ハードルはむちゃくちゃ高いのだ。

谷口あかりは、前回ロビーで目撃して、雰囲気はバッチリだなあ、と思っていた。しかしベンドラやその同級生の、ノーメーク(に見えるメーク)とあの古臭い衣装を着たときどう見えるかは未知数だった。

開幕とともに舞台に登場し、椅子に下着姿で立った谷口ベンドラ。

「ほおーう・・・」

俺だけでなく、客席全体からため息が漏れた(ように感じた)。いける。こいつはヒットだ。

正直なところ、女子高生に見えるかっつったらそりゃ疑問で、林同様ちょっと大人っぽい印象はある。しかし、顔つき、体つきがベンドラの危うさ、はかなさを伝えるのにぴったりだ。

舞台が進むにつれ、ついベンドラを視線で追ってしまう。そうそう、この感覚。男なら中学生ぐらいのとき、学校ではだいたいクラスの女子を目で追っていたと思うが、その感覚が蘇ってきた。まあ他の作品を見るときは当たり前なんだけどね、俺の場合。何しろ正常ではない観劇姿勢ですから。

歌は林に一歩譲る。意外に低音が響くので、歌い方はあまりベンドラっぽくないかもしれない。演技はまだ硬いが、序盤の母親とのやりとりではそれなりに笑いも取れていたので、今後の伸びは期待できそうだ。

ということは、今のところ評価すべきは見た目だけ、ということか?

あえて言おう。その通りである。そして、それはこの作品では重要なことなのだ。

この「春のめざめ」は、「A Rock & Roll Fable(ロックンロールの寓話)」だと思う。この言葉は、ウォルター・ヒル監督の1984年のヒット映画「ストリート・オブ・ファイヤー」の冒頭にかかげられる言葉だ。

この作品は寓話にすぎない。19世紀末時点では、これはリアリティーあふれる物語だったのかもしれない。しかし21世紀の今となっては、10代の性の目覚めであそこまで悩む子供も大人もいないだろう。児童虐待や若者の自殺には悲しいことに今もリアリティーがあるが、そこはこの作品の主たるテーマではない。

この作品のテーマはあくまで10代の性の悩みであり、そしてそれはもはや都市伝説化している。そう考えると、この作品にはそもそもテーマがない。あるのはただ、カッコよく歌い踊る若者たちだけだ。それを素直に楽しむのが、「春のめざめ」の正しい鑑賞法であると自分は考える。

四季は、記者会見や宣伝で「命の大切さを訴えるという意味では、『こころの劇場』と同じ」とか言っていた。大ウソだ。恐らく、この作品を上演したいと考えた劇団内の一派が、上層部を説得するためにでっちあげたものだろう。そしてそれがそのまま、エンターテインメントより芸術性・文学性を求める日本の演劇界に対する言い訳にもなる。

寓話である以上、その登場人物は見た目からして分かりやすいほうがいい。メルヒオールとベンドラは美男美女であるべきだ。モリッツはダメさ加減がにじみ出ているべきだし、ハンシェンは怪しくなくてはいけないのだ。

そういう意味で、今回の舞台はやっと「役者がそろった」という印象を受けた。舞台自体の吸引力が、さらに増したと感じた。いつもは途中ちょっと眠くなるシーンもないではないのだが、ずっと集中力を維持することができた。

ベンドラ以外にも初見キャストが。石塚イルゼはどうだろう。石塚智子って、昔「コーラスライン」とかに出てた石塚智子だろうか?さらに、昨年の「CHICAGO」日本人キャスト公演にもその名前があるけど、同一人物か?いずれにしても、あまり強い印象がないのである。この舞台では、歌もうまいし、演技にも熱が入っていた。しかし、やはり金平真弥があまりにも強烈すぎたため、どうも物足りない感が残ってしまう。金平の声と演技には、あばずれた中にも慈母の情が感じられ、それがモリッツとの最後の会話のシーンで観客の胸を打つのだ。

大人の女性は都築香弥子、大人の男性は田代隆秀にそれぞれ交代。中野今日子・志村要コンビ同様、ベテランの技が冴え渡る。田代は演じる役によって本当に別人のように見えた。さすがである。

新ベンドラを迎え、舞台全体が活性化していたように思えた。岸本テーアは子供おばちゃんぶりに磨きがかかり、ハンシェン・エルンストのディープキスはさらに激しさを増してきた。この日はほぼ満席だったが、平日は空席も多いと聞く。ぜひここでもう一度加速度をつけて、この自由劇場での公演を大成功させてほしいものだ。それが四季の未来を開くことになるはずだから。

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春のめざめ ホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/springawakening/index.html

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2009年6月13日 (土)

四季「ソング&ダンス~55ステップス~」鈴木ほのか他1名登場

ヴォーカルパート 渡辺 正、村 俊英、李 涛、井上智恵、鈴木ほのか、
花田えりか
ダンスパート 川東優希、斎藤准一郎、松島勇気、徳永義満、加藤敬二、
成田蔵人、金久 烈、神谷 凌、前田順弘、
加加藤久美子、駅田郁美、杏奈、須田綾乃、柴田桃子、
柴田厚子、坂田加奈子、高倉恵美、今 彩乃、泉 春花

先週から名古屋の55ステップに鈴木ほのかが登場。これは朗報だ。鈴木ほのかの四季への参加が、マンマ・ミーア!だけで終わってしまったらさびしいと思っていた。しかも、ソング&ダンスへの出演、ということは、今後も四季の作品に出るという期待も大いに高まってくる。

こりゃ名古屋に行ったらぜひ観なくてはと思っていたら、今週さらに新キャスト。びっくり仰天の「渡辺正」ときたもんだ。こもった歌声で苦しそうに歌うことで、「マンマ・ミーア!」のサム役や「アイーダ」のラダメス役で悪評をほしいままにしてきた男である。それが「ヴォーカルパート」の筆頭に挙がっている。つまり、芝清道や阿久津陽一郎のパートだ。いったい何の冗談だろう。これはこれで観なくては、と、ほのか様とは微妙に異なる興味を抱いて名古屋ミュージカル劇場へ。

ほのか様は期待通り、いや、期待以上だった。美形とナイスバディはもちろんだが、その歌声の素晴らしさを四季ファンに強烈にアピールする結果となった。ほのか様の声は、デビュー当時はどちらかというとかわいらしい、細めの声だった。それが長年のキャリアと、おそらく本人の修練の結果、実にボリュームのある声へと生まれ変わった。しかし、デビュー当時の可憐な声も実はまだ健在なのである。それを示したのが「メモリー」だ。多くのグリザベラ役者は、張りのある太い声で歌い始めるが、ほのか様は最初シラバブかと思うほど、細い声で歌い始めた。そして次第にその年輪を感じさせる声に変えていき、また細い声に戻したり、と、曲の中で声のトーンを自在に変化させていた。まさに、それは鈴木ほのかという女優のこれまでの軌跡を象徴している歌声であり、同時にそのイメージがグリザベラの平坦ではなかったであろう人生(猫生?)とぴたりと重なる。グリザベラそのものがここにいる、と感じた。歌いあげる声量は、早水小夜子にはかなわないかもしれない。しかし、最後の「ほら、見て」の一言がずしんと胸に響いた。こんな経験は久しくなかったかもしれない。ほのかグリザベラ、何としても横浜で見たい。これは絶対に。

李香蘭の「二つの祖国」も良かった。やはりここでも、東宝と四季という、2つの世界を渡ろうとしている鈴木ほのかの存在が李香蘭のイメージにだぶる、というのはちょっと強引すぎかな。

一方の渡辺正。思わず渡辺正(笑)と書きたくなってしまうほど、自分の興味は「いかに笑わせてくれるか」だった。しかし、最初の曲「ようこそ劇場へ」は、本来彼のパートの曲なのに、村俊英が歌った。あれえ。同様に、二幕初めの「夢を配る」は李涛が。重要な曲を他のパートに任せてまで彼を登場させる四季の狙いって一体…。

そんなわけで、彼のソロがやっと聞けたのは「アイーダ」のナンバー「星のさだめ」。相変わらず苦しそうに歌うので、ちっともロマンチックじゃない。しかし、これは本番の舞台を観ているから、さほど驚かない。続く「ノートルダムの鐘」の「トプシー・ターヴィー」は、これは歌が歌だから、あまりそれが気にならない。そう、さかさま祭りだからね。歌のまずい人が(あっ言っちゃった)ミュージカルでソロを歌う、というのもありなのかも。これぞ「道化の祭り」だ。

二幕に入っても相変わらずで、「エビータ」の「飛躍に向かって」では、苦しそうな歌声にぎこちない動きがプラス。こんなチェ・ゲバラがいたら、キューバ革命は成功していなかったと思う。

最後の見せ場「スーパースター」は相当心配していたが、実はそれほど悪くもなかった。歌いだしはちょっとずっこけたが、ノってくるにつれて、それなりにサマになって見えてきたのだ。やはり「ジーザス・クライスト=スーパースター」はロックである。芝や阿久津がいかに歌がうまくても、彼らの歌い方はロックではない。じゃあ渡辺正の歌い方がロックかと言われれば、「ちゅらさん」のジョージ 我那覇に「それはケイタツ、ロックじゃナイよ」と言われてしまいそうだが、そもそも歌のまずい人が(また言ったな!代表にも言われたことないのに!)ミュージカルの舞台でソロを務めるという状況は、ある意味でロックである。だから、何となく受け入れられてしまったのかもしれない。

というわけで、出番が少なかったこともあり、期待していたほどのショックもダメージもなかったが、自分のようにハナから笑いにきている不謹慎な客はともかく、普通にこの作品を鑑賞したい人には、やはり不満は残ると思う。作品主義を尊重するなら、変えるべきだろう。個人的には渡辺正嫌いじゃないので、もっといろんな作品で観たいとは思うが、彼が立つべきはこの舞台ではないはずだ。

しかし、なんだかんだ言って公演自体はなかなか満足のいくものだった。村はやはりカッコいい。その歌声には男の色気というか、艶がある。それが数々のナンバーでいかんなく発揮され、改めてファンになった。スターライトエクスプレスもぜひ上演してほしいものだ。

松島勇気が参加したことで、細かい場面にシャープさとちょっとした笑いが添えられたことも大きい。加藤・松島のコンビはセリフや歌でなく「動き」で観客を魅了できるのが実にいい。高倉恵美もいつも通りキレイだ。

まあ、渡辺正そんなに嫌いじゃないよ、という人以外にはあまり強く勧められないが、鈴木ほのかが出ているうちに、ぜひ多くの人に見ていただきたいところではある。

「ソング&ダンス」WEBサイト

http://www.shiki.gr.jp/applause/songdance55/index.html

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SKE48 チームKⅡ 1stStage「会いたかった」初日

SKE48が名古屋に誕生して以来半年あまり、早くも新チームが誕生。これに伴いすでに活動しているメンバーを「チームS」、新チームを「チームKⅡ」と呼称することになった。ⅡがついているのはもちろんAKBのチームKとかぶるからである。

昨年のチームSの初日は、当日現場での抽選入場というリスキーなものだったが、幸運にも参加することができた。そして今回は事前のメール抽選で当選。なんともありがたい。

SKEについては、昨年10月の「Partyが始まるよ」初日公演と、その東京公演についてエントリーしているが、Party公演はその後もういちどサンシャイン栄で見ている。ノースリーブスが飛び入り参加したときだ。だが2ndStage「手をつなぎながら」は栄で見たことがなく(初日に応募したが、さすがに落選)、先週の東京公演で初めて観た。SKEの充実ぶりを目の当たりにできたすばらしい内容だったが、エントリーを上げそびれた。

「手をつなぎながら」は、セットリストが明るく元気な曲が中心であり、当初は無理してキャラを作っている感じがあったメンバーも、いい意味で地の色が出てきていて、観ていて本当に楽しかった。ダンスやボーカルのスキルの高いメンバーもその力を発揮してきている。

そんなわけでSKEへの期待が大いに高まる中での新チーム披露だ。わくわくしながら名古屋へやってきた。

初日に2度も当選するという恵まれすぎた状況にいるためか、入場順の抽選はいつも後ろのほうで、実はSKE公演は一度も座ってみたことがない。SUNSHINE STUDIOは立ち見だと非常にみづらい。初日のときなど、プレスのカメラが入っているため、会場にいながら事実上モニターで観戦していた。入れただけで幸運だったので不満はなかったが。

しかし、今回は驚きの7巡目入場。この段階ですでに座席は7割近く埋まっていたが、トイレ近くの通路際席という自分好みのポジションをゲットできた。

KⅡデビュー公演のセットリストは「会いたかった」。チームAの2ndStageとして作られ、チームBの2ndStageにも使われた。いきなりユニットから入るという異例の構成だが、「桜の花びらたち」「スカート、ひらり」「会いたかった」「Dear My Teacher」など初期の名曲が並び、さらに「嘆きのフィギュア」「ガラスの I Love You」など個人的に好きな曲も多く、大いに気に入っているセットリストだ。考えてみれば、自分が最初にAKBを観たのもBの「会いたかった」公演だった。

15時、ほぼオンタイムで公演スタート。開演前の影アナは古川愛李。オーバーチュアに続き、1曲目「嘆きのフィギュア」がスタート。前奏前に板付きのメンバー4人に順々にスポットライトが当たっていくが、通常はそこでそのメンバーへの声援が飛ぶ。しかし、今回はまだメンバーの顔と名前が一致しない。「おお」とか「だれー」とか、微妙な声が乱れ飛んでいた。AKB劇場では、この曲は照明をかなり落とし、ミステリアスな空気で演出されているが、今回は全体的に明るめ。また、AKB劇場名物のステージを分割して上下する仕組みもないため、若干迫力に欠けた。歌やダンスの実力は、まあこんなものだろうという感じだった。

続く「涙の湘南」。さほど好きな曲というわけではなかったが、印象が変わった。これは良かった。B2ndどころか、A1stも超えてしまったかもしれない。その原動力となったのは2人のメンバー。佐藤実絵子と古川愛李である。

佐藤実絵子はチームSに「最年長メンバー」として加入したが(現在22歳)、2ndStageでまさかの研究生落ち。年齢的に考えるとそのまま卒業してもおかしくなかったが、KⅡメンバーとして復活。見上げた根性の持ち主だ。歌のうまさはS時代から定評があり、その実力をこの曲は十分に引き出していた。そして古川。柏木由紀(チームB)や佐藤すみれ(研究生)と同様、モーニング娘。オーディション落選者である。その後、エイベックスのオーディションやアニソングランプリにも出ており、アイドルになりたい欲求は極めて高いようだ。そのおかげで、佐藤すみれ同様すでにアイドルのオーラが完成されており、ひときわ強い存在感を放っていた。しかも、歌が相当うまい。この佐藤実絵子、古川のボーカルによって、異様に力の入った「涙の湘南」となった。

その興奮冷めやらぬうちに「会いたかった」突入。いい流れができた。本来、この衣装は青いワンピースのはずだが、制服チックなものにかわっていた。どこかで見たような衣装だが、思い出せない。会場の雰囲気が最高潮に達したところで再びユニットへ。注目の「渚のCHERRY」黄色パート(前田敦子や渡辺麻友など、チームのエースポジション)は向田茉夏。なんとなく「うしろ髪ひかれ隊」の斉藤満喜子を思い出させる風貌だ。そういえばKⅡには「斉藤真木子」というメンバーもいて、彼女は℃-uteの萩原舞に似ている。わけわからん。

後半の全体曲、そしてもりだくさんなアンコールまで、一気に突っ走った90分。もともと勢いのあるセットリストだが、非常に充実したいい公演だった。

まだほとんどのメンバーの顔と名前が一致しないが、みな自己紹介MCもそつなくこなしており、チームSのときのような初々しさより、ある程度出来上がっている印象を受けた。たった2カ月でここまで成長できるものなのか。すでにAKBメソッドはマニュアル化されたと考えていい。

チームKⅡで面白いのが年齢構成だ。初日時点での年齢構成はこうなる。

12歳
13歳 ●●●●
14歳 ●●
15歳 ●●
16歳  
17歳 ●●
18歳  
19歳
20歳  
21歳  
22歳 ●●●
23歳

アイドル年齢のスイートスポットである、16歳~18歳を見事に外している。若いメンバーが多いのはおそらく、1~2年後にピークを持ってこようという長期視点だろう。それは分かる。注目は22歳以上が4人もいることだ。チーム発足時にこれだけエルダーなメンバーがいたのはAKBの歴史から考えても異例のことではないか。

若いメンバーとのバランスをとる、という意味もあるのかもしれないが、年齢的に2つのグループを作って、チーム内に2つのカラーを作りだす作戦かもしれない。これはちょっと面白い展開になりそうだ。

最年長の前田栄子は、佐藤実絵子よりも年上だ。佐藤はSで「お姉さん」キャラだったが、その年齢を逆手に取るような器用さはなく、若干の痛々しさが感じられたむきもある。しかし、このチームでは最年長でなくなり、お姉さんという縛りを逃れて自分のよさをストレートに出す境遇を得た。そして、最年長になった前田は、自分の年齢をネタにして笑いを取れるキャラクターである。この公演でもさっそく年齢ギャグを展開していた。「リオの革命」で踊り狂う様はそこだけさながらジュリアナ東京のようだ。

チームKⅡ、かなり目の離せない存在である。チームSの「手をつなぎながら」もまた観たいし、今年は名古屋に泊まりで来て2日連続サンシャイン栄、というケースが増えそうだ。抽選当たればですけどね。それも含めて楽しみが増えた。

SKE48の公式WEBサイト

http://www.ske48.co.jp/

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2009年6月 6日 (土)

AKB48 シアターGロッソ公演「夢を死なせるわけにいかない」

AKB48の「第二劇場」として、東京ドームシティ内シアターGロッソでの公演が4日からスタートした。初日は平日なので、週末を待って参戦だ。

この2週間ほどいつもより余計に体調悪く、特に金曜朝は地下鉄の通路で前後不覚になり倒れこんでしまった。これは死ぬかもしれないと思い、携帯からブログに気のきいたことでも投稿して死のうと思ったが、いまいちいい文句が浮かばず、必死で考えているうちに回復した。あの集中力がなければ意識を失っていたかもしれないので、このブログも役にたったといえる。だが、最後の文句はあらかじめ考えておいたほうがよさそうだ。

さて、そんな状態から奇跡的に復活し、土曜夜の東京ドームシティへ。

前回「シンケンジャーショー」を観に来ているので、迷わずGロッソにたどりつく。座席は事前に決まっているので、開演10分ほど前に入場した。

この公演のセットリストは「夢を死なせるわけにいかない」。チームAとチームKの混成チーム、ひまわり組のセカンド公演のものだ。今回は特にひまわり組を名乗ってはおらず、チームA、チームK、チームB、チーム研究生から横断的にメンバーが参加する。

この日の参加メンバーは以下の通り。

チームA 板野友美、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、藤江れいな
チームK 秋元才加、大島優子、小野恵令奈、河西智美、倉持明日香、
佐藤夏希、近野莉菜、野呂佳代、増田有華、松原夏海
チームB なし
チーム研究生 石田晴香

チームBからの参加がなく、AやKの新メンバーもひまわり組経験者ばかり。逆に言うとひまわり未見は石田晴香のみという状況で、ひまわり本公演時代にタイムスリップしたようだ。

しかしルックスは微妙に変わっていて、いや、変わっていないのはタカミナぐらいで、多くのメンバーの雰囲気がだいぶ変わっている。注目はやはり麻里子様。ひまわりセカンド時代は髪を伸ばしていたので、A加入当時のショートに戻した麻里子様が露出度高めのひまわり衣装を着る、というのは想像しただけで鼻血が出そうだ。そしてステージに現れた麻里子様は妄想どおり抜きん出て美しく、ショートに戻したことでますます顔がちっちゃく見え、8.5頭身のスレンダーボディーが炸裂していた。曲の中でやはり8頭身のスーパーガール藤江れいにゃんと並ぶと、もうそこだけ美少女マンガから飛び出してきたような異次元世界になっていた。

あと、変わったことといえば、「となりのバナナ」で読んでいた英字新聞が、ひまわり時代は「Daily Yomiuri」だったと思うが「Japan Times」に変わっていた。また、えれぴょんのアンコール衣装の色が変わっていた。ほかの人はみなひまわりの時と同じ色を着ていたので、なんらかの事情があったのだろうか。

シンケンジャーショーを観たとき、この舞台をどう使うのか疑問だったが、舞台の枠組み(飛び降りるための高い位置にステージがあったり、とか)はそのままで、ショーのセットだけを取り除いたような格好だ。シンケンジャーショーもさほど凝った舞台装置があるわけではないので、昼はシンケンジャー、夜はAKBという二毛作のような利用が可能になったわけだ。とはいえ、照明の設置などそれなりに手間もかかるだろうに、スタッフはさぞ大変だろうと思う。

シンケンジャーショーでは、メインのステージと、飛び降りるための高いステージの2レベルで展開するが、さすがにAKBは高いステージは使わず、メインステージと、あと客席のレベルに降りてきてパフォーマンスをするという2レベルを活用する。このため、客席は前3列が使われない形になっている。

このため、秋葉原の劇場にはない縦の動きが加わり、ステージングには多少広がりが出たものの、基本的には同じである。客席数にして3倍のキャパシティーがある劇場を盛り上げるためには、やや迫力不足かもしれない。宙吊りまではしないにしても、客席通路を走り回るぐらいぐらいの演出は欲しい。

まあ入場料も劇場と同じ3000円だし、多くを期待してはいけないのは分かるが、どうも物足りない感じは残ってしまうのは、やはりステージとの距離を意識してしまうからだ。実際、メインステージにメンバーがいる状態だと、最前列でも秋葉原の劇場の一番後ろの列ぐらいの距離がありそうである。

AKB公演の圧倒的な満足感は、やはりあの小さな空間が大きく影響していたのだということを痛烈に感じた。ぎゅうぎゅうに詰め込んで定員250人、しかも大きな柱が2本もある狭い空間。地下劇場、というよりストリップ小屋のような、それも元グラビアアイドルが出演して話題になっている浅草ロック座のような立派な箱ではなく、渋谷道頓堀劇場やシアター上野のような文字通り地下の小屋を思い出させる怪しげな空間。そこで16人ものアイドルが毎日公演をしている、という非常識な面白さ。それがAKB公演の魅力である。

エンターテインメントとしてのAKBと、アイドルとしてのAKBは、テレビで知名度が格段にアップしてきてから、少しずつアンバンドル化が進んでいる、と見える。このGロッソ公演は、完全にアイドルとしてのAKBの文脈だ。テレビで見たアイドルをライブで見せるための箱として用意されたものである。それはそれでいい。しかし、自分はエンターテインメントとしてのAKB、つまり高密度な空間で、アイドルが毎日ライブを行うというその面白さも、一方で追求していって欲しいと願わずにはいられない。

そういいつつ、アイドルとしてのAKBも大好きなわけで、今後もGロッソに通うのは間違いない。

最後にもうひとつ、やはり峯岸みなみがいないのはさびしかった。ダンスの難易度が高いひまわり組公演では、みいちゃんの存在感は圧倒的だ。ファンクラブ先行発売でチケットを買うと出演者が分からないので、次回は一般発売でキャストを確認してから買うようにしたい。

エスカレーター上のプロジェクター映像もAKBバージョンに。

AKB48公式サイト
http://www.akb48.co.jp/

Gロッソ公演スケジュール、チケット購入方法
http://www.akb48.co.jp/grosso/

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2009年5月16日 (土)

四季「春のめざめ」じょじょに微妙なキャス変

ベンドラ 林 香純
マルタ 勝間千明
テーア 岸本美香
アンナ 松田佑子
イルゼ 金平真弥
メルヒオール 柿澤勇人
モリッツ 厂原時也
ハンシェン 一和洋輔
エルンスト 竹内一樹
ゲオルグ 白瀬英典
オットー 加藤 迪
大人の女性 中野今日子
大人の男性 志村 要
女性アンサンブル 玉石まどか、有村弥希子
男性アンサンブル 玉井晴章、南 晶人

いいペースで3回目。そして待望の新キャスト、それもブロードウェーで観たときから期待していた厂原時也の投入である。

三雲モリッツも悪くはない、というかかなりいい。歌にはパンチがあるし、モリッツのダメさ加減が実にいい具合に出ている。あんなにダメなんだから、周囲の人ももうちょっとケアしとけよ、というレベルである。あのヌボッとした雰囲気は、モリッツのスタンダードなのだろうと思う。あっちで観たときのモリッツも、やはりそんな空気を醸し出していた。

しかし、厂原モリッツは少し毛色が違う。

ダメであることは確かだが、もうちょっとこう、なんというか、ギラギラした、刃物のような危うさがある。ある意味、非常にロックである。その演技を見ていて、ふとアリスの「狂った果実」を思い出した。年がばれちゃうけど。

表情や演技、歌い方が実に細やかで、自分なりのモリッツを200%表現しようという姿勢が前面に出ている。その意気やよし。作品によっては、あまり自分を出そうとすると壊れてしまう舞台もあるが、この「春のめざめ」は役者がガンガン前に出てもビクともしない。むしろそうしたエネルギーを吸い取ってより磨きがかかる作品だ。そもそもロックってそういうものじゃないのか。「春のめざめ」には「役者ではなく作品を見ろ」の論法は通用しない。役者を見ることと作品を見ることは、この際同義だ。

その存在感が冴え渡ったのは、2幕でイルゼと2人、観客の方を向いて語り、歌うBlue Windのシーンだ。もともとここは見せ所だが、今日は一段と深い感動を覚えた。2人とも生と死の境界線、光と闇の狭間に立ったことで互いの存在を強く認識し、一瞬引かれあう。そしてイルゼの「むき出しの生」に触れたモリッツは、次第に表情を和らげ、死の覚悟が揺らいでいく。しかし、結局モリッツは後ろ向きの生より前向きの死を選ぶ(実はその前後感覚は若さ特有の錯覚だ)。その葛藤が表情の変化で手に取るように分かる。涙をためたその瞳には、ハンシェンならずともドキドキしちゃうぜ。厂原モリッツ、一見の価値がある。

そしてもうひとり、岸本テーアにも注目だ。あのメガネがますます顔をまるっちく見せて、ちょっとおばちゃん顔になっているファニーなテーアである。話し方もどことなくおばちゃんっぽい。いるいる、こういう女学生。斉藤由貴主演の「恋する女たち」に出てきた小林聡美みたいな感じだ。逆説的だけど、そのおばちゃんっぽさが子供っぽさを増幅させている。さすが岸本、子供を演じることにかけては一日の長がある。

新キャスト投入で、ますます目が話せない「春のめざめ」。次はいよいよ新ベンドラか?

この日、客席やロビーで普通に谷口あかりや浦壁多恵、伊藤綾祐がいた。もちろん歌いだしたりはしないが。間近で見て、谷口ベンドラを早く見てみたい気持ちで一杯になった。

「春のめざめ」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/springawakening/index.html

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2009年5月 9日 (土)

四季「ウィキッド」ワンダフル!新エルフィー

グリンダ 沼尾みゆき
エルファバ 江畑晶慧
ネッサローズ 小粥真由美
マダム・モリブル 八重沢真美
フィエロ 北澤裕輔
ボック 金田 暢彦
ディラモンド教授 前田貞一郎
オズの魔法使い 飯野おさみ
男性アンサンブル 須永友裕、町田兼一、熊 剣、
松尾 篤、田井 啓、坂本 剛、
賀山祐介、清原卓海、内海雅智
女性アンサンブル 長島 祥、間尾 茜、真家瑠美子、
孫田智恵、今井美範、有美ミシェール、
花田菜美子、柴田桃子、遠藤珠生

第三のエルファバ、今井美範がなかなか定着しないなあ、と思っているうちに第四のエルファバがゴールデンウィーク突入と同時に登場した。江畑晶慧である。

彼女は韓国出身とのことだが、以前「ライオンキング」のナラ役で観たとき、日本語のセリフにぜんぜん問題のない人だなあ、と思った記憶がある。歌も安定していて力があった。その後ソフィー役としてデビューしたが未見。まさかエルファバ役とはノーマークだった。

いったいどんなエルファバになったのだろう、と楽しみに海劇場へ。

沼尾みゆきの板についたグリンダ様の歌唱を堪能したのち、舞台に飛び出してきた江畑エルフィー。第一印象は、メガネがよく似合っていて、シズ大学の制服に違和感のない、フレッシュな感じのエルファバ。小粥ネッサと並ぶと、ネッサのほうが姉に見える。妹属性のエルファバなんて初めてみたぞ!

ライオンキングで感じたのと同様、セリフには全く問題がない。問題がないどころか、日本人ではないと思う人はほとんどいないのではないか、というレベルだ。その点について不安な人は、安心していいと思う。

一幕では、そのフレッシュな雰囲気を生かし、ちょっと上目づかいの娘っぽい表情が印象的だ。しかし、二幕では下目づかいで周囲を威圧したり、フィエロに対してはまっすぐに視線を送ったり、と表情を変えている。少女から大人へ、エルファバを演じ分けている。これはなかなかいい。

地声が低めでややハスキーということもあり、歌は低音が実に力強い。高い声の沼尾グリンダとも対照的だ。しかし高音もきれいに伸びる。

そりゃ濱田めぐみ、樋口麻美のエルファバに比べたら、歌のパンチ力も、演技の情感もまだまだ足りないのは確かだ。しかし、この2人のエルファバは、レベルが高すぎるのだと言っていい。もともと難役だったエルファバを、さらにハードルの高いものにしているのだ。自分がブロードウェーで観た2人のエルファバと比べたら、江畑エルフィーは全く遜色ない。まあイディーナ・メンゼルを観ていないからそんなことが言えるのだ、と言われるかもしれないが――。

ただ濱田エルフィーにも樋口エルフィーにもない、一幕のはつらつとした雰囲気は彼女の持ち味だと思う。二幕で、あえて“ウィキッド”の汚名を着たときとの落差がもっとも大きい。だがグリンダと対面したときに、ふっと少女時代の表情を覗かせる。まだ全体的には荒けずりな演技の中でも、そうした細やかさが垣間見えるのは重要なポイントだと思う。

さて、第4のエルファバが誕生したことで、いよいよ新グリンダの登場に注目が集まる。木村花代が「美女と野獣」を抜けたら、いよいよグリンダフラグが立つか?それとも、別の“花”が先に来てしまうのか?9月千秋楽へ向け、自分のモチベーションを大きく左右すると思われる新キャスト動向、しばらく目が離せそうにない。

幕間に「グリンダのソーダ」を飲んでみた。味はまあまあ。店員のお姉さんの「お次グリンダでーす」がツボにはまった

「ウィキッド」WEBサイト

http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html

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ミュージカル「ザナドゥ」来日公演開幕

2007年にブロードウェーで開幕し、これはちょっと観たいなと思っていたが2008年末にニューヨークを訪れたときにはもう終了してしまっていた「ザナドゥ」。その来日公演が早くも実現した。ミュージカルの来日公演は「CHICAGO」がけん引役になって固定した市場を形成しつつあり、招聘の動きも活発だ。今年はヘアスプレー(再)、コーラスライン、ウェストサイド物語と、立て続けに大型来日公演が予定されている。

「四季や東宝の翻訳は観たくないが、来日版なら観たい」という人も多いようだ。個人的には、来日公演は4軍、5軍メンバーの寄せ集めで、モチベーションも低いというイメージがあり、あまり期待していない。しかし、近年は日本市場が次第に重視されるようになってきたのか、昔よりはクオリティーも上がってきている感じがする。また、数年前の「ウィー・ウィル・ロック・ユー」のように、ツアーではなく、オーストラリアのカンパニーがまるごとやってくる、というケースも出てきた。一昨年の「ヘアスプレー」もなかなかの完成度だった。そろそろツアーへの偏見は捨てなくてはいけないのかもしれない。

さて、今回の「ザナドゥ」はどうか。

この作品は、1980年に公開された、オリビア・ニュートン=ジョン主演の映画をベースにしている。そういう意味ではこの数年顕著な、ブロードウェーとハリウッドとのもたれあいの産物である。だが、今回はちょっと毛色が違う。実は80年に公開された映画「ザナドゥ」は、サウンドトラックが世界的にヒットしたものの、映画そのものへの評価は最低最悪で、栄えある第一回ゴールデン・ラズベリー賞の監督部門を受賞している。

そういう糞映画を原作にしているとことがミソだ。舞台の中では、映画の評価が低いことをさんざんネタにするとともに、そこに描かれる80年代の風俗を徹底的に笑いものにする。映画は正統派のロマンチック・ファンタジーなのに、舞台はどちらかというとおバカ作品なのだ。つまり、映画を原作としていると同時に、そのパロディーにもなっているという構造である。ネタ不足が深刻化しているブロードウェーミュージカルではあるが、そのアプローチ手法の柔軟さは健在だ。

そんな、ある意味ゆるい笑いに包まれた作品なので、肩に力を入れず気軽に楽しむことができる。もともとこういうバカ作品は好きなので、わくわくしながら観ていた。上演時間も一幕90分限りと、腰が痛くなる前に終わってしまう手軽さである。

夢を抱く青年の描いた絵から飛び出てきた女神がその青年と恋に落ち、夢をかなえていくという単純極まりないストーリーは、たとえ字幕がなくても理解できる。

ただ悲しかったのは、この作品に満ち溢れたパロディー精神が、英語に苦手な自分にはいまいち理解できなかった点だ。字幕ではフォローしきれない洒落や内輪ネタが相当なボリュームで残されていたように思う。

そのもどかしさを感じながら観ていると、あっという間に終わってしまって「えっもう終わり?」となってしまう。この来日公演の正しい見方としては(特に英語のニガ手な人用)、この作品の真髄であるパロディー部分は字幕で分かる範囲で素直に楽しみ、キラキラした80年代の輝きを多少のほろ苦さとともに味わう、というものでいいのだろう。

そういうライトな楽しみ方に、12000円の価値があるかどうか、というのはまた別の問題だが・・・

ミュージカル「ザナドゥ」WEBサイト(音が出ます)
http://www.xanadu2009.com/

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2009年5月 5日 (火)

ミュージカル「シラノ」世界初演の初日

シラノ・ド・ベルジュラック 鹿賀丈史
ロクサーヌ 朝海ひかる
クリスチャン・ド・ヌーヴィレット 浦井健治
ル・ブレ 戸井勝海
ラグノー 光枝明彦
ド・ギッシュ伯爵 鈴木綜馬
観客/カルボン 佐山陽規
観客/修道士/青年隊 林アキラ
リニエール 大須賀ひでき
でしゃばり男/青年隊 中西勝之
モンフルーリー/士官/青年隊 金澤博
ロクサーヌの付き添い/修道女 岡田静

長年にわたり、さまざまな演出やストーリーで上演されてきた演劇界のスーパーヒーロー、シラノ・ド・ベルジュラック。映像化も何度もなされ、藤子不二雄の自伝マンガ「まんが道」では、映画「シラノ・ド・ベルジュラック」を観た満賀道雄(=安孫子 素雄)が西部劇版シラノを描いたりもした(あれは面白くなかった)。

そのシラノの新作ミュージカルが作られ、日本で初演を迎えるという。作はジキル&ハイドのレスリー・ブリッカスとフランク・ワイルドホーンのコンビ。日本の興行主が出資して新作を書かせた、というのが真相なのかもしれないが、いずれにせよ日本演劇界もたいしたものである。主演は「ジキル&ハイド」の縁で鹿賀丈史が務める。

企画も面白そうだし、助演も光枝明彦に鈴木綜馬(=芥川英司)と四季退団者が顔をそろえている。広い意味では鹿賀もそうだ。レ・ミゼラブルでおなじみの戸井勝海、林アキラ、大須賀ひできの名前もある。初演でジャベールを演じた佐山陽規もいる。これは観ておかんと、と初日に足を運んだ。

序盤はシラノの皮肉屋としての一面が強調される展開。派手な喧嘩のシーンから始まるものの、役者が何を言っているのかよくわからない。なんだかガチャガチャした芝居だなあ、と思いつつ観ていたが、シラノが自らの思いを隠し、ロクサーヌとクリスチャンの仲を取り持とうとするあたりからがぜん面白くなってくる。そして二幕は緊迫感のある戦場のシーンと、それと対称的に静かで優しさに満ちた修道院のシーンとで構成され、最後まで飽きさせず観客を魅了するいい作品に仕上がっていた。

パンフレットの中のインタビューにも語られているが、この作品は冒険活劇というよりも、シラノという男の心栄えを丁寧に描こうとしているのが特徴だ。しかし、喧嘩や戦場など、見せ場もふんだんに用意されており、笑いあり涙ありの活劇的要素も十分である。

鹿賀丈史の演技はさすが。シラノのせつなすぎる内面を、皮肉なセリフにたっぷりと乗せた情感と、全身の細やかな動きによって満員の観衆に伝えていた。惜しむらくは歌の場面で歌詞が聞き取りづらいことだが、演技でそれを十分にカバーしている。

もっとも四季の舞台に慣れてしまうと、歌詞が往々にして聞き取りづらく感じるものだ。最初、雑な印象を持ったのもそれが理由のひとつだった。しかし、この日は光枝・鈴木コンビはもちろん、戸井勝海や浦井健治も実にはきはきとした発声で非常に聞き取りやすかったため、全体としてはそういう印象を持たずに済んだ。

光枝は変幻自在の役どころで、笑わせるシーンが多い。ちょっとだけデビルな動きもまじえ、舞台の空気を大いに和ませていた。力のある美声も健在だ。鈴木も光枝とは違った、どちらかというと天然っぽい笑いのセンスを持っているが、それをいかんなく発揮。しかし決めるところはビシッとカッコよく決めてくれて、ファンにとっては嬉しい限りだ。

久しぶりに見た戸井勝海がこれまたいい男で、演技にも歌にもメリハリがあって強い存在感を発揮していた。そして恐らく初めて見た浦井健治が実に良かった。演技も発声も歌も申し分なく、スター性も十分だ。これからのミュージカル界を引っ張る逸材と感じた。ヒロイン・朝海ひかるは演技はやや単調だったものの、その美しさと歌声のきれいさでカバーしていた。

総じて、強烈な何かがあるわけではないが、重くない形で心に訴えかけるものを持ったいい舞台だと思う。うまく育てていけば、東宝の新しいレパートリーとして、長く愛される作品になるのではないか。鹿賀だけでなく、戸井や鈴木のシラノも見てみたいと思った。

初日ということで、終了後、演出家の山田和也や作曲のフランク・ワイルドホーンらによるあいさつもあった。海外でヒットして輸入されたものではなく、正真正銘世界で始めて上演された初日である。作品が誕生した瞬間に立ち会えるというのは、観客冥利につきるだというものだ。

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「シラノ」WEBサイト
http://www.tohostage.com/cyrano/index.html

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四季「春のめざめ」アンサンブルにも注目

※まだまだばれます。読む前に観ましょう。

ベンドラ 林 香純
マルタ 撫佐仁美
テーア 有村弥希子
アンナ 松田佑子
イルゼ 金平真弥
メルヒオール 柿澤勇人
モリッツ 三雲 肇
ハンシェン 一和洋輔
エルンスト 竹内一樹
ゲオルグ 白瀬英典
オットー 加藤 迪
大人の女性 中野今日子
大人の男性 志村 要
女性アンサンブル 岸本美香、浦壁多恵
男性アンサンブル

伊藤綾祐、玉井晴章

はやばやと2回目の「春のめざめ」。「ウィキッド」並みのペースだ。

劇場に向かおうと浜松町駅の改札を抜けたら、キレイな女性2人がいたのでつい目を奪われた。そして驚いた。AKB48チームAの佐藤亜美菜と高城亜樹だった。あみなはメガネをかけていたが一発でそれと分かる。あきちゃはメガネすらなく、そのまんま。無防備すぎだろ。おそらく、文化放送に向かう途中だったものと思われる。

幸せな気持ちで自由劇場へ。メインキャストは変わらず。アンサンブルが変わった。キャスト表をチェックせずに見ていたので、最初は変わったことに気づかなかったが、よく見るとボックが前回上手のステージシートに座っていたのが、下手側に移動している。それで変更があったことを知った。今回は2階席で見ていたので、舞台全体の動きがよく見えたのだ。

この作品のアンサンブルは、ステージシートの中に観客のフリをして座っており、突然舞台に参加するという立ち位置になっている。ステージシートの存在は、舞台と客席という壁を崩し、そこに一体感をもたらす効果があるが、この作品ではさらにそれを一歩進めているのだ。

もっとも、そうした手法は演劇の歴史をぐーんと遡れば、昔からあったものだということが分かる。ギリシャ悲劇における「コロス」は、舞台の上で芝居を眺めながら、必要に応じてその舞台に参加していた。日本でも、能舞台おける地謡が同じような役目を果たしている。

マイクパフォーマンスといい、この作品は「古さ」をうまく使って「新しさ」に結びつけて成功したといえるだろう。

話がそれたが、女性アンサンブルはメンバーが変わったことがすぐ分かった。岸本美香がいたからである。俳優としては短所であろう身長の低さを逆に利用し、「美女と野獣」のチップや「ユタと不思議な仲間たち」のモンゼなどを演じてきた個性派だ。彼女のパフォーマンスは素晴らしかった。「Totally Fucked」では、壁面によじのぼり、パンツが見えそうな勢いで(見えなかったけどね)小さな体を大きく動かしていた。彼女もテーア役に名前を連ねているが、ぜひメインキャストで見てみたい。テーアと言わず、ベンドラだって行けるんじゃないか?というのは主観的っつうか趣味に走ってますかね。

メインキャストでは、男優陣はうまく固さが取れてきた。それが、もっとのびやかな演技につながっていってほしい。この作品は、完成度の高い世界観を持っているが、俳優たちの自由な演技を許容する懐の深さも兼ね備えているように思う。もっともっと弾けてもいいはずだ。それが突き抜けたカッコ良さを生み出してくれるに違いない。

女優陣は、予想どおり全く同じ演技。それぞれの役者のパフォーマンスは、もう完成してしまっている。恐らくこれ以上は変わらない。だから、早めにメンバーチェンジして刺激を与えていかないと、ダイナミックさが売りのこの作品にスタティックさを与えてしまう。新キャスト投入、期待してまずぜ。

それにしても、自由劇場はこの作品にピッタリの空間だ。客席と舞台との一体感をこれほど感じられる劇場もほかにあるまい。つくづく、四季が上演してくれて良かったと思う。そうでなければ、ツアー版がやってきて、Bunkamuraとか厚生年金会館とかActシアターとか、どでかい箱で上演していただろうから。恐らくそれではこの作品の魅力は伝わらない。このぜいたくな演劇空間は、体験してみるだけの価値がある。

そもそも自由劇場は、実験的なワークショップの場になってほしいとかねがね思っていた。それが近年は懐古趣味的な作品や、ファミリーミュージカルの劇場になってしまっていた。それらが悪いというつもりはさらさらないが、それだけではもったいない。春のめざめ終了後も、野心的な取り組みの基地として活躍してほしいものだ。

さて、約束どおり2階席で見てきたので、アレに関するレポート。ちゃんと露出してました。でも一瞬。出してすぐひっこめる、みたいな。ジャネット・ジャクソンのポロリレベルだ。ブロードウェーではかなり長時間露出してたので、差は大きい。これなら無理して出すことなかったんじゃ、とも思うが、オリジナル演出と、日本的倫理観の落としどころがここ、ということなのだろう。がんばった成果なのなら、それにいちゃもんをつけるものではない。むしろ、あの場面はいろんな意味で「ドキッ」とさせることが重要なのに、正直なところ今のベンドラでは「ドキッ」としないことのほうが問題である

昭和初期に上演されたときのポスター。日本演劇って開明的だったんだな。

「春のめざめ」ウェブサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/springawakening/index.html

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2009年5月 3日 (日)

「池沢早人師・サーキットの狼ミュージアム」オープン

茨城にまたひとつ、素晴らしい観光名所が誕生した。

その名も「池沢早人師 サーキットの狼ミュージアム」。もうこの名前だけで説明は不要だろう。あの70年代のスーパーカーブームを彩った名車たちがずらりと並んだ私設博物館だ。クルマ好きにはもちろん、マンガ「サーキットの狼」に心躍らせていた世代、そしてマンガは読まずとも「スーパーカークイズ」に熱い視線を注いでいた人たちにとって、これほど心引かれる名前の私設もないだろう。

場所はカシマスタジアムで全国的に知られる鹿嶋市にほど近い、神栖市。池沢早人師(池沢さとし、という旧ペンネームのほうが馴染みがあるかもしれないが)は千葉県野田市の出身だが、この施設のオーナー、スーパーカーのコレクターとして知られる八幡正毅氏の創業の地がこの神栖市とのことだ。そしてお隣りの潮来市には、マンガの中に「潮来のオックス」として登場する、池沢氏の旧友・関根英輔氏も在住している。

茨城県出身者として、そしてサーキットの狼ファンとして、スーパーカーブームに踊らされまくった身として、これは行かなくてはならんだろう。そう思い、オープン初日に駆けつけた。

俺の自宅は千葉の柏市で、ここから神栖までは利根川沿いをまっすぐ行って1時間半ぐらいの距離。しかしゴールデンウイークということもあって渋滞しており、2時間ほどかけて市内に入る。

当然ナビにはまだ登録されていないので、地図を頼りに車を走らせていると、心躍る看板が目に入った。

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駐車場は広く、初日ということもあって多数の来館者が詰めかけていたが、すぐに車を入れることができた。ここから写真とくどいテキストが並ぶのでたたんでおきます。付いてこられる人だけ付いてきてください。

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2009年5月 2日 (土)

四季「春のめざめ」初日 デブ男の歌がうますぎる

※かなりばれます。

ベンドラ 林 香純
マルタ 撫佐仁美
テーア 有村弥希子
アンナ 松田佑子
イルゼ 金平真弥
メルヒオール 柿澤勇人
モリッツ 三雲 肇
ハンシェン 一和洋輔
エルンスト 竹内一樹
ゲオルグ 白瀬英典
オットー 加藤 迪
大人の女性 中野今日子
大人の男性 志村 要
女性アンサンブル 玉石まどか、勝間千明
男性アンサンブル 伊藤綾祐、南 晶人

何かと物議を醸したい感ありありながら、いまいち醸し出せずにいるままで初日を迎えた「春のめざめ」。教育再生会議のメンバーとか、政治家に頼んで「上演中止要請」でも出させて論争にするとか、そういう猿芝居でもあればちょっと面白いのにな、と思っていたが、さすがにそんなことはできなかったか。

とにもかくにも、昨年末にあっちで観たとき、しまったもっと前から観とくんだったと歯ぎしりした快作が日本上陸だ。トニー賞独占とはいえ、およそファミリー層からは縁遠い「若者たちの性の目覚め」を描くロック・ミュージカルとあってさすがの四季もメガヒットにはならないと判断したか、自由劇場での公演というずいぶん控えめな選択をした。

この作品の魅力はスタイリッシュさ。その一言につきる。洗練された音楽と、意表を突いたパフォーマンスとがあいまって作り出す圧倒的なカッコ良さ。それが「春のめざめ」のすべてと言っていい。

自分のように音楽に詳しい人でなくても、この作品の音楽が魅力にあふれたものであることは分かる。ミュージカルの音楽の場合、ノリのいい曲、耳に残る旋律でなくても「イイ!」と素直に言えるケースは少ないからだ。いつのまにか繰り返し聞きたくなってしまう、蠱惑的なその響きは、何とも形容しがたい思春期の心情を見事に観客の中に再現してくれる。

そしてあちこちで伝えられているように、自分もエントリーでレポートしたが、極めて特徴的なマイクパフォーマンス。あえてハンドマイクやスタンドマイクなど、形としてのマイクを登場させ、その持ち方、取り出し方、渡し方で登場人物の心理状態を表現するという、誰でもやりそうなのに、誰も考え付かなかったという斬新な演出手法だ。

性の問題、自殺、同性愛、世代間対立といった重苦しい問題を描きながらも、音楽とパフォーマンスのパワーによってその重力部分を吹き飛ばしてしまい、後には何も残らない。あえて言えば、爽やかな観後感(そんな言葉あるんかいな)だけが観客の心に残るのだ。

だから、この作品はある意味、「感動させて」しまったら失敗なのだと思う。日本の観客の中には「泣ける」ことを期待して劇場に向かう人も多い。しかし、泣いてしまったら、この作品の真価を味わうことはできないのだ。

四季の実力なら、音楽やパフォーマンスをオリジナルどおりに再現することは十分にできるだろう。不安なのは、それが重さを吹き飛ばすほどの風力をもったカッコ良さに昇華できるかどうか、である。

期待半分、不安半分で自由劇場に到着。ロビーに入って、さっそくひとつ安心した。案内などのスタッフが、そろいの作品ロゴの入ったTシャツを着ていたからだ。実は、これはオリジナルの劇場でもやっていたことなのだ。ブロードウェーの劇場でスタッフがTシャツを着ていることは珍しく、それがまた実に決まっていた。ロゴもかっこいいからね。物腰も他の劇場とはちょっと違って、よりフレンドリーな印象だった。なんだかアップルストアのように、スタッフひとりひとりが作品の世界観、ブランドを体現しているのだ。「これは他の作品とは違うな」とまず感じた記憶がある。自由劇場のスタッフは、中身はいつもと変わらないけれど、形から入るのが日本人だ。大いに結構じゃないか。

そして劇場内に足を踏み入れると、客席の雰囲気もオリジナルとそっくりだ。緞帳はなく、ステージはそのまま見えている。舞台装置はほとんどなく、昔の教室をイメージした高い壁と、数々の楽器と、ステージシートが用意されているだけ。劇場というより、ちょっと大きなライブハウスに入った感覚だ。うーん、わくわくしてきた。

そして開演。細かいところで変更点もあったようだが(正確には把握できてません。すいません)、ほぼオリジナルどおりだ。日本の文化に合わせて変更、などという情報もあったが、それはセリフをどう訳すか、という問題に収斂されたのだろう。訳については他の輸入作品同様、賛否両論があるだろうが、そんなに違和感を感じたところもなかった。

出演者については、全般的に男性陣の熱演ぶりが目立った。主役・メルヒオールの柿澤勇人。文句なしのハンサムさんだ。会見の映像では仮面ライダーカブトとかメイちゃんの執事の人みたいな雰囲気かな、と思ったが、実際に見るとアンジャッシュの人みたいだった。でもかっこいい。メリハリの効いた演技で、頭脳の明晰さと精神的な不安定さが同居するメルヒオールの危うさをうまく表現できていたと思う。歌も合格点だ。エルンストの竹内一樹とハンシェンの一和洋輔は、90年代に日本テレビで放送された「同窓会」を思い出させる同性愛シーンに体当たり。キモチ悪いほどのガチホモっぷりで、観客がさあーっと引いていくのが分かったほどだ。

ダメ男くんのモリッツを演じたのは韓国出身の三雲肇。ブログのエントリーは上げていないものの、彼が「ライオンキング」でシンバデビューを果たした舞台を実は観ている。そのときは「あちゃー」というぐらい日本語の発音が全くできておらず、比較的外国人俳優の発音には寛容な自分もさすがに許せなかった。しかし、この舞台では全く問題ないと感じた。ダメダメな演技もなかなか堂に入っていたと思う。

そして出色の出来は、太ったメガネの男、ゲオルグを演じた白瀬英典の無駄に素晴らしい歌声だ。パンフレットの写真を見ると本当は太っているわけではないようだが、髪型や衣装で藤子不二雄のまんがに出てくるような太った少年になりきっている。その見た目のインパクトは相当なもので、少年たちのシーンではまずそこに目が行ってしまうほどなのだが、その見た目からは想像できない、低音ながらクリアーな美しい声で「どうしても 揉みたい あのオッパイを♪」とか歌う。もう二重三重に面白い。面白いだけでなく、それがちゃんとカッコいい。これは重要なポイントだ。

対して女性陣は低調だ。ベンドラはじめ、みな思春期っぽさがない。なんだかみな大人びていて、大人びた上に子供の演技を重ねているようで、いまひとつ説得力がないのだ。この男性陣との差は何なのだろう。頭の中がエロでいっぱい、という時期は男だとみな一様に体験しているので、演技がしやすいのだろうか。女性の場合、そういう時期があってももう少し複雑で、一人ひとり異なるものなのかもしれない。

実年齢とか、見た目の問題ももちろんある。しかし、そこは演技でカバーできる部分だと思う。オリジナルだって、ティーンエイジャーの俳優ばかりが演じていたわけではない。まあ確かに自分が観たときのベンドラはリアル18歳の超絶美少女だったけれど。極端な話、芝清道がメルヒオール、荒川務がモリッツを演じたって、作品としては成立するはずだ。面白すぎて別の作品になってしまう恐れはあるが。

ただ、一人だけ、ひときわ輝いていた女優がいた。イルゼ役の金平真弥だ。彼女は良かった。二幕から唐突に出てくる(原作でもそう))メルヒオールやモリッツの幼馴染み、イルゼ。彼女は、ほかの娘たちと違いちょっとあばずれていて、その分少し大人っぽいキャラだから演技しやすい部分もあるのだろうが、その表情にはせつなさがあふれ、その歌声には慈愛の情が満ちている。正直、オリジナルを観たときにイルゼの印象はあまり強くなかった。金平の実力によってこの役が引き立ったのだ。

全体的には、十分満足のいくものだった。しかし、まだカッコ良さが重苦しさを吹き飛ばしきれていない。客席には涙を浮かべている人もいた。繰り返すが、この作品は泣かせては失敗なのだ。もっともっとカッコ良くしなくてはいけない。男性陣はまだ固さもあったので、それがほぐれてくればさらなるブラッシュアップが可能だと思う。控えにまわった厂原時也の登場も楽しみだ。問題は女優で、相当なテコ入れが必要になるだろう。こちらは固さも多少あったかもしれないが、どちらかといとそれぞれの役者レベルではもう完成してしまっているような気がする。だから、対応策としては総取り替えしか道はないかもしれない。「ふたりのロッテ」を観たときには、女学生っぽい女優さんがたくさんいるじゃないか、と思ったが、あれは制服に騙されていただけなのか?

しばらくは、女優の変化を期待しつつ、男優の進化を見守るという形でリピートすることになりそうだ。

最後に、一部の人は気になっているであろうアレのシーン。「エクウス」のように暗くしたり、という演出はなかったのでよかった。しかし、ベンドラの衣服のはだけ方が実に控えめで、1階席ではどこまで見えたのか判別不能だった。次は2階席でチェックする予定だが(最低)、おそらくあまりたいしたものは見えないのではないか。実に残念だ。メルヒオールのほうは、オリジナル同様、ちょっと半ケツが見える程度。柿澤ファンの人は上手側から狙おう

200905021248000

「春のめざめ」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/springawakening/index.html

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四季「キャッツ」東京公演千秋楽前日

グリザベラ 早水小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン 秋 夢子
ジェニエニドッツ 小松陽子
ランペルティーザ チェ ウンヘ
ディミータ 有永美奈子
ボンバルリーナ 西村麗子
シラバブ 南 めぐみ
タントミール 八鳥仁美
ジェミマ 王 クン
ヴィクトリア 千堂百慧
カッサンドラ 井藤湊香
オールドデュトロノミー チェ ソンジェ
アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ 村 俊英
マンカストラップ 芝 清道
ラム・タム・タガー 荒川 務
ミストフェリーズ 金子信弛
マンゴジェリー 百々義則
スキンブルシャンクス 劉 昌明
コリコパット 花沢 翼
ランパスキャット ユ ホンチョル
カーバケッティ 齊藤太一
ギルバート 入江航平
マキャヴィティ 青山祐士
タンブルブルータス 川野 翔

千秋楽の抽選ははずれ、千秋楽移動に伴う発売分も入手できず、楽前日に参戦を決めた。村、芝、荒川とナイスミドル(?)がそろい踏み、青山マキャビティなんていう贅沢キャストも。もちろんグリザベラは早水小夜子だ。(みんな辞めちゃったし…)

だがひとり、非常に不安なキャストが。スキンブルシャンクスの劉 昌明だ。彼がまだユ・チャンミンと本名を名乗っていた3年前、スキンブルシャンクスとしてデビューしたばかりの時に観劇した。あれはひどかった。日本語の発音は多少割り引いて考えるにしても、歌も演技も最低で、大好きなスキンブルシャンクスのナンバーを台無しにされたことに怒りを感じた。それ以来、名前だけで避けていたほどだったが、2007年、「ユタと不思議な仲間たち」で実にいい演技をしていたため、勝手に自分の中で彼とは和解していた。

とはいえ、スキンブルを演じるとなるとやはり不安だ。和解の条文の中に、スキンブルだけは演じない、という項目を入れておけばよかった。

しかし、この日の彼のスキンブルシャンクスは素晴らしかった。昔は口を開けた間の抜けた表情が鼻についたが、今はいろんな表情を見せるようになった。時おり間の抜けた顔に戻るが、それがひとつの個性にも感じられた。ほかの役者が演じる優等生っぽいスキンブルシャンクスとはだいぶ印象は異なるものの、これはこれでアリだと感じた。そして、歌については高音が実にきれいに伸びる。「♪夜行列車の 旅は素敵~」のくだりは、実は結構みんな苦しそうに歌っている。それを実にのびやかに歌い上げていて、素直に感動した。いいスキンブルシャンクスになってくれた。今回の東京公演最大のわだかまりが、千秋楽前日にして解決できたのは何とも嬉しかった。

そうなると、もうあとはお祭り騒ぎである。実力派ぞろいのキャストなので、見ていて何の不安もない。そもそも観客が不安を感じる、ということはおかしいのだが、この1年ぐらいはそんなキャストばかりで、観てもエントリーを上げないことが続いていたのだ。

心なしか、役者たちもいつも以上に楽しんでこのキャッツを演じているような、何かいい意味で余裕のようなものが感じられた。それがこの作品の楽しさを、改めて心に深く感じさせてくれたように思う。スキンブルがすべってこけそうになったり、秋夢子のジェリーロラムが歌詞を間違えて村俊英のアスパラガスが微妙にずっこけたり、といったこともあったが、すべてご愛嬌だ。

終演後は簡単な特別カーテンコールも行われ、荒川務の名人芸によるタガー締めまで、10分近く拍手をしていたように思う。いつまでもこの空間を共有していたいと感じていた。本当に楽しい公演だった。

4年6カ月におよぶ東京公演。自分はさっぱり人間的に成長していないけど、年齢だけは着実に重ねている。そろそろ真剣に人生に向き合うべきだとは思うが、まあ横浜公演が終わったらということにしておこう。

200905021642000 バイバイ!次は横浜で会おう

「キャッツ」のWEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/cats/main.html

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2009年4月29日 (水)

東京ドームシティ「侍戦隊シンケンジャー シアターGロッソに見参!」

4月25日、東京ドームシティにヒーローショー準専用劇場「シアターGロッソ」がオープンした。これまでヒーローショーに使用していた野外劇場「スカイシアター」は閉鎖し、新たにジオポリス1階に建設したものだ。

そのこけら落とし公演は「侍戦隊シンケンジャーショー」の第一弾。シンケンジャーはこの数年のスーパー戦隊シリーズでは「特捜戦隊デカレンジャー」以来の面白さである。時代劇や歌舞伎をモチーフにしており、武器は刀、登場の際には陣幕が張られ、街で悪者が暴れていると鳴子が鳴って知らせてくれる。変身には筆で文字を書くと「モヂカラ」が発生してスーパースーツを蒸着できる。そして、殿を支え、家臣たちを指導する家老役として、なんと伊吹剛が出演しているのだ。

レッドが殿様、それ以外の4人は家来、という明確な身分差があるという設定も斬新だ。またレッドが熱血漢でなくクールガイで、ブルーは殿への忠誠心が過剰すぎて、うざいというかめんどくさい男というこれまでにないキャラクターだ。一方、敵役は三途の川に浮かぶ船を根城とした「外道衆」。人のうらみつらみが三途の川に流れ込むことから、現世で破壊活動を行って三途の川を氾濫させ、その勢いで人間世界を支配しようとたくらんでいる。

ヒロインは久しぶりのダブルヒロインで、そのうちの一人、シンケンイエローにアイドリング!!!11号の森田 涼花(すうちゃん)。これだけで十分観る価値がある。

そのショーが、新設の専用劇場で開幕するというので、これは面白そうだと早々にチケットを確保した。以前、デカレンジャーショーを観たときは、早朝から並んで当日券を買い求めなくてはいけなかったが、この劇場のオープンに伴い、チケットはネットで事前購入できるようになった。席も選ぶことができ、なかなか便利である。

そんなわけで久しぶりにやってきましたジオポリス。入るとすぐに劇場入り口だ。

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10時30分のショーを予約していたが、会場に到着したのは9時40分。当日券の残席状況が窓口でリアルタイム表示されており、この段階でまだ残席があった。

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この春のキャンペーンで「東京ドームシティ市長」に就任したつるの剛士の胸像とシアター入り口。

Grosso03

シンケンレッドもお出迎えだ。殿自ら庶民にあいさつとは、人の上に立つ者の鏡である。

Grosso08

劇場のとなりにトイレはある(ジオポリス敷地内)が、劇場内にはない。なのでトイレに行くときはいったん出て再入場、という形になるので半券を忘れないようにしよう。

トイレの向かいにはコインロッカーがある。いちばん小さいもので300円。

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シアターに入ると、キャパ765席のなかなか立派な劇場だ。傾斜がかなりあるので後方からでも見やすい。ただ、縦長の劇場なので後方の席からステージまでは相当な距離がある。雰囲気は京都劇場の1階席に近いだろうか?

ショー上演中は撮影禁止だが(デカレンジャーショー時代はOKだった)、上演前なら差し支えなさそうなので内部の模様をカメラに収めてきた。客席最後部、中央からの眺め。ステージは相当遠い。

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自分が座ったL列下手側からの眺め。ここでも結構距離を感じる。

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座席はだいぶシンプルなもので、30分ほどのショーを観るにはなんとか堪えられる、という程度。カップホルダーがあるのはちょっと便利かもしれない。

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座席のサイズだが、幅も前後の間隔もやや小さめ。ざっと寸法を測ってきたが、座席の幅は42.5cm、前後の間隔は85cmだった。

さて、オンタイムにショーはスタート。オリジナルキャラクター、さくら姫が登場。シンケンレッドの幼なじみという設定だ。彼女がシンケンジャーとともに外道衆に対し果敢に戦いを挑むというストーリーである。

オープニングは外道衆のまがまがしい酒盛りのシーンで、かなり不気味だ。しかしすぐにアクションシーンの連続。何しろ上演時間が30分しかないので展開は早い。

スカイシアターのヒーローショーの売りといえば、キャラクターたちの「上下移動」である。舞台上に大きな奈落を作り、その下にスタントシーンに使うクッションを用意する。その奈落を目指し、ヒーローや悪役たちがセットのかなり高い位置からぽんぽんと飛び降りるのだ。これが実に小気味いい。

新劇場でも、その醍醐味は忠実に再現されている。ステージの天井が非常に高く(「ミス・サイゴン」のホーチミン像も入りそうだ)、セットはスカイシアターにあったものと同じぐらいのサイズで作られていた。

さらに、スカイシアターでは上から下への移動、つまり飛び降りるという動作しかなかったのに対し、新劇場では下から上への移動も実現した。ワイヤーアクションによる宙吊りの演出である。これは今までのショーの魅力を踏襲し、さらにそれを発展させたという好事例と評価できるだろう。

また、これまでは野外なのでできなかった映像を用いた演出もふんだんに盛り込まれる。まだ練れていない印象はあったが、今後公演を重ねていけば、リアルと映像をうまくミックスさせた新しい演出も生まれてくるのではないか。

ストーリーは単純だったが、クライマックスでシンケンレッドとさくら姫が子供のころの思い出を語りあるシーンなど、思わず涙が出そうになった。最後は会場の小さなお友達に「夢を持て。真剣に生きろ」と諭すが、大きなお友達には耳の痛い話ばかりである。

今後シンケンジャーショーは何バージョンか作られていくだろうが、冬になったらまた俳優登場の「素顔の戦士たち」を上演してくれるだろうか?してほしいなあ。会場は相当数のアイドリング!!!ファン様たちで占められるだろうが。

さて。

自分がチケットを買ったのは3月中の話である。単純にこのヒーローショー劇場建設というのが面白そうだ、と思って予約したわけだが、つい先日、NHKホールで行われたAKB48のコンサートで、AKBがここを第二劇場として使用することが発表された。何とまあ、俺の嗅覚の鋭さにはあきれるばかりである。

しかし、いったいここをどう使うというのだろう。確かにキャパ700以上というのは魅力的だ。しかし、土日はヒーローショーで埋まっているわけだから、基本は平日公演に使うということだ。平日にキャパのでかいハコを使い、週末は今までの小さい劇場を使うというのか。ちょっとちぐはぐな感じがする。

土日の夜、という目はある。ヒーローショーは夕方で終わってしまうからだ。ただ、それだとセットの撤収と現状復帰はできないだろう。セットはそのままで、ステージの前のほうのスペースだけ使うのか。それはできるかもしれない。

座席が狭いので、2時間も座っているのはつらいだろうが、これは現在の劇場と比べたらずっと快適なのだから我慢はできる。いや、この劇場だとスタンディングOKになるのかもしれない。それはそれで、もう若くないこっちにはつらいんだが。

ステージとの距離を感じさせてしまう構造なので、この劇場で観る場合には前方、座席表で言うとK列までに座らないともったいないだろう。座席は今のように当日の抽選で決めるのか。それともネットで事前に座席予約ができるようになるのか。

AKBの発表には企画倒れになることも多いので、どうなることやらではあるが、より詳細な情報が出てくるのを気長に待つとしよう。

シアターGロッソのWEBサイト
http://www.tokyo-dome.co.jp/g-rosso/

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2009年4月19日 (日)

東京ディズニーランド新アトラクション「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」

TDLに待望の新アトラクション登場。テーマとなっている映画は「モンスターズ・インク」で、「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」に続くピクサー映画の3次元化アトラクションだ。

この建物は、昔の「ミート・ザ・ワールド」の再利用。アトラクションが終了してから、ずっと「スター・ツアーズの横の建物」として、キャッスルショーの鑑賞エリア抽選などに使われてきたが、晴れてアトラクションとして再デビューを果たした。

このアトラクションはライド型で、人間の子どもであるブーを追いかけるモンスターのマイク、サリー、そして悪玉モンスターのランドールなどのドタバタ劇を眺めるというもの。ライドには懐中電灯が常備されており、それをいくつかのポイントに照らすと、隠れているモンスターが現れる、などの反応がある。

実は、俺がこれに乗ったのは、先月15日のことだ。アトラクションがオープン、あるいはリニューアルする際には、グランドオープンの2週間ぐらい前から実際に稼動させて最終チェックを行う。「スニーク」と呼ばれる内緒の運行期間だ。稼動時間中に行けば、誰でも普通に乗ることができる。このときも、このときもスニークだった。

このスニークが今回はえらく早く、1月以上も前から始まった。それでさっそく乗りに行ったのである。スニークはいつやります、というインフォメーションは当然ないので、やってなかったらあきらめる、と覚悟の上で入場。入場してすぐに向かうと、すでに列ができていた。

しかし、運行開始は2時間後だという。どうしようか迷ったが、せっかく来たのだからとそのまま列へ。まだ寒かったがじっと待つこと2時間きっかり、列が動き始めた。

屋外待機エリアにあるモニターで、アトラクションの解説映像が流れる。

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館内に入ると、なつかしい天井が・・・

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乗ってみた印象としては、うーん、微妙。

「マウンテン」クラスの大型アトラクションではないので、スペクタクルな感動は期待していないが、このクラスでは近年「プーさんのハニーハント」という大ヒットがある。ひょっとしたら、という期待はあった。

モンスターたちの造形はすばらしい。ブーも含めて、絵の中から、いやCGの中から飛び出してきたように精巧に作られている。

だが、全体的にとても明るいので、緊張感というか、非日常感が薄いのに加え、肝心な懐中電灯の存在感があまり発揮できないのだ。そして、「照らすと何かが起きる」ポイントも、少ない上にみんながいっせいに照らすため、いまいち手ごたえがない。これなら、バズのほうが点数が出るのでまだ楽しいと思えるぐらいだ。

最後にちょっとしたインタラクティブな仕掛けでゲストのびっくり感を演出。これはちょっと楽しかった。

一度は乗ってもいいと思うし、待ち時間が短ければまた乗りたいと思う。しかし、何時間も待ったり、貴重なファストパス発行権を消費してしまうには値しないように感じる。あくまで個人的な感想ですがね。

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モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”特設サイト(音が出ます)
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tdl/japanese/event/monster/ride_go/

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2009年4月18日 (土)

映画版「ひぐらしのなく頃に 誓」公開初日舞台あいさつ

(映画の内容少しバレます)

作年公開された映画「ひぐらしのく頃に」実写版の続編となる「誓」が公開になった。前回、初日の舞台あいさつを見たので、今回もひとつ見てやろうじゃないか、と早々に前売り指定券をゲット。目当てが小野恵令奈であることは今さら言うまでもない。

今年は池袋のシネマサンシャインではなく、渋谷のシアターTSUTAYAに参戦。映画ファンにはユーロスペースのビル、といったほうが分かりやすいか。もっともユーロスペースというと移転前の場所のほうが馴染みがあるかも。その旧ユーロスペースでは昨年「魁!!男塾」の舞台あいさつを見たものだ。

今回こちらにしたのは、座席が指定できたから。発売日の発売時刻ジャストにログインしたところ、前から2列目の席を購入できた。昨年と同じような並びになるだろう、と予想し、押えたのは下手側の通路席だ。

だが、よく考えたらこの席で映画も観なくてはいけないわけで。そうなると前から2列目ってどうなのよ、と思ったが意外に見やすくてよかった。

さて映画本編の上映。基本7作のパラレル・ワールドと1作の前日譚で構成されるサウンドノベル「ひぐらしのく頃に」。前作の映画はその1作目である「鬼隠し編」をベースにしていたが、今回の原作は「罪滅ぼし編」だ。

この罪滅ぼし編のひとつの特徴は、竜宮レナが罪を犯すという点だ。映画でものっけからレナは暗い表情で登場し、ほぼ全編に渡って「かあいいモード」は封印され、イッちゃってる演技が続く。もっとも映画ではもともとあんまりかあいいモードは描写されていない。

そのレナに前作と同じ松山愛里。原作の雰囲気とはだいぶ隔たりがあり、前作ではかなりの違和感もあったが、今回の狂ったレナはなかなかの熱演で心に響いた。キャスティングの際に、「嘘だ!」以降の演技を計算して起用したのだろうか。

レナ以外も、主要キャストはほぼ前作と同じ。なのでてっきり2作同時に作ったのかと思っていたら、そうではなくきちんと前作が公開されてから撮影したのだという。園崎魅音の飛鳥凛も良かった。「罪滅ぼし」編の魅音は、どちらかといと強さよりも弱さが印象的だ。まあ双子の妹である園崎詩音との関係を考えれば基本的に魅音というキャラクターは弱い存在なのだけれど。そして今回、それとは紹介されていないがちょっとだけ詩音も登場している。無類の詩音好きとしては本作一番の見所だ。

古手梨花のあいか、北条沙都子の我らがえれぴょんも、依然出番は少ないが、前作よりもキャラクターの色を出せて、それぞれ印象的な演技ができていたのではないかと思う。えれの影のある表情にぐっとくるのは俺だけではあるまい。

唯一、主要キャラクターの中で俳優が変わった、大石蔵人の大杉蓮。前作の杉本哲太はどうしても若いイメージがあるのと、脚本上人の良さを前面に出した設定だったのとで、ある意味レナや魅音よりも違和感があった。好きだけどね。しかし今回の蔵人はかなり原作のイメージに近い。大杉の演技はもちろん一級品で、映画全体をうまく引き締めている。

作品としてどうかというと、前作と同じように「うまく作っているな」という印象だ。世界観の説明をすっとばしている分、展開もテンポがよく、飽きさせない。

ただこれも前作同様「部活」のシーンがないため、主人公たちの絆の深さを描ききれていないきらいはある。オカルト的な恐怖感をあおるよりも、何やら巨大な陰謀が動いている、というところをにおわせるあたりは原作の雰囲気を踏襲している。

また原作の持っている「美少女ゲーム」という側面のかわりに、ここかしこにさりげなく挿入されるエロチックな映像によって風味づけられているのがミソだ。

雛見沢村の美しい自然もよく再現できていたと思う。特に今回は夕日の使い方が印象的で、クライマックスの屋根の上での格闘戦は実に美しかった。まあ戦っていたのはどちらもスタントマンだが。また、夕映えの中、台所で夕餉の支度をする梨花と沙都子の姿は、絵画のような完成度の高い映像で息を呑んだ。

できればこのキャスト、スタッフでもう1作できないかな、と思う。昨年は原作の「鬼隠し編」しかプレーしていないだけのライトなファンだったが、今年は原作は全編プレー済み、アニメ版も全部おさえたそれなりのファンとして観たわけだが、そう感じることができた。実写化、映像化はどうしても抵抗がある、という人にはお勧めしないが、それなりに魅力的な映画に仕上がったのではないか。

上映終了後の舞台あいさつ。監督の及川中、原作の竜騎士07、前原圭一役の前田公輝、松山愛里、飛鳥凛、あいか、えれが登場。狙いどおり、えれは自分の席から至近の位置だ。

発言要旨は次のとおり。

及川「感想は人それぞれだと思うが、『ひぐらしのく頃に』という壮大な原作があり、それを基に映画づくりをせいいっぱい頑張ったということは分かっていただけると確信しています。皆さんが観に来てくれたことは本当に幸せ。心から感謝しています」

前田「自分はどちらかというと人を『ドンマイ』と励ますタイプ。今回の圭一は自分を犠牲にして人のために戦うという役どころで、自分にリンクするものがありました。友達に対する熱い気持ち、親友への信頼は自分に近いと感じています」

松山「(今回のレナ役は)すごく難しかった。トーンの落ちた状態から入っていくので、そこからどう変化をつけていけばいいのか分かりませんでした。撮影現場では、みんなとわいわいさわぐような楽しいシーンがなかったので寂しかったけれど、その分役に入り込めたのかな。最後の屋根のシーンはとても印象的でした」

飛鳥「(続編が決まって)とても楽しみでした。前回も楽しかったし、たくさんのことを吸収でき、役に対する気持ちも沸いてきた。新しい『ひぐらし』で、新しい自分をどう見つけられるだろう、という気持ちで撮影に臨みました。撮影期間の約1カ月、いろんなことがありました。前作よりも、自然な気持ちを表現するシーンが多くて難しいと感じましたね、普段の自分が持っているはずの感情なのに。でもゴミ山のシーンではレナへの熱い気持ちが自然に出てきて、本当に号泣してしまいました。こういう風に気持ちを作るのか、と発見することができました」

あいか「このスタッフ、キャストの方々とまた仕事ができた、ということで、感謝の気持ちでいっぱい。演じるときは監督に言われて、素の自分の『謎っぽさ』をありのままに出して頑張りました」

小野「(最初、マイクがなくてエアーマイク。飛鳥が気づいてマイクを渡す)フー、何度目でも(舞台あいさつは)緊張するものですね。えっと何でしたっけ。AKB?はい、AKB48です。(質問を聞き直す)はい、前作が公開されてすぐに、メンバーのみんなとは続編やりたいね、って話をしてて、そのためには大ヒットしてくれないと、って願ってたんですけど、大ヒット?になったんですよね。そのおかげで続編ができました。1作目を自分で見たとき、悔いがいっぱいあったんですよ。もっとカツゼツがよければ、とか、もっと沙都子っぽくできたんじゃないか、とか。2作目では必ずこうしよう、と決めていて、それができたんじゃないかと……60%ぐらい(笑)。次は恋人でも友達でも会社の同僚でも、一緒に誘って来ていただいて、そのときはそこに注目して欲しいです」

竜騎士07「当初、続編の話はなかったので、最初聞いたときにはびっくりしました。それで聞いたんですよ『採算は取れるんですか?それならいいんですけど』って。そしたら『大丈夫です』って言っていただいて。嬉しかったですね」

冷静に考えると、メモ取っててえれをあんまり見ていられなかったのはやや失敗だったと思う。

200904192312000

いろいろ買っちゃったよ

「ひぐらしのく頃に 誓」公式ウェブサイト
http://www.higurashi-movie.com/

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Bunkamura「ドゥ マゴ パリ」のランチ

「ひぐらしのく頃に」を観たシアターTSUTAYAはBunkamuraのほど近く。終わったのが1時半ぐらいなので、飯でも食おうとBunkamura内のレストラン「「ドゥ マゴ パリ」へ。

200904181442000

Bunkamuraは今年で20周年だそうだ。バブルの恩恵で企業メセナ華やかなりし頃に出来たわけで、よく20年持ちこたえたと思う。ハコだけでなく、質の高いコンテンツをプロデュースしてきたことの賜物だろう。

このレストラン「ドゥ マゴ パリ」も、バブルの象徴みたいな存在だったが、これも消えることなくずっと営業しているのだからたいしたものだ。かなり久しぶりにメニューを見ると、意外にお手ごろ価格のランチが並んでいる。

よく前は通るけれど、店内に入ったのは10年ちょっとぶりじゃないだろうか。あのときは待ち合わせだった。窓側の席に座ると、エスカレーターを降りてくる人がよく見えるので待ち合わせにはぴったりなのだ。

この日は「日替わりプレートランチ」を注文。肉、魚料理がちょっとずつ入っているというものだ。

まず上等なスープとパンが出てくる。

200904181416000

続いてこのようなプレートが。なかなか豪華だ。サラダ、フライドライス、肉、魚。思ったよりもボリュームがあり、パンも調子に乗って全部食べたのでかなりおなか一杯に。

200904181422000

コーヒーと、小さなデザートもつく。

200904181437000

これで1680円だから、休日のぜいたくランチとしては十分なコストパフォーマンスである。

今年の夏はBunkamuraにちょくちょく来ることになるだろうから、また寄ろうっと。

「ドゥ マゴ パリ」のページ

http://www.bunkamura.co.jp/restshop/magots/index.html

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2009年4月11日 (土)

四季「アンデルセン」20年ぶりの再会

※ばれます。ばれてもさほど問題のない作品とは思いますが、一応宣言しておきます。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン 佐野正幸
マダム・ドーロ 斉藤美絵子
ペーター 有賀光一
ニールス 松島勇気

「アンデルセン」である。この作品を観るのは、1987年12月の青山劇場以来。実に21年半ぶりだ。当時はタイトルを「HANS」として、サブタイトル的に「ハンス・アンデルセン」と表記していた。ちなみに当時の自分は大学一年生。厚顔の、いや紅顔の美少年の面影を残していたさわやかな青年だった。とブログには書いておこう。そのころの生活レベルではミュージカルなんてとても手が出せない財政状況だったはずだが、公演期間を見る限り、おそらく自分の誕生日だから、とフンパツしたのではないかと思う。そのあたりはさすがにあいまいだが、大学生協のチケットぴあカウンターで発券する際、大金をはたくので緊張した記憶が残っている。

ちなみに当時のキャストも紹介しておこう。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン 市村正親
マダム・ドーロ 八重沢真美
ペーター 佐藤秀樹
ニールス 加藤敬二

うひょー、すげえキャスト。ご存知のように市村・八重沢はこのとき夫婦だった。市村も、まさか自分が後に離婚してアイドル歌手と結婚するとは思わなかっただろう。八重沢だって20年後にまだ四季の舞台に立っていて、そこでABBAの曲を歌っているなんて想像もしなかっただろうし。俺もまさかこの年になるまでおんなじような生活を続けているとは……ちょっと予感はしてた。

さて久しぶりに観たHANSならぬ「アンデルセン」。おなじみ童話界の巨人・アンデルセンの若き日々を、「人魚姫」の劇中劇とバレエをふんだんに盛り込んでつづるミュージカルだ。

20年ぶりではあるが、ストーリー展開はだいたい頭に入っている。そしてその通りに舞台は繰り広げられた。

お話を作るのが大好きで、子供たちの人気者だったアンデルセン。しかしそれがもとで町を追い出され、大都会コペンハーゲンに一旗上げようとやってくる。そこで若気の至りから人妻であるプリマドンナに恋をして、舞い上がって「人魚姫」を書きプレゼント。思いは届かなかったが、これがバレエ化され大ヒットし、名声を手に入れて新しい人生を歩みだすという青春グラフィティ的な成功譚。

だが、どうも自分の中にあった印象と、何かが違う。それも大きく。

ストーリーは確かに同じである。しかし、自分はこの作品に、もっと暗いイメージを持っていた。

人魚姫の悲しい結末同様、ハンスの思いは叶うことなく、泡となって霧散してしまう。たとえ国王から勲章をもらったって、それが何だというのだ。やるせない気持ちを山ほど抱えたまま、栄光への道を「歩まざるを得なくなった」男、それがハンス・アンデルセンだった――そう記憶していたのだ。

なぜそんな思い違いをしていたのだろう?単に18歳の俺の理解力のなさがそうさせたのか。いや、当時の自分にはまだ純真な心が残っていて、金や名誉よりも好きになった人と添い遂げることのほうが価値がある、などと思っていたのか(まさか!)。それとも、単純に長い年月で記憶が勝手に書き換えられてしまったのか。あるいは……市村がそういう演技をしていたか。

今となっては確認する術はない。ただ、この舞台は単純なサクセスストーリーではなく、そういう悲しい要素が隠されているのは確かだ。ラストシーンで、国王からの勲章を使いとして持ってきたマダム・ドーロ。彼女が口にした「わが友、ハンス」という言葉に、何とも冷たく残酷な響きを感じたのは男性なら理解していただけるのではないかと思う。だって、ハンスはドーロと「友」なんかになりたくはなかっただろうから。

だから、佐野正幸演じるハンスが、嬉々としてその勲章を受け取り、わが青春に一点の悔いなし、という表情をしているのに強烈な違和感を覚えた。いや、佐野ハンスはそういう解釈なのだろうから、そこに文句をつけるつもりはない。実直でまっすぐないいハンスだとは思う。しかし、自分が抱いていたこの作品の悲しいイメージと、どうも相容れなかった。

その点、やはり市村は、ハンス・アンデルセンの「恋しさとせつなさと心強さと」を表現していたように思えてならない。

作品としては、派手な面白さはないものの心温まる良作だし、バレエが好きな人にはおすすめだろう。「人魚姫」の劇中劇は、昨年末にブロードウェーで観た「リトル・マーメイド」よりずっと水中の世界のように見えて、改めてバレエの力に感服した。でもまあ、バレエに興味ないとちょっと眠くなるかもしれない。眠気を感じたら松島勇気のもっこりタイツを刮目して目に焼き付けよう。あれを見るだけでも劇場に足を運ぶ価値があると思うぞ。

20年前の加藤・八重沢コンビ。真美さんあんまり変わってないね

「アンデルセン」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/andersen/

      

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AKB48チームK 5th Stage「逆上がり」公演初日

K4千秋楽から1週間、早くもK新公演の幕が上がった。幸運なことに当選。公演の中で、野呂佳代がメールの抽選倍率について口にしたが(運営批判に応えた情報公開の一環か?)先週の千秋楽はメール応募数4700通、この日の初日公演は5200通の応募があったらしい。遠方優先席や女性・児童シートなどもあり、関係者招待もあるだろうから単純には計算ができないが、この数と劇場定員250名だけを考えに入れれば競争率は20倍を超える。通常公演の倍率も推して知るべしだ。

早野薫が卒業し、近野莉菜が加わった新生チームK。しかし千秋楽を休んだ成瀬理沙は椎間板ヘルニアだったことが判明。長期戦線離脱を余儀なくされ、波乱の船出となった。

これまではオーバーチュアが鳴り響く間に幕が開いていたが、この公演ではオーバーチュアが完全に終わってから幕が開いた。チームAの5th Stage「恋愛禁止条例」と同じパターンだ。

すると、舞台上には大島優子ひとり。これもA5と同じ。しかし歌いだすのではなく、なにやらセリフを言い始める。そこに河西智美や宮澤佐江がからむ。さらに秋元才加が参戦。みなマイクを使わない生声で、客席のざわめきとあいまって聞き取りにくい。しかしどうやら設定は学園ものの様子だ。高校をやめたい、という優子を止めるとも〜みやさえ、そしてあえて突き放す才加。ほんの寸劇だが、仲間の大切さを訴えかけていく。そこにメンバー全員が現れ、中原中也の「汚れちまった悲しみに」を唱えはじめる。

感動的なオープニングだが、これを毎回見せられるのかと思うと正直ちとキツい。そして「汚れちまった悲しみに」と聞くと、自分としてはどうしても「魁!!男塾」テレビアニメ版のオープニングを思い出してしまう。

続く最初の曲は、仲間の絆を歌ったスローな曲で、K4の最後の曲「絆」から続いているような雰囲気だ。そして2曲目が表題曲の「逆上がり」。明るく、そしてKらしい力強い歌詞で、会場の温度も急上昇だ。

3曲目に入ると、ひとり見慣れない人がいる。いや、見慣れているんだけど、Kじゃない人がいる。顔はよく見えないが、この大きな動きは……研究生の岩佐美咲じゃないか!てことはなるるのアンダーである石田晴香とバトンタッチしたのか?と思ったらはるきゃんはちゃんといる。ばかな、舞台上に17人いるのか!?と慌ててひとりひとり確認してみると、なんと優子がいない。一体どうしたというのだ。

4曲目が終わり、自己紹介MCでふたたび優子登場。なんでも、喉の調子が悪く、あさって手術をすることになったのだそうだ。もともと休みの多いところに、なるるに続く長期戦線離脱宣言。会場に激震が走った。

続いてユニット曲。メンバーの割り振りはこんな感じ。

梅田彩佳、大島優子、松原夏海、野呂佳代
小野恵令奈、小林香菜
大堀恵、奥真奈美、近野莉菜、増田有華、宮澤佐江、石田晴香
河西智美、倉持明日香、佐藤夏希
秋元才加

まずは自発的ダンスユニット「梅島夏代」が初めてオフィシャルな活動として登場。エグザイルもどきの歌と衣装で会場を沸かす。続くえれ・カナの2人ユニットは70年代チックな王道アイドルの衣装で舞台狭しと動きまわる曲。個人的に最高。そのあと6人も出てきたのでこのあとの人数構成はどうなるんだ!と思っていたらびっくり仰天の秋元才加ソロ。沢田研二の「憎みきれないろくでなし」のような帽子をかぶり、得意の尾崎豊ばりの熱唱だ。

その後の全員曲は、Kらしい力強い曲が続いた。動きの激しい曲が多く、岩佐の大きな動きが見ていて楽しかった。

全体的に、K4のときのようなエロあり企画ものありといった強烈なインパクトはなく、完成度で勝負しようという雰囲気のセットリストだ。何でもありが好きな自分としてはややオモシロさに欠ける気がした。A5を初めて観たときの印象に近い。まあ好き嫌いは人それぞれで分かれるだろう。

今回、石田はるきゃんはユニットにも出ていたが、この公演ではメンバーが休演したとき、研究生が入るのか、それとも他のメンバーがスライドしてくるのか、そのあたりはまだよく分からない。

残念ながらバックダンサーの出番はなし。研究生は研究生公演に力を注げ、ということか。

K4は1年近くのロングランになったが、今回はどうなるか。できれば「ひまわり3rd」も観たいものだ。

AKB48の公式ウェブサイト

http://www.akb48.co.jp/

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2009年4月 5日 (日)

AKB48チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」公演千秋楽

チームKの「最終ベルが鳴る」千秋楽。幸運にも当選して入場することができた。この公演は昨年5月の初日も観覧しており、初日・千秋楽ともに参戦できたのは何ともありがたいことだ。

この公演は卒業する早野薫のラスト公演でもある。鉄の団結を誇るチームKからひさびさの卒業生だ。すでにその欠員は研究生・近野莉菜で埋めることが決まっている。A、Bはなかなか16人がそろわないが、チーム力が一番のアピールポイントであるKはそうはいかないのだろう。

この日、残念ながら体調不良とのことで成瀬理沙が休演。しかし体調が良くないのはなるるだけではなかったようで、小野恵令奈は発熱で昼公演をキャンセルしていた。それでも夜の千秋楽公演は強行出演。1曲目から明らかにえれぴょんは具合が悪そうで、無理はしないほうがいいと思ったが、その必死な姿勢こそKを象徴するものだ。

初日にびっくり仰天した「おしべとめしべと夜の蝶々」。セリフの所では河西智美が「私のこと、愛してる?」と言うといつもなら大堀恵みが「ふふふ、どうかしらあ~」と言うのだが、この日は「愛してる」と返した。河西も「私も愛してる!」と叫んで抱き合う二人。河西は「甘い股関節」のノルマ達成が難しそうになったとき、大堀に「あと何枚足りないの?ともが全部買ってあげる!」とある意味スレスレな発言をしたそうだが、この2人の友情は本物だ。

とも~みと言えば、アンコールの「メロスの道」で、えれと腕をぶつけて闘うような仕草をする場面で、えれの腕をきゅっとにぎり「がんばれ」とささやいたそうだ。もともとこの曲に思い入れがあったというえれはこの瞬間泣き出してしまい、みんなにハーゲンダッツをおごることになった(一番先に泣いたメンバーがそうする約束になっていたらしい)。しかし、ここというタイミングで涙が出るのも、アイドルの重要な資質だ。さすがである。

卒業セレモニーでは早野以外のメンバー全員の名前を書いたTシャツを早野にプレゼントし、かおりんがそこに自分の名前を書いた。ここまでは感動的な場面だったが、秋元才加が「これで全員の名前がそろったから……着て」と着用を強要。衣装の上からTシャツをもぞもぞと着る姿はコントのようで客席は暖かな笑いに包まれた。そして21時を過ぎたので奥真奈美は下がったが、それ以外のメンバーでK3rdの名曲「草原の奇跡」を熱唱。最後はやはり感動的に終わったな、と思ったら一列に並んでのごあいさつで、後ろに下がりすぎて舞台のドンデンが回ってしまい早野らがずっこけてしまう。ふたたび会場は大爆笑。笑いあり涙あり、の実にKらしい千秋楽となった。

終演後は、「みなさんとのご縁がこれからも続きますように」と、観客全員にメンバーが5円玉を配るという渋いイベントが行われた。メンバー全員が横一列に並び、好きなメンバーから受け取るという観客にもメンバーにもキツいシステム。優子・えれが行列になるのは当然で、早野もこの日は人気だろうと思ったので、一度話してみたかった松原夏海の前へ進んだ。性格の良さで知られるなっつみいだが、まっすぐに向けてくれたその視線は本当に澄みきっており心を打たれた。「新しい公演も観に来てください!」ええ、行きますとも。5円玉の入った袋はメンバーのサイン入り。誰のだろうと思ったら優子のだった。なっつみい、そんなところに気を使ってくれなくても…。

来週からはさっそくK5th公演が始まる。メンバーの大きく変わったA、Bと違い、1人入れ替わっただけで新公演に臨むK。その団結は健在ということか。抽選にいつ当たるか分からないが、早く見たいものだ。

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AKB48公式ウェブサイト
http://www2.akb48.co.jp/index.html

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2009年4月 1日 (水)

卒業ソングといったら「グラジュエイション」で決まり

今年も4月1日になりました。

いつも、もっと前からちゃんと考えておけばよかったと後悔しながら年に一度更新しているこのブログ。円谷プロの熱意とセンスを見習いたい!

http://kingdom.cocolog-nifty.com/dark_side_annex/

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2009年3月29日 (日)

AKB48 チームA5th公演「恋愛禁止条例」まとめてエントリー

昨年10月19日に始まったチームAの5th公演。それなりに観てはいるのだが、なかなかエントリーを上げるキッカケがなかった。しかし、そうこうしているうちにのぞフィスに続き、まいまいまで卒業してしまった。ここでまとめて記録しておくことにしよう。

劇場公演は現在完全メール抽選制で、ハズレが続くとモチベーションが次第に下がっていく。この日は行きたい!という日に当たらないと、確かに心が折れる。自分は新参だったからなのか幸いにもかなりいい確率で当たっていたが、このA5の開始と前後して当たらなくなってきた。ファンの数もそれだけ増えてきたということなのだろう。

初日はあえなく敗退。しかし、「メン☆ドル」の撮影期間と重なり、初日にもかかわらず小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみのノースリーブス(no3b)が休むという異常事態に。ならば俺もこの3人が戻るまでA5は見ないことにしよう、と心に誓い、ネット配信も一度見たきりでガマンしていた。だが、気になることにA4thリバイバル公演「ただいま恋愛中」では休みがちだった大島麻衣と篠田麻里子の出席率がすこぶるいい。ということは、no3b復帰後は、入れ違いにこの2人が出なくなるのでは・・・。

その予想は当たり、結局A5thでメンバーが全員そろった状態というのは川崎希卒業までの期間で数えるほどしかなく、自分はついぞそれを目撃することができなかった。まあもともと16人そろわない状態でスタートしたこともあり、「チームA+研究生」が前提の公演ではあるが。

ともあれ、見学したA5thの全記録。

<1回目>

(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、小原春香、高城亜樹、近野莉菜、中塚智実、野中美郷、藤本紗羅
(休演)
大島麻衣、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、峯岸みなみ

実はこの公演、メール抽選応募時点では「メン☆ドル」主役の小嶋を残し高橋、峯岸の劇場復帰が発表されていた。しかもこの日は俺の戸籍上の誕生日。そしてありがたいことにメールも当選。いやっほうと小躍りして喜んでいたら、前日になって2人が休演になってしまった。心の中で何かがボキッと折れる音がした。

しかしせっかく当たったのだ、キャンセルするという選択肢は俺にはない。ついに初めて目の当たりにしたA5thのセットリスト。ファーストインプレッションは――何というか、印象が薄い公演だ。

宮崎美穂のソロ(後で分かったことだが、たかみなのアンダー)で始まるオープニングは意外ではあったが、「ただいま恋愛中」のようにぐっとステージに観客を引き込むような吸引力はない。アップテンポで盛り上がる曲も少なく、全体曲では後半まで出てこない。ユニット曲は佳作ぞろいだが、「おしべとめしべと夜の蝶々」のようなインパクトのある曲はない。なんというか、全体的に「薄い」のである。アイドル路線の王道を行く、女の子らしさ全開がチームAのカラーだが、それがどうも伝わってこない。

メンバーも約半分が研究生、佐藤由加理はまだ体調が全開せず、途中曲からの参加だったが、MCではゆかりん一人で持っていたような感じだ。しかし、この日出演したチームAオリジナルメンバーはどちらかというと薄味のグループであり、昇格組はまだどことなく研究生の殻が取れない。そんなわけで、この公演は研究生公演にあっちゃんが参加している、という感触だった。

しかしこの時点で、小原春香と高城亜樹はすぐ昇格させていいように感じた。

<2回目>

(チームAメンバー)
川崎希、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
石田晴香、内田眞由美、瓜屋茜、小原春香、高城亜樹、中塚智実、野中美郷
(休演)
板野友美、大島麻衣、小嶋陽菜、篠田麻里子、前田敦子

その後no3bも合流し、年末年始には全員集合公演もあったが、旅行で応募を見送ったり、応募したが落選だったりで観覧できず。少し間を置いたが念願のWみなみオンステージだ。入れ違いにあっちゃんが休んでしまったが。

やはりたかみなが出ると舞台の熱量が全く違う。そしてみいちゃん。みいはどの曲でも常に表情を自分の解釈で作り、いわば演技をしながら歌っているのが素晴らしいのだが、この公演、特に前半の全体曲で、彼女は満面の笑みを浮かべていた。これまで見たこともないような120%の笑顔だ。

その表情を見て、ようやく自分はこのセットリストの目ざすものに気が付いた。やはりこの公演はチームAならではのものだ。チームAの持つ圧倒的なオーラをあえてストレートに出すのではなく、弱めの曲で、少し引いた形で表現しているのだ。

もしこのセットリストをチームA以外がやったなら、本当にただの印象の薄い公演になってしまう。しかしチームAなら違ってくる。ものすごい美人が、ばっちりメイクやファッションを決めるのではなく、さりげないおしゃれをしているような、そういう都会的な雰囲気をかもし出すことができる。

だから、みいはチームAの持つ女の子オーラを全開にしてこの公演に臨んでいるのだ。おとなしめの曲で薄められてちょうどよくなることを計算に入れて。やはりみいちゃんはすげえや、と感心することしきりだった。

<3回目>藤江れいな生誕祭

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(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、野中美郷
(休演)
大島麻衣、篠田麻里子

そうこうしているうちに本当にあきちゃがチームAに昇格してしまった。小原春香も前後してチームBへ。春ちゃんがAの舞台から姿を消したのはちょっとさびしい。

さて、この日の休演はまいまいと麻里子様の2名だけ。ようやくチームAの全貌が見えてきた。この日はキャンセル待ちだったが、抽選入場対象外(つまり立ち見)で入場できた。藤江れいなの生誕イベントでは、まいまいからの手紙が読み上げられ、感動を呼んだ。そしてその後、れいにゃんが実にしっかりと抱負を述べていて感心した。MCの弱い子、という印象があったからだ。後で知ったことだが、まいまいがMCについていろいろアドバイスをしていたようである。感心といえば、あみなの仕切りもソツがなく、とても良かった。彼女はA昇格からMCを意識して頑張っているのがうかがえたが、A5thに入って飛躍的に良くなってきたようだ。この日も公演中のMCコーナーで、ひまわり1stの「僕とジュリエットとジェットコースター」が「僕とジュリエットとJC」と書かれているのを見て「僕とジュリエットと女子中学生」という曲だと信じ込み「こりゃあ頑張らなきゃなあ」と思った、という話はかなりウケていた。勘違いしただけでも話はオチるが、「女子中学生」という言葉に反応するのが実にあみならしかった。

<4回目>
(チームAメンバー)
板野友美、川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、篠田麻里子、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、野中美郷
(休演)
大島麻衣

いよいよ休演が1人にまで絞られた。そしてやっとA5thの麻里子様にお目通り。最強のキレイさは言うまでもないが、そのすっとぼけたMCが本当にいい味を出している。MCといえば、内田眞由美と峯岸みなみの抗争アングルがこの日からスタートした。みいちゃんがMCの中で「キッズ・ウォー」の井上真央の役をやって、机を蹴り飛ばしたい、と言ったのに対し、以前からキッズ・ウォー時代の井上真央に似ているとして研究生公演でモノマネなど披露していたうっちーが「蹴飛ばしていたのは机ではなくて椅子」と食いつき、そこからバトルに発展した。その後の公演でもこの2人はよくぶつかっているらしい。内田眞由美は計算してMCのできる子であり、みいちゃんもそれを見込んで敵役に選んだのだろう。

<5回目>川崎希卒業公演

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(チームAメンバー)
川崎希、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
内田眞由美、瓜屋茜、近野莉菜、野中美郷
(休演)
板野友美、大島麻衣、篠田麻里子

結局チームA全員がそろった状態を見ることができないまま、のぞフィス卒業を迎えてしまった。この日も3名が休演。結局「小嶋陽菜、大島麻衣、川崎希」という正規メンバーの「ハート型ウイルス」はついぞ見ることができなかった。その曲中のセリフは、大島か小嶋、またはそのアンダーが担当しているが、この日は小嶋が川崎に促し、のぞフィスが担当。「ぜったいありえない!そう思ってたけど、私、あなたのことが好きみたい!」で会場が大いに沸いた。

最後のセレモニーでは、全員が手作りした卒業証書を佐藤由加理が読み上げる。なかなか感動的な場面だった。そして休演だった板野・大島も私服姿で登場。麻里子は大阪で仕事のため駆けつけることはできなかったが、その直前の公演に、当初の予定を変更して海外から帰国した足で強行参加したのは、最後にのぞフィスと同じステージに立とうとしたからなのだろう。

全体的には、のぞフィスらしい、暖かくてほんわかした雰囲気で進んだ卒業公演だった。

<6回目>
(チームAメンバー)
大島麻衣、北原里英、佐藤亜美菜、佐藤由加理、篠田麻里子、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
石田晴香、内田眞由美、近野莉菜、野中美郷、松井咲子
(休演)
板野友美、小嶋陽菜

やっと大島麻衣を出演を見ることができ、バラバラにではあるが一応全員コンプリートとあいなった。大島・篠田がそろうのは本当に貴重だ。A4R以来のまいまいは、やはり存在感が大きい。ひまわり組のころは、テレビでの露出が多いわりに劇場での声援は他の人気メンバーと同じぐらい、という感じだったが、新しいファンが増えているのかひときわ大きい声援を獲得していた。まいまいは、客のいじり方というか、コミュニケーションのとり方が非常にうまい。バラエティー番組での如才なさはご存知の通りだが、やはり彼女はこうしたライブ・エンターテイメントで力を発揮するタイプなのではないか。

この日から、川崎希ポジションに7期研究生の松井咲子が登場。上遠野瑞穂と並ぶ7期研究生の美人顔代表だ。この日の昼公演(自分が見たのは夜公演)で麻里子様に「せんたん子」(『さき』だから)という微妙なアダ名を付けられてしまったが、この夜公演ではまいまいに「せんたんこだったら、ちんすこうのほうが良くない?」とさらに訳のわからないネーミングをされ、「もう原型がないんですけど~」と困っている様子が何とも可愛い。ちなみにこの春に高校卒業なので、研究生の中では年長さん。

<7回目>大島麻衣ラスト公演

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(チームAメンバー)
板野友美、大島麻衣、北原里英、小嶋陽菜、佐藤亜美菜、佐藤由加理、高城亜樹、高橋みなみ、中田ちさと、藤江れいな、前田敦子、峯岸みなみ、宮崎美穂
(研究生メンバー)
瓜屋茜、野中美郷、松井咲子
(休演)
篠田麻里子

やっと5thで初めて見られたと思ったらもう卒業である。4月のコンサートには出演するので、正確には卒業公演でなく、劇場公演の卒業、ということだ。残念ながら麻里子様はお休みで、この日も現役正規メンバー全員集合とはならなかった。

AKBで最も一般的な知名度が高く、オリジナルメンバーとしてその貢献度は計り知れないまいまいの卒業だが、A4R千秋楽の5人卒業の時のようなピリピリした雰囲気はなかった。まいまいも普段どおりに、自然体で、客席いじりまくりの楽しい公演だった。

「ハート型ウイルス」のセリフはもちろんまいまい。セリフをアレンジして「ぜったいありえない!そう思ってたけど、私、本当に3年間楽しかった。みんなのことが好き!」と叫ぶ。言うまでもなく客席はヒートアップだ。

MCでは、藤江れいなが学校で指揮者を務めたことがある、と話したところ「じゃあやって見せてよ。お客さんが、『会いたかった』歌ってくれるから」と、前代未聞の観客への無茶振り。まいまいでなくてはできない芸当だ。

最後の曲のあと、「桜の花びらたち」を歌う。その曲の中で、藤江れいなから預かった(この時点で21時を過ぎていたため、藤江は舞台袖に下がった)手紙を高橋みなみが読み、プレゼントを手渡す。いまいちたかみなとの呼吸が合わないあたりが、なんともチームAらしい。そしてオリジナルメンバーである峯岸、小嶋、板野、 前田、佐藤由加理、高橋の順で花束を渡す。そしてそのまま曲が終了し、まいまいからごあいさつ。寒い中お台場でイベントをしたことなど、苦労話を交えながら、この3年3カ月の充実ぶりを振り返った。最後は「ソロになっても、応援よろしく!」と力強く。

まいまいは自身もキレイだし話もうまいけど、周りの人間をうまく立てることができる稀有なアイドルだと思う。だからこれだけテレビの世界でも重宝されているわけだが、AKBにおいてもその才能は極めて大きかったのではないか?確かに公演に出ることは少なかったが、やはりその穴は小さくない。AKB全体が今後どう影響を受けるのか。いい方向に傾くことを期待しつつ見守っていきたい。

抽選に当たりにくくなった、とか言いながらも、考えてみると節目の公演にかなり参加できており、自分は幸せ者だ。いつも感謝、である。

AKB48の公式ウェブサイト

http://www.akb48.co.jp/

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2009年3月22日 (日)

劇団☆新感線2009春興行「いのうえ歌舞伎・壊(PUNK) 蜉蝣峠」

作・宮藤官九郎
演出・いのうえひでのり

闇太郎 古田新太
天晴 堤 真一
お泪 高岡早紀
銀之助 勝地 涼
サルキジ、おるい 木村 了
がめ吉 梶原 善
流石先生 粟根まこと
お寸 高田聖子
立派の親分 橋本じゅん
お菓子、やみ太郎 右近健一
善兵衛、アンパンの旦那ほか 逆木圭一郎
牛角ほか 河野まさと
お蓮ほか 村木よし子
うずらの親分ほか インディ高橋
お葉ほか 山本カナコ
ぶた彦ほか 礒野慎吾
関東取締出役・吉田ほか 吉田メタル
やみ太、女郎ほか 中谷さとみ
お光、女郎ほか 保坂エマ
蟹衛門ほか 村木 仁
平太ほか 少路勇介
猪公ほか 川原正嗣
十始末ほか 前田 悟
流しの太鼓たたき 教祖イコマノリユキ

「いのうえ歌舞伎」を宮藤官九郎が書く。2006年の「メタル マクベス」でもすさまじい火花を散らした新感線+宮藤のタッグ。あのときはシェイクスピアという巨人を介して真正面からぶつかった2人だが、今度は「いのうえ歌舞伎」という新感線のホームグラウンドに宮藤が乗り込む格好だ。

2005年の「吉原御免状」以来、本公演の柱である「いのうえ歌舞伎」を「いのうえ歌舞伎第二章」としてさまざまな試みを続けている新感線だが、今回は座付き作家の中島かずきでなく宮藤が書くわけだから、これはまた大きな挑戦だ。

いのうえ歌舞伎というより、ギャグ満載の「ネタもの」のようにコントタッチで始まった舞台。しかし、その舞台にはこれまでのいのうえ歌舞伎にはない、血なまぐさい匂いが漂う。中心的な場面となる「ろまん街」は、まるで「座頭市」に出てくる宿場町のように死と絶望が満ちていた。

そこで描かれるのは、宮藤官九郎いわく「説得力のある嘘とリアリティのない真実」だという。それを背負い込んで生きる男・闇太郎を古田新太が演じる。闇太郎には過去の記憶がなく、今の現実にもこだわりがない。ただただ未来を信じて生きようとする。そこに、過去の執着を捨て切れず、今を否定し、野心に生きようとする男・天晴を演じる堤真一と、今を固定するために百回を超える結婚式を繰り返す男・立派の親分を演じる橋本じゅんがからむ。この男3人に、一癖も二癖もある老若男女がかかわってくるその構造はかなり複雑だ。キャラクター同士がどういう角度で交わっているのかを読み解くのは困難を極める。

正直なところ、まだ自分はその解が見つけられていない。だが、もう考えるのはやめた。それぞれの登場人物の生き様をじっと眺めているうちに、そのキャラクターが背負ったものがうすぼんやりと、さながら「かげろう」のように見えてくる。それでいいような気がしている。

これは中島かずき版いのうえ歌舞伎とは対極的だ。中島版では、キャラクターの対立や連携の構図が極めて明確であり、その構図をくるくると展開させて観客を楽しませる。

これに対し、今回サブタイトルには「いのうえ歌舞伎・壊(PUNK)」という文句が掲げられた。

宮藤は、「メタル マクベス」のパンフレットの中で、「自分はパンクバンドの人なので、メタルには思い入れがない」と言っていた。パンクとメタルとの違い、これが中島かずきと宮藤官九郎の違いになぞらえられそうだ。ハードロックの進化系として、さまざまな理論やこだわりによって築き上げられたヘヴィメタルと、そうした音楽だけでなく、時代や社会への反抗がベースにあるパンク。これまでのいのうえ歌舞伎は、まさしくメタルだった。精緻に計算された美しい脚本をベースに繰り広げられる、安心感をもって観ることができる、それがいのうえ歌舞伎だった。しかし今回のいのうえ歌舞伎はパンクである。観客に安心して観ることを許さない、アンチテーゼに満ちた極めて不安定な世界。それがこの「蜉蝣峠」である。

宮藤のパンクな感覚、人や社会の汚さ、残酷さに目を背けず、それでも前向きに生きていこうとするその姿勢を、虚構の面白さを徹底的に追求するいのうえ演出が覆い隠したり隠さなかったり、それにはらはらしているうちについついのめりこんでしまう、そんな作品だ。

ネタもの一番、歌舞伎は二番、という邪道な新感線ファンとしては、暗さ、重さに耐え切れないところも正直ある。観ておくべき作品ではあるが、こういう血なまぐさいテイストが苦手な人は、無理して観なくてもいいんじゃないか、という気がしないでもない。

いのうえ歌舞伎第二章の冒険は今後も続いていくだろう。でもネタものもよろしくお願いしたい。そういえば、なんで「犬顔家の一族」のDVDは出ないんだろう。確かにいろいろやばいネタ満載ではあったが、ぜひとも手に入れたいものである。

Kagerou

「蜉蝣峠」公式サイト

http://www.kageroutouge.com/

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2009年3月21日 (土)

映画「ワルキューレ」

最近はすっかりサイエントロジーの人というイメージがついてしまっているトム・クルーズ。しかし彼の演技力は本当に素晴らしいと思う。

そのトム・クルーズが、実際にあったヒトラー暗殺計画の首謀者を演じる。そして監督は「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー。これは期待しないほうが無理というものだろう。

そしてその期待通り、久しぶりに骨のある男の映画を観た、という確かな手ごたえを感じさせてくれる映画だった。実話に基づいているだけに、過度にエピソードを盛り込むことは避け、この世紀の暗殺計画について、その発端から終了までを目一杯の緊迫感で描いている。

この映画には、余計な味付けのない、レアのステーキを一気に食らう快感がある。しかしそれは味付けをしていないのではなく、素材のうまみを、最小限の調味料だけで最大限に引き出しているのだ。だから自分もつべこべ言わない。

ただ一言、男なら迷わず見るべき傑作。

Valkyrie

映画「ワルキューレ」公式サイト

http://www.valkyrie-movie.net/

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映画「釣りキチ三平」

ドラゴンボールだ、ヤッターマンだと騒いでいるが、この春、「実写化」で何といっても注目なのはこの「釣りキチ三平」だろう。

原作が好きということもあるが、最大のポイントは一平じいさんを渡瀬恒彦が演じる、という点だ。

原作の三平一平は、その風貌から一見好々爺のようだが、実はなかなかダンディーで、ちょっとお茶目な側面もあるという魅力的な人物である。そして三平に向けるまなざしは優しいが、家族を次々に亡くした三平に対し、決して人の同情に甘えるなと諭す厳しさもある。そして全国の釣り師があこがれる和竿づくりの名人。とにかく、どこまでもカッコいいキャラクターなのだ。

そのイメージからすれば、渡瀬恒彦というキャスティングはばっちりだ。「タクシードライバーの推理日誌」の夜明日出夫も、最近はすっかりいいおじさんになってしまったが、シリーズ開始当初は、常に美女につきまとわれる色男だった。渡瀬なら、厳しさ、優しさ、チャーミングさを全て表現できるだろう。そう期待していた。

そしてスクリーンの三平一平は、全くもって期待どおりだった。冒頭から味のある表情と印象的なセリフで、見事に一平名人が実体化している。脚本、監督、俳優すべてがこの役に対しぶれのない共通認識を持っているからこそできた業だろう。

さて、この映画のテーマは原作と同じ、自然の中でのびやかに生きることの素晴らしさ。そして三平という決して幸福な星のもとに生まれたわけではないが、常に明るく前向きに生きる少年と、それを見守る一平という二人の人物の魅力に誘われてかかわってくる人物たちの人間模様を描くことだ。

全編の秋田ロケは、そのテーマの前半部分を理屈ぬきに実現した。そして後半については、やや原作よりも三平と一平、そして鮎川魚紳をやや子供っぽく描き、この「3人の子供」と、対極的な存在である愛子というオリジナルキャラクターによって、より鮮明に描き出していた。

ストーリーとしては、他愛のない、と言っていいほどシンプルなものだ。しかし、脚本、演出、俳優の演技が一体となって作り出した完成度の高さは、なんともいえない心地よさを観る者に与えてくれる。昨年「おくりびと」を観たときにも書いたが、滝田洋二郎という監督は特にお気に入りというわけではないのに、常にその作品を劇場で観てしまう、そしてそれなりに満足感を与えてくれる、フシギな縁のある監督さんである。

Sanpei

映画「釣りキチ三平」公式サイト

http://www.san-pei.com/

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映画「ヤッターマン」

かなり早い段階からプロモーションがスタートし、もはや食傷気味になってきたところでやっと公開された実写版ヤッターマン。

タイムボカンシリーズは好きだけど、特段ヤッターマンに思い入れもないので当初はさほど興味はなかったが、深田恭子のドロンジョというナイスなキャスティングが発表されてからは大いに興味がわいていた。恭子りんのエッチなコスプレ姿が観られるというだけで、劇場に足を運ぶ理由は十分すぎるほどだ。そこに、「櫻の園―さくらのその―」の初日舞台あいさつで見てだいぶ気に入っている福田沙紀がヤッターマン2号というおまけつきだ。こりゃあ楽しみである。

その恭子りんのコスプレは期待以上の出来で、ドロンジョ姿もいいが、他にもいろんな衣装で楽しませてくれる。そして胸の谷間は常に全開。そして恭子りんだけでなく、三池崇史監督は観客のツボをよくお分かりのようで、福田沙紀や、オリジナルキャラクターの翔子を演じる岡本杏理にも、微妙にエロな演出をほどこしている。こりゃあ実に教育によくない映画だ。

なので十分に満足した。「天才ドロンボー」の恭子りんのふしぎなおどりと調子を外した歌声だけでも、この映画は観る価値がある。

実際のところ、なかなか面白かった。クライマックスの戦闘シーンがちょっとダレた以外はテンポもいい。本編の演技はかなりアレで、特に福田沙紀は相変わらずやる気が感じられず(だがそこがいい)、アクションシーンも全体的に真剣さがなくユルユルだけれど、CGの出来の良さで救われている感じだ。実写版ドラゴンボールのエントリーで「本編の出来の悪さをポストプロダクションで救うことはできない」と言ったけれど、さっそくその認識を改めなくてはいけないようだ。

Ytm

映画「ヤッターマン」公式サイト

http://www.yatterman-movie.com/

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2009年3月15日 (日)

残念映画「DRAGONBALL EVOLUTION」

とっても残念な映画、実写版ドラゴンボール。

でもそれは、世間で言われるように「原作と違いすぎ」「馬鹿映画を超えたトンデモ映画」といった理由ではない。

自分が感じているのは、この映画はうまく作れば大傑作、とはいかなくても、自分の大好きな映画にはなったのに――という残念さだ。

もともと自分は漫画や小説を映像化した場合、それは違う作品として見ることにしている。メディア・イズ・メッセージ。メディアが変わればコンテンツが変わるのは至極当たり前のことだ。

だからといって、原作に忠実たらんとする姿勢を否定するわけではない。同じ世界観を別のメディアで再現する、というのは、それはそれで新しい価値を作り出す行為だからだ。

本作は、事前に「別物として見るべき」という噂が先行していた。だが実際に見てみると、この映画は驚くほどドラゴンボールである。

原作初期の、ドラゴンボール争奪戦を面白おかしく描く、という雰囲気がとてもよく出ている。登場人物も、チョウ・ユンファ演じる武天老師は強さとスケベさが同居したハマリ役だし、ブルマやヤムチャも漫画のイメージをうまく実体化していたと思う。チチは原作の雰囲気とはずいぶん違うが、悟空に対し一歩も引かない強い女性、という面はまさしくチチだ。悟空はもっと原作の素朴な感じが欲しかった気もするが、米国人が吹き替え版で見たアニメ版の悟空は、意外とあんな雰囲気なのかもしれない。

時代錯誤の日本や中国のような街や人も出てくるが、もともとドラゴンボールの世界は無国籍的、無時代感覚的なのだから、違和感はない。悟空が高校に通っているのは変だろう、という人もいるだろうが、悟空の息子・悟飯はオレンジスターハイスクールに通っているから、学校がドラゴンボールの世界観と全く相容れないわけではない。

原作序盤の様々なエピソードを、87分という短い時間にまとめあげるためにだいぶ無理はしているが、破綻しているとまでは言い切れない。むしろ、そこはうまく構成したと言える。

なのに、この映画は面白くなかった。

コレといった明確な理由があるわけではない。映画は総合性の芸術だし、数百人、時には数千人という人が協力して作り上げるものだ。自然にうまくいく確率のほうが低い。あえて原因を探ろうとすると、脚本はエピソードを詰め込むことには成功したが、セリフ回しやシーンの展開にはかなり荒削りなところがあり、洗練されていない。演出は、ポストプロダクトのCGの使い方は非常にうまいが、肝心の本編でのやりとりが迫力に欠けている。スター・ウォーズのエピソード1~3のように、CGの中に人間の演技をはめこんだ映画ならまだしも、やはり生身の演技の出来の悪さをCGでごまかすことはできないのだと実感した。

一時、この映画はクオリティーが低いためお蔵入りになるのではないかと噂された。想像するに、メキシコで行われた本編ロケが、うまくいかなかったのではないか。脚本家も監督もその実力を十分に発揮することができずに終わってしまったように思う。狙いはいいのに、全てが中途半端に終わっているからだ。制作予算や期間も、現場で自由にできたのはかなり限られたものだったのではないだろうか。だとすれば、それはプロジェクトマネジメントの失敗だ。

もし、狙い通りのものになれば、原作の雰囲気を押えつつも意外性を持った、観終わったあとに何も残らない見事な馬鹿映画になったかもしれない。連載開始から最終回までジャンプで読み続けた原作ファンであり、馬鹿映画の大好きな自分にとって、これ以上の幸せはない。

だからこの映画の出来の悪さは本当に残念だ。日本人キャスト・スタッフで作り直せ、という声も上がっているようだが、自分はむしろ同じスタッフ、同じキャストで、失敗した点をリカバーしてもう一度作りなおして欲しいぐらいだ。

日本人が映画化すれば違うものになった、というのは確かにそうだろう。しかし、日本映画界はそのチャレンジをしなかった。だからハリウッドがやったのだ。文句を言える筋合いではない。残念というなら、その日本映画界の現状こそ残念というべきだ。自分たち観客ももっと積極的に日本映画に足を運び、意見を述べ、大いに盛り上げていかなくてはいけないだろう。

Dbe

この映画について「ベスト・キッド」っぽい、という意見があるが、同意だ。どうしてもドラゴンボールとして観ることに抵抗がある人は、ベスト・キッド5として鑑賞したらどうか。悟飯(初代)と悟空の修行はまさしくノリユキ・パット・モリタとラルフ・マッチオを思い出させるし、チチ役のジェイミー・チャンは「ベスト・キッド2」のタムリン・トミタを彷彿とさせる。まあこの映画に抵抗のある人は、ベスト・キッドシリーズにも抵抗あるだろうからダメか。

「DRAGONBALL EVOLUTION」公式サイト
http://movies.foxjapan.com/dragonball/

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2009年3月10日 (火)

四季「春のめざめ」キャスト発表   か

5月2日の開幕へ向け、準備も着々と進んでいるのかどうかは分からないが、とにかく本日「春のめざめ」制作発表が行われた。動画中継もあったようだが、会見映像はすでにyoutubeにアップされ、公式サイトに貼り付けられている

今回は若手を中心に制作を進めていこうという姿勢の現われか、代表は登場せずに劇団専務と「演出補」を務める横山清崇、宇垣あかね、由水南、そして音楽監督のキンバリー・グリッグスビーというメンバーで会見。俳優が演出補ってことは、四季には演出プロパーの人材がいないのか?という疑問はさておき、若い世代に任せていくのは歓迎だ。

今回の会見では俳優がナンバーを披露するシーンもあったようで、その動画ももちろん見られる。注目は何と言っても「誰がベンドラを演じるのか?」だ。

で、動画再生。「MAMA WHO BORE ME」でベンドラのソロパートを歌っているのは……

……

……。分からん。

ネットに上がっている情報をいろいろ探ると、どうもこないだ京都の「夢から醒めた夢」でパレスチナの子を演じていた「林 香純」らしい。年齢的にも若そう。ちっちゃい子は岸本美香だよね?

男優陣は、いきなり三雲肇が登場。後半のソロで出てきたのは誰だろう、と思ったらライオネル役などを務めた柿澤勇人らしい。

パフォーマンスの出来はスルーしていいだろう。まだ開幕まで2カ月ある、ということ以上に、この舞台はシンプルなステージとシンプルな衣装、マイクの使い方など小技の効いた演出、そして若者の感情をストレートに表現するピュアなロック、といった要素の微妙なバランスの上に成り立つ繊細な作品であり、それらを徹底的にスタイリッシュに洗練させているのが魅力である。評価は実際のステージを観るまで分からない。

日本語歌詞は、毎回いろいろ言われるが、聞いているうちに慣れるんじゃないかと思う。確かに日本語訳するとこっ恥ずかしい内容ではあるが、もともとこの舞台はこっ恥ずかしい話なのだ。

肝心のキャスティングをどう見るか。これも難しい。正直、林香純が演じたパレスチナの子供はあまり印象がない。昔は夢から醒めた夢を見ると、かわいそうな子供たちの中に「おおっ」という若手女優が必ずいたものだが、最近はそういう経験がない。それだけ今の四季には娘役が不在ということだ(はい、ここでいろんな人を思い出さない!)。とりあえず、この動画だけでは何とも言いようがない。まあルックスだけで言えば、宇垣あかねが一番可愛かったように思うが・・・

男優陣は、三雲も柿澤もこの舞台に合っていると思った。確か、このナンバーは主役であるメルヒオールは参加してなかったような気がするが、柿澤メルヒオールならばっちりイメージ通りだ。三雲も雰囲気はいいけど、さすがにセリフの多いこの役では日本語の発音がきついだろう。

集合写真もニュース系のサイトにちらほら出ているが、そこには厂原時也や伊藤綾祐の顔も見える。やっぱりメルヒオールの本命は厂原か?こちらもイメージ通りすぎてつまらないぐらいぴったりだ。

そういうわけで、男優に関しては全く不安がない。女優については不安が払拭できない。何しろあっちであんなにプリティーなベンドラ見ちゃってるから、ハードルがとてつもなく上がっているのだ。残り2カ月でどうなるものでもないだろうが、林がいい演技を見せるのか、それとも全く別のベンドラが出てくるのか、不安に期待を上塗りして初日を待ってみたい。

 

*みかん星人さんがブログ記者として会見に参加されたようです。リンクを貼らせていただきます。
http://mikanseijin.moe-nifty.com/logbook/2009/03/post-c93a.html

 

「春のめざめ」観劇エントリー
http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2008/12/spring-awakenin.html

四季公式サイト 動画レポート
http://www.shiki.gr.jp/navi02/news/005510.html

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2009年3月 7日 (土)

AKB48「10年桜」新曲発売恒例握手会

もはや一般用語化した「AKB商法」。運営側も悪びれずに堂々とドーピングをしている。まあ、同じようなことはどのアイドルも多かれ少なかれやっているわけで、AKBだけが責められたものでもあるまい。それにAKB恒例の握手会は、いっとき数人のメンバーに対し順に握手していく、という一般的な方法も導入されたが、主流なのは「個別握手会」と称する、メンバー一人を指定して握手できるというもの。普通の握手会は「がんばってください!」と「ありがとうございます!」を同時に言って終わり、というぐらいの時間だが、この方法だと短くても15秒〜30秒ぐらいの会話が可能だ。AKBがあくまでこの効率の悪いイベント形態にこだわるのは、あくまで「会いに行けるアイドル」というコンセプトを守ろうとする姿勢と評価できる。また、個別握手会の場合人気メンバーの前には長蛇の列ができるが、そうでもないメンバーの前には誰もいない、というシビアな状況が生まれる。それもまたAKBらしさでもあると考えているのだろう。もっとも裏ではスタッフが「○○(メンバー名)、○○、○○の方、どうぞ〜」とまるで白タクの呼びかけさながらに声をかけ、列を途切れなくさせているのだが。

昔からのAKBファン、メンバーとより深くコンタクトできることを誇りに感じている人たちにとって、個別握手は欠かせないイベントなのだと思う。しかし「アイドルは遠きにありて思うもの」という世代の人間にとって、数十秒とはいえ、アイドルと話すのってものすごいプレッシャーだ。こう声をかけたらこう反応が来て・・・と、男子中学生が女子に声をかけるような、「ときめきメモリアル」の回答を選ぶような、無用というかほとんど無駄なシミュレーションを脳内で繰り返して臨むことになる。それだけに、握手を終えるとひと仕事終わったような充実感が残る。

だからライトなファンなら、2〜3人、あるいは1人と握手しただけでも十分に満足してしまう。AKB運営側は、今回そこに目をつけ、更なる売り上げ拡大策、新たなドーピング手法を打ち出してきた。

それは、握手会に加え「特別公演」と称する無料の公演を行い、劇場でCDを購入すれば抽選でそこに参加できる、というもの。その特別公演の内容も「ひまわり組2nd公演リバイバル」「チームB4th研究生公演」といった、プレミアムを払ってでも観たいものをそろえてきた。言うまでもなく、CD1枚で1回の抽選。つまり買えば買うほど当選率が上がりますよという、射幸心煽りまくりのデンジャラスなビジネスモデルだが、今回も公取の問題にはならなかったようだ。

この目論見は的中し、ほとんどの購入者が一回の限度枚数である5枚を購入。結果、平日から前作「大声ダイヤモンド」をはるかに上回るペースで販売数が伸びた。もちろん、AKB自体の人気が加速度的に上がっていることも事実だが――。

そのため、劇場での販売は土日の握手会当日を待たず品薄状態に。それでこの土日は1人1枚の枚数制限となった。

自分はと言えば、通信販売ですでに4枚購入してある。これに付いている引換券を持っていけばCD購入者と同じように握手券と特別公演抽選券が手に入る。しかも1人1枚ではなく、4枚ちゃんともらえるという。これは通販で買っておいて助かった。

だが、その引き換えは購入者と同じように早朝から並ばなくてはいけない、というので、公演の入場が完全メール抽選に以降して以来、久しぶりに「並び」を体験することにした。

秋葉原到着は朝7時50分。すでに作られていた長蛇の列の最後尾につくとスタッフから「割り込み防止券(整理券のようなものだが、これを持っていてもそのまま列にいなくてはいけない)」が配られた。すでに1000番をちょっと超えていた。

そこから発売開始の10時まで、ずっと並んでいなくてはいけない。比較的気温は高いとはいえ、日陰とビル風で体感温度は相当に寒い。「デトロイト・メタル・シティ」や「バクマン」の最新刊などを読んで、テンションを上げて耐えしのぐ。何やってんだ社会人。

10時を回ったが、列はいっこうに動かない。ひとつの大きな列を作っているのではなく、列を分割して、あちこちに分散して配置しているからだ。ネットで様子を伺うと、どうやら100人さばくのに10分かかっているようだ。そうなると1000番台の自分が買えるまでにはさらに1時間半以上かかるということか。

ほぼ計算どおり、ドン・キホーテ8階のAKB劇場にたどり着けたのは11時40分。そこで握手権と抽選券を4枚ずつ受け取り、さっそく握手会へ参加。

4枚どう使おうか考えたが、高橋みなみ・峯岸みなみは外せないので、あとの2枚でまだイベントで会ったことのないメンバーに会おう、ということにした。最終的に、小野恵令奈・篠田麻里子と会うことができた。最近髪を切って昔(俺が劇場に通う前の)の髪型に戻った麻里子様は、近くで見るとあまりにキレイで失神するかと思った。しかも、パーフェクト・ビューティーながら気取らずファンに対しまっすぐ視線を向けて話しかけてくる姿勢に感動して卒倒しそうになった。

そして、どちらかというと自分にとって握手よりも比重の高かった「ひまわり組2ndリバイバル特別公演」には、残念ながら落選。この日の抽選券発行数は約4000で、劇場のキャパは250だから、単純競争率は16倍。そこに4枚の抽選券で参加したわけだから、当選確率は25%といったところ。落選する確率は当選の3倍もあるので、落ちてももやむをえない数字だが、手が届かないほどでもないだけに正直無念だという気持ちはある。しかしこの日、引き換えでなくCDを購入しようとした人の多くは、何時間も並んでいたのに結局変えずに終わってしまったようだし、自分ももう少し遅く来ていたら引き換えはできない状況だった。それを考えると自分などは相当にめぐまれていたほうで、むしろありがたいという気持ちを持つべきだろう。そして、やはりあの寒空の中何時間も待たせて、それでCD1枚売らないというのはやはり問題があると思う。

つうわけで、またCDが増えちゃったよ。新曲出すたびにCDが4〜5枚単位で増えていくのって、どこか何かが間違っているような気がしないでもないが、たぶん気のせいだろうなあ。

このCDは2バージョンあり、今回のイベントに参加するためには写真に4枚写っている「劇場版」を入手する必要があった。真ん中に写っているのが全国のCDショップで買える「通常版」で、これを入手することで参加できるまた別の握手会が・・・

AKB48のWEBサイト

http://www.akb48.co.jp/

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2009年3月 1日 (日)

四季「ウィキッド」めぐみゆき&豪華アンサンブル

グリンダ 沼尾みゆき
エルファバ 濱田めぐみ
ネッサローズ 小粥真由美
マダム・モリブル 武 木綿子
フィエロ 北澤裕輔
ボック 金田 暢彦
ディラモンド教授 前田貞一郎
オズの魔法使い 飯野おさみ
男性アンサンブル 清川 晶、町田兼一、玉城 任、
丹下博喜、成田蔵人、白倉一成、
賀山祐介、田中宣宗、三宅克典
女性アンサンブル 長島 祥、間尾 茜、真家瑠美子、
あべゆき、今井美範、有美ミシェール、
花田菜美子、伊藤典子、増山美保

久しぶりに濱田めぐみ&沼尾みゆきのコンビが観たいと思い、四季劇場「海」へ。だが注目ポイントはもう一つある。アンサンブルだ。

女性アンサンブルには、一度はエルファバ役に抜擢されながら、またアンサンブルに戻ってしまった今井美範。再起の日を目指して準備に余念がないといったところか。男性アンサンブルにはフィエロにキャスティングされているもののまだ出番のない玉城任。こちらも、デビューへ向けてアンサンブルをこなしながら作品の空気をその身に馴染ませているのだろうか。

そしてもう一人、女性アンサンブルに真家瑠美子がいることを見逃してはいけない。この報を聞いて、こりゃ観に行かなきゃと思った。本来なら京都の「夢から醒めた夢」で主役・ピコを演じていてもおかしくない真家がなぜここにいるのか。答えはひとつしかあるまい。エルファバ候補と、フィエロ候補がいる以上、そこに「グリンダ候補」がいてもおかしくはない。真家グリンダ!そうか、その手があったか!想像するだけで心躍るキャストではないか。絶対実現してほしい。

オリジナルキャストの濱田・沼尾と、シャドーキャビネットのように次のメインキャストをねらう役者が共演するという、マニアックな豪華キャストの舞台となった。

さて久しぶりの濱田エルファバは一時声の調子を悪くしていたらしいが、この日は絶好調で力強くエルファバを演じ、歌っていた。濱田エルファバの演技はときどきそのトーンが変わっており、彼女がさまざまな試みをしていることが伺えるが、なんとなく最初のバージョンに戻ったような気がする。

沼尾グリンダは疲労がたまっているのか、ピーク時に比べるとやや声に力がなかった。しかしそこは声楽家、うまくごまかして違和感を感じさせない。笑いの間の取り方はあいかわらずちょっとずれてたりするものの(だがそれがいい)、さすが濱田との息はピッタリで、仲の良さがリアルに伝わってくる。「For Good」は久しぶりにしみじみとした感動に包まれた。

今井のアンサンブルはこれまで何度も観ているが、端正な顔立ちと目ヂカラが発するオーラはひときわ目立っている。アイーダや試験的に演じたエルファバの評判は今ひとつだったようだが、やはり一度は彼女のエルファバを見てみたいものだ。

玉城任はスカイ役ぐらいしか印象がなく、それもさほど強烈な印象でもないのだが、舞台に出ていると自然と目を引く華やかさがある。もっとも猿のマスクをかぶってしまうシーンが多いため、素顔をさらしている時間は限られているが。

そして真家は、あのキラキラ~☆な瞳が目印になって、どんな衣装を着ていてもすぐに彼女と分かる。たとえエメラルドシティのサングラスをしていてもだ。行ける、絶対行けるぞグリンダ役!

やはり主役級を一度でも演じた人は、特別な存在感を身に着けるのだろうか?もちろん贔屓目もあるだろうが、この3人はアンサンブルを演じながらも大いに光っていた。本当は瑠美ちゃんばっかり見ていたんだろうと言われると否定はできないが。

そうそう、久しぶりといえば小粥ネッサローズ。総督になってからの演技になにやら凄みが増していて非常に良かった。

最近、特に平日などは客席がややものさびしいことも多いようだが、この日はチケットは全て売り切れ。やはりウィキッドはこうでなくてはいけない。千秋楽もそう遠くはないと思うが、新キャストはそれまでに間に合うだろうか?間に合わなくてもいい。また遠征の口実ができるというものだ。定額給付金の使い道はそれに決定だな。

「ウィキッド」WEBサイト
http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html

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